学校で校長や教師が生徒と保護者対策にボディカメラを常時着用＆全録画で自己防衛

by Joey Yee

アメリカでは警察官が不祥事防止に向けてボディカメラを着用していますが、アイオワ州の学校でも校長と教頭が小型のボディカメラを身につけて学校生活を記録しているそうです。

Body cameras making their way into Iowa schools
http://www.desmoinesregister.com/story/news/education/2015/07/05/body-cameras-burlington-schools/29746803/

Body cameras in schools: Are School Resource Officers (SROs) and principals missing the big picture? - School SecuritySchool Security
http://www.schoolsecurity.org/2015/07/body-cameras-in-schools-are-school-resource-officers-sros-and-principals-missing-the-big-picture/

アメリカ・アイオワ州南部のバーリントン学区では、校長が生徒や保護者と話す際にボディカメラを身につけて会話の様子を録音・録画しています。バーリントン学区の教師が着用しているボディカメラは以下のもので、側に置かれたコインと比べるとカメラの小ささがよく分かります。カメラの背面にはクリップがついていて、教師たちはネクタイに取りつけたり首からぶら下げたりして身につけるそうです。価格は1台85ドル(約1万円)とのこと。

バーリントン学区にあるAldo Leopold中学校のマーク・ヨーマン校長は以前、「生徒を蹴飛ばした」として保護者からの告発を受けましたが、ボディカメラの記録によってヨーマン校長が無実であることが証明されました。ヨーマン校長は「保護者は子どもたちを介して私の発言を知るのではなく、ボディカメラの記録を使えば直接見聞きすることが可能です」とボディカメラの有用性について語っています。ヨーマン校長はボディカメラを身につけて毎日学校の玄関や食堂で生徒の様子を観察したり、生徒や保護者と話す際には会話を録画したりしているそうです。

バーリントン学区の教育長であるパット・コーエン氏は「ボディカメラは教師と生徒との交流だけではなく、教師が何かミスを犯した際にも記録が残ります」とボディカメラの効果を語っています。バーリントン学区の校長たちは毎日ボディカメラの録画内容を提出し、学校で何らかの問題が生じた際には録画内容を見直すことが義務づけられています。また、バーリントン学区ではボディカメラの導入以前から学校の廊下や階段、食堂などに固定カメラを10年前から設置しています。さらにスクールバス車内にもカメラを搭載して、車内の生徒とドライバーの様子や、路上の歩行者の姿も録画されているとのこと。

by Josh Koonce

一方で、アメリカ学校安全センターのケン・トランプ氏は「バーリントン学区の方針はやり過ぎで、他の学区に真似してほしくありません。校長たちは、深夜に暗い裏通りを歩いているのではなく、昼間の学校で子どもたちと共に過ごしているのです」と語ります。

トランプ氏は「固定カメラは学校内の人の動きを記録しますが、ボディカメラは一個人の行動や会話を全て記録するため、法的な問題やプライバシー面での懸念が生じます。また、教師がボディカメラを身につけることで生徒との信頼関係を構築しにくくなり、生徒は家庭での悩みや友達同士の問題を教師に話しづらくなるでしょう」と言います。さらにトランプ氏は「教師がボディカメラを身につけることで、既存の問題を解決するよりも新たな問題を増やしているのではないでしょうか？教師がなぜボディカメラを身につけるのか、今一度考える必要があります」とボディカメラの着用を疑問視する姿勢を示しています。

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なお、既にヒューストンやテキサスの一部学区では、校内警察が2015年秋からボディカメラを導入すると告知しています。

All Houston School Police To Wear Body Cameras Next Year - 02-03-2015 : Houston Public Media news... Houston Public Media
http://www.houstonpublicmedia.org/news/all-houston-school-police-to-wear-body-cameras-next-year/