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サイバー犯罪者を次々と送り出した伝説のハッカーの街「Hackerville」のドキュメンタリー映像日本語字幕付がYouTubeで全編公開中


サイバー犯罪の頻発するルーマニアの街・通称Hackerville(ハッカービル)を舞台にしたドキュメンタリー「In Search of The Most Dangerous Town On the Internet」を、アンチウイルスソフトの「ノートン」を提供するシマンテックが制作・公開しています。映像は全部で20分弱あり、YouTube上で日本語の字幕付きで見ることが可能です。

In Search of The Most Dangerous Town On the Internet [Official Documentary] - YouTube


ルーマニア中部の田舎町、ルムニク・ヴルチャは、サイバー犯罪が集中したことから「Hackerville(ハッカーの街)」と呼ばれていて、この地からサイバー犯罪者がルーマニア全土に広がっていきました。


Hackervilleに住むラップ歌手のペレ・ナーカス氏は「ルムニク・ヴルチャは『ハッカーの聖地』なんて呼ばれているけど、とても美しい街さ」と話します。


ルムニク・ヴルチャの街並み。


白塗りの美しい教会が建っています。


ルムニク・ヴルチャの司祭であるコンスタンチン・クルステア氏は「人間の本性は悪に走りやすいのです。人は罪を犯します」と語ります。


「多くのサイバー犯罪を生み出した現象がこの地から始まったおかげで、ルムニク・ヴルチャは一躍有名になりました」


「しかし、ルムニク・ヴルチャは長い歴史を持つ、山に囲まれた田舎町です」


ルーマニア警察のサイバー犯罪秘密捜査に携わっている警官は、「始まりが一体どうたったのかはうまく説明できません。多くの人間は仕事に就きますが、一部の人間は楽に人生を過ごす近道を求めて、犯罪に手を染めます」とサイバー犯罪の深刻さを語っています。


昨年のルーマニア人ハッカーによるハッキング被害総額は10億ドルにものぼるそうです。


「周知の事実ですが、今やあらゆる活動がオンライン化しています。テクノロジーは私たちの日常生活に溶け込んでいます」と語るのはセキュリティ専門家のMadalin Dumitru氏。今や、買い物、支払い、旅行、チケットの手配に至るまですべてオンラインで行うことができます。


アンチウイルスソフトのノートンで働くKevin Haley氏は「ルーマニア人は悪名高くなりました。極めて優れたコンピュータスキルを持った多くの有能な人材が犯罪に手を染めたのですから、その認識はおおむね正しいと言えます」と語りました。


元・最重要指名手配ハッカーのTinkode氏は「世界中のサーバーやウェブサイトのうち80%以上に脆弱性があることが問題なのです」と語ります。Tinkode氏は2012年にハッキングの罪で逮捕されてましたが、3カ月後に釈放されています。


「東ヨーロッパのあらゆるサイバー犯罪をルーマニア人が一手に引き受けていると言っても過言ではありません」


ルーマニア共産主義時代の権威であるNicolae Stanculescu氏は「共産時代の遺産はとても複雑です。共産主義体制の負担の多くは今でも人々の生活を支配しています」


「とくに重要な変化が起こったのは1980~1990年代で、その頃からルーマニアはおかしくなり始めました。その結果生まれたのが、いわゆる『新人類』です」


「共産主義のせいで私たちの生活は制約を受けていました。道具は足りなかったし、テクノロジーを利用する道もほとんど閉ざされていました。しかし、1989年のルーマニア革命後、ルーマニア人はテクノロジーを手に入れてものすごい勢いで発展し始めました。ITやテクノロジーに飢えていたのだと思います」


「サイバー犯罪を行うハッカーは、物事の仕組みを理解し、インターネット上で犯罪を起こすためのテクノロジーを作りました」


メールをハッキングした罪で投獄中のハッカー・Gucchifer氏は「インターネットが親友だったのに」とコメント。


Gucchifer氏が投獄されているアラド刑務所はこんな建物。


Gucciferという通り名は、「GUCCIのようにかっこよく、ルシファーのような英知がある」という意味で、Guccifer氏のハッキングの標的となったのはブッシュ元大統領一家や……


ヒラリー・クリントン氏。Gucchifer氏のハッキングが原因でクリントン氏の2016年大統領選挙活動に支障が出ているそうです。また、元国務長官のコリン・パウエル氏や、ロックフェラー財閥、アメリカ連邦準備委員会も標的となっていました。


「インターネット上の情報のうち30~35%が電子メールで、メールにしかない情報があり、秘密が隠れている。究極の真実を見つけ出し、暴くというのは好奇心よりも強い欲求なんだ。いつも追求していたんだ。アメリカ人はテロと同じくらいハッキングを怖がっている」


元・ブラックハットハッカーで、現在はホワイトハッカーとして活動しているアイスマン氏は「簡単なハッキングを始めたのは1998年ごろかな。当時最もよく使われていたパスワードは『123456』だったよ」と語ります。


「スキャマーはただ盗みをするだけの盗人でハッカーじゃない。ハッカーはただハッキングするだけ。ハッカーはブラック、グレー、ホワイトに分かれていて、モラルのあるハッカーもいる。最悪なのはブラックハッカーだけど、損害は与えても盗みはしない。ルーマニア人は本当にインターネットが得意さ。全土に光回線が敷かれているから、最高の回線速度を利用できる」


アイスマン氏はNASAのジェット推進研究所をハッキングしたことで最重要指名手配リストに載っていました。彼の侵入による被害総額は50万ドル(約6200万円)を超えたとのこと。「俺はNASAをハッキングしてやりたくて、とても堅固なNASAのメールサーバーに侵入してメッセージを残した。『おまえらのサーバーをハッキングしして守ってやったぜ。このメールアドレスまで連絡を』ってね。NASAから仕事の依頼が来ると思っていたんだけど、届いたのは罰金の請求書だけだった」


ハッカービルに住むあるスキャマーは「最初は純粋な好奇心からだった。小学生の時の話だけど、ネットカフェで友達と情報を共有していたんだ。そこで初めて外部からサーバーに侵入する方法を覚えた」と語ります。


eBay専門のスキャマーは「金は簡単に手に入った。広告を掲載して、メールアドレスを書いておけば、客をだまして送金させることができる」と自身の手口を明かします。


「1人もカモにできない週もあれば、10~15回の取引ができる週もあった。モノによっては1回の取引で4000ドル(約50万円)以上もうかることもあった。アメリカ人はだましやすいんだ」


インターネットを悪用しているスキャマーは間違いなくサイバー犯罪者ですが、技術スキルをあまり持っていません。また、ハッカーはスキルが高く知識が豊富ですが、両者共に街中に出てしまえば同年代の若者と区別がつきません。


アノニマスに協力したことはあるか?」と聞かれたアイスマン氏は……


「イエスだ。ある政府を標的としたことがある」と答えましたが、具体的な国名は明らかにしませんでした。


Tinkode氏は「13歳の時、ハッカーが登場するアメリカの映画を見て感動しました。そしてやり方を知りたくなったのです。今までハッキングした相手は、Google、YouTube、アメリカ陸軍、アメリカ大統領、IBM、オラクル、MySQL、Facebookなど『すべて』です」と語ります。


Guccifer氏は「アメリカ人は目を見開きなさい。今年、とても悪いことが起きるよ。毎日の生活が快適だから、聞きたくはないだろうけど」と警告。


さらにGucchifer氏は「ハッキングを行うのは金のためなんかじゃない。自分の腕前に酔っていたんだ。俺は7年間も投獄されているけど、罪状は2つのメールアカウントのハッキングだけ。ひどい待遇さ。これが正義か?いや、正義なわけがない。これからもこれまでも自分のしたことには後悔しない」と語ります。


司祭であるコンスタンチン・クルステア氏「ミツバチは毒のある花からは蜜を集めません。人間だけは生涯で善行のみを選び、価値のある魂にその種を植え、贖罪を重ねるのです」ともコメント。


「数多くのコンピュータへの侵入が確認されています。目的はクレジットカードデータの搾取です」


「現実世界では、ハッカーは一般的に個人として生活し、人的ネットワークは持っていません。1日中PCの前に座り、自分のスキルを頼りに侵入を繰り返します」


「インターネット上では彼らは社交的で、世界中に散らばる他のハッカー仲間と連絡を取ります。お互いに学び合うのです」


アイスマン氏は「セキュリティ担当者のたった1人がセキュリティのことを全部分かるはずがない。不可能さ。新しい脅威が多すぎるからな。これからも賢くて腕のいいハッカーは必ず出てくる」と語り、会社の規模の大小に関わらず、サイバー犯罪者の餌食になる可能性を示唆しています。


あるスキャマーは「良心の呵責に耐えられないときもあったよ。夜寝られなくて。両親にもウソをついていた。俺のやっていたのは非合法行為で、誇りに思ったことは一度もない」と、自身の罪を告白。


「驚異は常に起こっています。ハッカーは新しい方法を見つける度にサイバー攻撃を行うからです」


「コンピュータの画面の裏に隠れている攻撃者に、サイバー犯罪は犠牲者のいない犯罪で現実に人を傷つけてはいない、と思わせてはいけないのです」


「サイバー犯罪は未来型の犯罪になるでしょう。通常の犯罪行為の多くもオンライン環境に移行します。標的の数が多くなるからです。オンラインはサイバー犯罪者の狩り場です。肉食動物と獲物の関係に似ていますね。肉食動物は常に獲物を求めます」と、ルーマニア警察。


「対策のしようがなく、もう投げ出したい、万策尽きたと思うときはありませんか?しかしそれはウソです。犯罪対策は日進月歩で進化しています」


「最終的に人はサイバー犯罪の対処法を学びます。そのために私たちがあるのです。私たちはサイバー犯罪者の存在が当たり前だという世界を作っています。リスクはつきものです。対処法を理解し普通の生活を普通に送る方法を模索しています」


「脅威は大きいモノです。ハッカーはどんどん知識を身につけて攻撃の手口もますます高度になっています。備えあれば憂いなしです。兵士と戦うにはこちらも兵士が必要です」

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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