Firefoxが閲覧履歴連動型広告タイルを導入、その仕組みとは?


ウェブブラウザのFirefoxには新しいタブページを開いたときに、よく訪れるサイトなどをサムネイル表示する「タイル」機能がありますが、ここにユーザーの閲覧履歴などから導き出したオススメの広告が表示される「Suggested Tiles」がリリースされることになりました。

Providing a Valuable Platform for Advertisers, Content Publishers, and Users | Advancing Content
https://blog.mozilla.org/advancingcontent/2015/05/21/providing-a-valuable-platform-for-advertisers-content-publishers-and-users/

MozillaはすでにFirefoxの新規タブページに、ユーザーが興味を示すであろうオススメサイトをタイル表示する「Directory Tiles(ディレクトリータイル)」機能を導入済みです。このDirectory Tilesが新規ユーザーを対象にしており閲覧履歴に連動していないのに対して、新しく導入されるSuggested Tilesはユーザーの閲覧履歴に連動してオススメサイトが表示される、という点で大きく異なっています。

Suggested Tilesがどのようなサービスなのかは以下のムービーで解説されています。

Introducing Suggested Tiles - YouTube


Mozillaはインターネットはあらゆる人に利益を与えるべきだと考えています。


そして、インターネットは人類共通の資産なので、広告の表示には適度なバランスが維持されることが重要だと考えています。


時としてブラウザ利用に関するユーザーデータは収集されて……


ユーザーが気づかないうちにインターネットを通じてシェアされます。


その結果が、無秩序な広告やスパムメール、マルウェアの氾濫をまねくことも。


広告とユーザーの利便性は調整する必要があります。


Mozillaは新しいマーケティングのチャンスは確かに存在すると感じています。


それはインターネット利用者とサービス提供者の両方のニーズをぴったりと合致させて、両者をつなぐことです。


それをかなえるのが新しいサービス「Suggested Tiles」です。


まるで会話によって適度なバランスがとられるように……


自然なコンテンツの生成がFirefoxのタイル上で起こります。


Suggested Tilesは、ユーザーが高い関心を示すと予想されるサービスをタイル上に表示する機能です。


ユーザーがブラウジングで多くの時間を過ごしたジャンルに基づいた、個々のユーザーに応じたオススメのサービスだけが提示されます。


広告タイルは画像やメッセージで表示されます。


広告を出したいサービス提供者は、ユーザーのブラウジング履歴から導き出されたユーザーの関心の高いジャンルにターゲッティング広告を出せるというメリットがあり……


ユーザーは自分の関心の高いサービス、つまり自分に必要なサービスについてだけ情報を得られるというメリットがあります。


しかし、他の広告プラットフォームと違ってSuggested Tilesでは個人情報は共有されません。


パリティデータやクッキーなどの個人情報に結びつき得るデータは、Mozillaのサーバー内でも暗号化されるのでセキュリティは万全。


また、ユーザーはSuggested Tilesを利用するか否かを完全にコントロールでき、使いたくなければチェックを外せばすぐに利用停止可能です。


ユーザーが何を見ていて何を見てきたかを理解できる広告プラットフォームは、ユーザーだけでなくSuggested Tilesに広告を出したいサービス提供者両方にとってメリットになります。


広告を出すサービス提供者がユーザーと「会話」できることで、お互いのニーズを満たせるのがSuggested Tilesです。


Suggested Tilesは、Firefoxユーザーが閲覧する回数の多いURLからオススメのサービスを選んで広告タイルを表示するという機能で、まずはFirefoxのベータ版でテストされる予定です。なお、ベータテストではMozilla関係のコンテンツサービスのみ表示される予定で、今夏には正式版としてリリースされる見込みです。

なお、MozillaはSuggested Tilesのデータの流れに関する図を公開しており、これによると、広告を表示させたいパートナー企業は、まずはMozillaに広告キャンペーンの詳細な内容を提示して表示内容が不適切でないかの審査を受けます。その後、問題ないと判断されたキャンペーン情報は、Spliceというタイル表示を管理するサーバーを経てOnyxという広告サーバーに送られ、ユーザーの閲覧履歴やブロック情報と照らし合わせてユーザーのタイルに広告として表示されます。実際にタイルで表示された後のコンバージョンについては、Discoというというデータサーバーに保管後に暗号化が施されて、最終的にMozillaがデータを回収後、パートナー企業にタイル表示されたユーザーの国別データ、表示時間、ピン留め/ブロック率、クリック回数がレポートとして提出されることになりますが、その中には個人情報につながるデータは含まれていないとのこと。


すでにTwitterが「カスタマイズされたプロモ商品」として、ユーザーのサービス利用履歴に基づくターゲティング広告を採用しており、同様のターゲティング広告が「Suggested Tiles」としてFirefoxでも導入されることになるわけです。

Suggested Tilesではユーザーの閲覧したURLの回数のみが利用され、ユーザーの個人情報は収集されず、広告主にも提供されないため、個人情報に対する配慮は十分なされており、また完全にオプトアウト可能な仕組みのためユーザーの利便性にも最大限に配慮がなされていると言えそうです。ただし、広告タイルが頻繁にかつ多数枚表示されるなど、広告表示の実際の運用状況次第では、ユーザーの利便性を損ねるおそれは大いにありそう。Twitter同様にサービス運営に資金的な問題がついて回るFirefoxの新たなマネタイズが成功するかどうかは予断を許さない状況です。

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