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Googleが開発した「エボラ治療専用タブレット」とは?


西アフリカでは国境なき医師団などの医療従事者たちがエボラ出血熱の対策に取り組んでいます。二次感染を防ぐため、医師たちは細心の注意を払って患者の治療や検査に挑む必要がありますが、そんな医療現場のため、Googleがエボラ出血熱などの伝染病治療に特化したタブレットを開発しました。

Google Builds a New Tablet for the Fight Against Ebola | WIRED
http://www.wired.com/2015/03/google-builds-new-tablet-fight-ebola/


Geeklist Blog — Tablets Trump Paper in Open Source Ebola Response
http://blog.geekli.st/post/114341146942/tablets-trump-paper-in-open-source-ebola-response

2014年9月ごろ、国境なき医師団の一員であるJay Achar氏は、西アフリカのシエラレオネ共和国の臨時治療施設でエボラ治療プロジェクトに活動していました。施設内には「ハイリスクゾーン」と呼ばれる区域があり、ゾーン内に入るにはポリエチレン製の防護スーツや、グローブ・マスク・ゴーグルを装着する必要があります。

By European Commission DG ECHO

現地の気温はカ氏90度(セ氏32.2度)を越えており、「防護スーツを着用して施設内で作業できるのは1時間が限度です」と語るAchar氏。ハイリスクゾーンを行き来するには防護スーツの装着が必要なため、Achar氏は限られた時間でできる限り患者の治療する必要がありましたが、ゾーン内部で行われている血液検査の記録も行う必要がありました。さらに紙を施設外に持ち出すことができないため、検査結果はフェンス越しに叫んで外部のスタッフに記録させていたとのことで、十分な治療時間が確保できない状況でした。

このようなエボラ出血熱治療現場の現状を受けて、Google.orgと世界的問題に取り組むテクノロジーコミュニティGeeklist #hack4goodが、伝染病区域で紙の代わりとして安全に使用できるAndroidタブレットを共同開発しました。

タブレットは防水のSony XPeria Z2 Tablet で、外装にポリカーボネートを採用。塩素に浸して殺菌消毒が可能なことから、施設内外を移動させることができます。また、ネットを通じて検査結果を送信できるため、緊急を要する結果でもフェンス越しに叫んだり、防護スーツを着脱したりしなくても良いことから、時間のロスを大幅に減らすことができるわけです。


西アフリカのエボラ対策プロジェクトに携わるハーバード大学医学大学院生物医学情報センターのEric Perakslis博士は、「とても素晴らしい、ユニークなアイデアだ」と話しており、タブレットは2015年現在、西アフリカ諸国で活動を続けるAchar氏ら医師団の中で活用されています。また、このタブレットの作業に適したアプリのデータキットなどがオープンソースで公開されており、エボラ出血熱以外にもコレラや結核などの疫病発生地域での活用が期待されています。

なお、WHOは15分でエボラ検査を行える検査方法を確立するなど、西アフリカの厳しい医療現場を支える技術が登場していますが、いまだエボラ出血熱の終息の見通しは立っていない状況です。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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