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過去100年で婚前交渉が「恥」から「ゲーム」に変化した理由を経済学者が解説するとこうなる

by lauren rushing

性行為や婚前交渉の禁止を含め、さまざまな規範を教えることで親は子どもを「社会化」させます。しかし、経済学の観点から見ると、この「社会化」は非常に高コストで、得るものが少ないのに時間や労力をつぎ込むという不可解な行為です。過去には刑罰の対象となるほど厳しく取り締まられていた婚前交渉ですが、現在では多くの国で認められています。なぜ過去100年で婚前交渉に対する考え方が変わったのかは、この「子どもの社会化」と経済学の観点から説明できるとして、経済学者のヘス・フェルナンデス・ビリャベルデ氏らが論文を発表しています。

FROM SHAME TO GAME IN ONE HUNDRED YEARS: AN ECONOMIC MODEL OF THE RISE IN PREMARITAL SEX AND ITS DE-STIGMATIZATION
(PDFファイル) http://www.jeremygreenwood.net/papers/fgg14.pdf

1710年と1750年の間にアメリカ・ニューヘブンで起こった刑事訴訟の69%は婚前交渉に関するものでした。当時、婚前交渉は罪とされ、罰金・むち打ち・禁固などの刑が課せられていたのです。しかし、過去100年の間に性や婚前交渉の考え方は大きく変わりました。この考え方の変化に大きな影響を及ぼしているのが「子どもの社会化」という要素です。

1900年ごろのアメリカでは、19歳までに婚前交渉を行う少女はわずか6%でした。1968年になると婚前交渉について寛容な少女は15%に増加しますが、特筆すべきは19歳で婚前交渉を経験済みだった少女がそれよりも多い40%に達していたこと。さらに、1983年には婚前交渉に寛容な少女は45%に増え、19歳で婚前交渉を経験していた少女も73%に増加。つまり、社会的な公序は常に現実に遅れをとってきたのです。なお、現在では19歳で婚前交渉を経験している少女は75%にまで達しています。

by James Theophane

では、なぜ1900年代には規範に従う「社会化された」子どもが多かったのか。それは子ども、特に少女の場合は、非嫡出子が産まれると教育や仕事の機会を奪われたり、結婚に悪影響を及ぼす可能性があるためでした。親は少女が不幸にならないよう、限りある時間や労力をかけて婚前交渉の危険性を説き、子どもを社会化させていたというわけです。また国家も同様に、病気の流行や少女の妊娠を防ぐために「社会規範」や「禁欲」を促進する方案を打ち出します。

ここでの考え方は基本的に、人は「利益」と「コスト」を比較衡量して決断を下すというものです。つまり、少女が婚前交渉すべきかすまいか決めるとき、「セックスから得られる楽しさ」という利益と「妊娠や病気のリスク、将来への影響」というコストをてんびんにかけます。そして比較衡量の結果、自分にとってよりよいものを選択します。1900年代の少女たちにとって、婚前交渉の「コスト」は非常に高くつくものでした。

しかし、以下の図を見てみると、避妊の失敗率は時代とともに下がっています。つまり、現代は十代の少女たにちとって婚前交渉の「コスト」が低下したわけです。これは避妊具の質の向上が生み出した結果ですが、一方で非嫡出子の数は増えています。コストである避妊の失敗率が下がることで、少女たちが利益である「セックスから得られる楽しさ」を優先させ、結果として非嫡出子の数が増加したのです。


さらに「社会化」「非嫡出子の数」「年代」という3つの関係を表すとこうなります。1980年代までは「社会化」が価値を持っていたのですが、その後に急落。子どもの「社会化」が1900年と同様の価値を持っていたら、現在ほど婚前交渉は一般的でなかったかもしれません。


また、家庭の収入と少女の婚前交渉の間にも関係があり、家庭収入の下位10%に属する少女は70%が15歳から19歳の間に婚前交渉を経験していたのに対し、上位10%は47%が未経験。収入が少なくなるほど少女が婚前交渉を行う割合は増加する傾向にあることが分かっています。さらに、上位に属する少女が妊娠を知った時に思い悩む割合が68%なのに対し、下位の少女たちが思い悩む割合は46%であるとのこと。

親が子どもを社会化させる時、そこには自分の好みや価値観が反映されます。例えば避妊が広く知られていない社会で育った少女は、親から「女性は婚前交渉すべきではない」と言われて社会化されます。少女が十代の半ばに現在のアメリカに移住した場合、彼女はアメリカの少女たちよりも貞淑に日々を送ることになります。もし家族がそのまま移住前の価値観を持ち続けたら、その影響は少女の子どもや孫にまで受け継がれますが、時間が経過するにつれて影響は弱まるはず。避妊が一般的なアメリカでは婚前交渉に対して厳しくしつける必要がなく、非嫡出子を恥だとされることも少ないためです。

by Don O'Brien

これは母親である女性が置かれた環境が、子どもが社会化されるレベルに影響を及ぼすということ。以下の図は「母親の学歴」と「母親が婚前交渉を『恥』だと教えること」の関係を示します。「<HS」が高卒を卒業していない女性、「HS」が高校を卒業および大学に行った女性、「C」が大卒以上の経歴を持つ女性を示しているのですが、学歴が高くなればなるほど「婚前交渉は恥」と教える割合が高くなっています。これは「社会化させること」が時間や労力を必要とする非常に高コストな行為のため。


つまり、子どもの「社会化」は親の置かれた環境に左右されるわけですが、近年の避妊具の改良は、親の教えよりも性行為に対して大きな影響をもたらしたということです。そして、子どもの人生に悪影響を及ぼす脅威そのものが小さくなったことで、親や教会が子どもに対して持つ「規範やイデオロギーに従い、社会化して欲しい」という望みは小さくなっていくとものとも考えられています。

この研究は、親や教会が行う「社会化」がテクノロジーが発達していない場所で行われることを示しています。避妊具の技術の進歩は、婚前交渉に関して子どもを社会化させる行為に取って変わるのです。社会学者のウィリアム・フィールディング オグバーン氏は「社会変革の大部分は技術的進歩に対するリアクションだ」と語っていますが、まさに性規範においても、多くの人が気づかないうちに避妊具の進歩が変革を起こしていたと言えます。

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in メモ, Posted by logq_fa

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