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薬としての「飲める金」のレシピとは?

by Bullion Vault

健康のため食べ物に気を使う人は多く、現在ではさまざまなレシピが考案されていますが、過去には体のために「金」が摂取された時代がありました。その時代に考案された「飲める金」はどんなものなのか、当時の資料が残っています。

Making Drinkable Gold for the King of Siam | The Recipes Project
http://recipes.hypotheses.org/5162

タイでナーラーイ王が統治していた時代、諸外国の技術や学問に強い関心を持っていたナーラーイ王の意思のもと、タイでは国際貿易が盛んに行われていました。インドや中国をはじめとする東南アジアの国々から専門家が集まり、多くの医学的な知識が伝えられたのもその時代です。同時期、アジアの宮廷とつながりを持つために「西欧医学で相手を驚かせる」という方法を採っていたパリ外国宣教会(MEP)のカトリック宣教師たちも、国際都市があるタイに注目していました。

そして王がMEPとのやりとりの中で望んだのが「飲用金」です。口から摂取する形の金は珍しいものではなく、アジアの伝統医学やルネサンス期のヨーロッパでも扱われており、多くは金粉を宝石やユニコーンの角、スパイスなどと混ぜ合わせるという形でした。

by Anthony Georgeff

当時やりとりされた手紙が現在でも残っており、外科医として訓練を積んだレネ・シャルポノー氏は1677年に「王は飲用金を望んでいる。しかし、我々の技術ではどうすることもできない。どうか、フランス語で飲用金の作り方と精製方法を書いて送ってくれないか。ラテン語ではなく、フランス語で頼むよ。科学的な観点からは書かないでくれ。僕はそっちに詳しくないんだ」という手紙を友人に送っています。西洋医学で王をあっと言わせて、宣教活動を行うために「飲用金」が求められたのですが、MEPにとって簡単なことでなく、手紙からは心穏やかでない様子が伝わってきます。

しかし、飲用金は16世紀ごろから効果が疑問視されるようになります。薬剤師のニコラス・ルフェーブル氏は自身の著書の中で「金粉を薬に混ぜるのは、アラブ人が伝えた薬学をだめにする」と語っており、「金が人間の体に与える効果」を否定しています。その一方で、ルフェーブル氏は専門家として錬金術の観点から洗練された金の使い方や精製方法も多く公開していました。

MEPのメンバーは、薬剤に金粉を混ぜただけの単純なものではなく、この錬金術による飲用金の作り方をまじめに実行。しかし、必要な材料をグラスで混ぜて加熱したにも関わらず、必要な温度になる前に全てがだめになってしまったとのこと。作業を行ったのが錬金術に精通した人ではなく素人だったためにうまくいかなかったのです。上記のほかにも、クリストフ・グレイザーという専門家の書物に従って、小さな爆発を起こしたり焼成したり分離させたりという方法が採られました。例えば1つの方法では「精製後の金を、硝石を加えた少量の王水で溶かし、その後リネンを液体につけ、しっかり乾かしたのちに燃やし、できた灰を羽で集めて薬などに使う」とのこと。グレイザー氏は書物の中で簡潔に方法を説明していますが、それでもMEPのメンバーには難しかった様子。スズを精製しようとした時にはうまくいきそうになったのですが、王が「すばらしい薬だ」と満足しそうなものは作れませんでした。

by Martin Strauss

王をうならせる飲用金を作るのには専門家の手が必要なのは明らかで、結局、素人だけでは無理だと踏んだMEPの高官たちは、フランスから錬金術師を呼び入れたとのことです。

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in メモ, Posted by logq_fa

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