ムービー

タイタニックの斬新な内部構造や豪華な内装、巨大エンジンなど貴重な写真を収めたムービー


1912年4月に処女航海の途中で氷山に接触し、約1500人もの犠牲者を出して海難事故を起こした豪華客船タイタニック。沈没した海難事故をフォーカスした映画やドキュメンタリーが知名度を高くした世界的に有名な同船ですが、その建築構造や内装は現代でも興味深い技術が使われており、その詳細を「RMS Titanic: Fascinating Engineering Facts」というムービーが誰でもわかるように解説してくれています。

RMS Titanic: Fascinating Engineering Facts - YouTube


タイタニックの建築構造を解説してくれるのはイリノイ大学の化学・生物分子工学部のBill Hammack教授。


Hammack教授よると「THE ENGINEER LONDON」という書物にタイタニックの建築構造の詳細が記載されているとのことです。


タイタニックを建造したのはイギリスの重工業メーカー「ハーランド・アンド・ウルフ


これは「ガントリー」と呼ばれる、いわば船舶を建造するために使用される構台です。


ガントリーの左側にあるスペースでタイタニックが建造され、右側でタイタニックの姉妹船のオリンピックが作られました。


船底を船首から船尾にかけて通すように配置された構造材の竜骨があるのがわかります。地面から約1.5mの場所に竜骨を設置することで、船の下側から作業ができるようになっているというわけ。


下記の画像には船舶の外観にあたる船殻が映っています。奥がタイタニックで、手前がオリンピックの船殻です。


手前にあるオリンピックは完成時に白と赤でペイントされましたが、その後に黒と赤に塗り替えられたとのこと。


オリンピックを初めて海上に移動させる際には、23トンもの油・獣脂・石けんが塗られ、滑らせるようにして着水。画像を見るとわかますが、オリンピックは船首ではなく船尾から水に入っています。これは船尾の方が横幅が広く、浮力を受けやすいからです。


進水式後のオリンピックは重量が2万7000トンある一方で、喫水(水面下に沈んでいる船体の垂直距離)が約5.5mしかありませんでした。ただし、内装が完成した後は重量が5万2000トンに増えたので、喫水は約10mに。


これは巨大なクレーンでオリンピックにボイラーを取り付けているところ。


オリンピックから遅れること7カ月でタイタニックも進水式にこぎつけます。


ただし、タイタニックの進水式に関する写真はほとんど残されていません。すでにオリンピックという巨大船舶が進水式を終えており、タイタニックにはさほど注目が集まらなかったとのこと。


オリンピックとタイタニックが共に映っている貴重な写真。2隻が同じ場所にいるのはこれが最後でした。


オリンピックは竣工後の1911年にイギリス海軍のエドガー級防護巡洋艦「ホーク」と衝突事故を起こしてしまいます。ただし、事故で沈没することはなく、1935年まで現役の客船として稼動しました。


同時期に作られたタイタニックとオリンピック、そして後に登場するブリタニックの3隻はオリンピック級客船と呼ばれ、外観や内部構造は多少違うものの非常に似ています。


これはタイタニックの貴重な断面図。エンジンは石炭を動力源としており、船底に大量の石炭を積んでいました。タイタニックは運行に1日で650トンもの石炭が必要だったそうです。


断面図を見ると、石炭が保管されている場所の奥にボイラーがあるのがわかります。ボイラーから出る排ガスは船の上部にある煙突から排出されていました。


オリンピックの煙突の断面図。煙突の下部は図のように裾広がりの構造になっていて、船底にあるボイラーにつながっているというわけです。


タイタニックの船尾に最も近い場所にある煙突はデザイン上の理由から設置されたもので、煙突としてはなくエンジンルームを換気する役割がありました。


タイタニックに搭載されていたボイラーは直径5m。写真に写っている人と比べるとその大きさがよくわかります。


ボイラーから排出される蒸気をシリンダに導いてピストンを動かして往復運動をさせるのが、黄色く色付けされているレシプロエンジンです。


レシプロエンジンを船首側から見たのがこちら。オレンジ色の部分がピストンロッドになり、これに接続されているのがピストンです。


レシプロエンジンに隣接した場所にあるのが、蒸気で動作させるタービンエンジン。


建造途中のタービンエンジンの上には作業員の姿を確認できます。作業員の姿からタービンエンジンがいかに大きいかがわかるはず。


タイタニックには3つのスクリューが搭載されていて、両サイドにある2つは、それぞれ重量が38トンあり、レシプロエンジンによって動きます。真ん中の巨大なスクリューは、重量が22トンでタービンエンジンによって作動するとのこと。


というような巨大な設備を搭載していたにも関わらず、タイタニックを含むオリンピック級客船は当時で最速の船舶ではありませんでした。オリンピック級客船で重視されていたのは、船のスピードよりも快適で豪華な内装だったのです。


ファーストクラスのラウンジがこちら。


豪華な階段は映画「タイタニック」に登場したものによく似ています。


タイタニックはファーストクラスの設備だけでなく、全てのクラスの乗客が快適に過ごせるように工夫されていたといいます。その1つが巨大な平歯車とかさ歯車です。2つの歯車には作動する際の振動をできるだけ少なくするために、歯がV字になるようにデザインされたヘリンボーン模様を採用しています。


タイタニックの貴重な内部や建造中の写真は船にそこまで興味のない人を引きつける魅力にあふれていて、Hammack教授の解説を理解してから映画「タイタニック」を見ると、より一層楽しめそうです。

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log