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いろいろあったグルーポンが消滅せずに生き残れている理由とは?


共同購入型クーポンサイトのグルーポンは2008年にアメリカで誕生したサービスで、登場からしばらくの間は多くの注目を集めて非常に勢いのあるサービスでしたが、設立から数年がたった現在ではすっかりその名を聞くことも少なくなりました。急速に知名度を上げ、そして急速に勢いを失ったグルーポンの遍歴は「過去の悪例」として取りあげられることが多いのですが、Fortuneのコラムニストであるダン・プリマック氏は「評価されるべき部分は多い」と反論するコラムを寄せています。

Let’s stop laughing at Groupon - Fortune
http://fortune.com/2015/01/26/lets-stop-laughing-at-groupon/

グルーポンは2008年の設立から2年以内で、ベンチャーキャピタルから10億ドル以上(当時のレートで約850億円)の資産価値があるという評価を受けていました。当時はGoogleから6億ドル(当時のレートで約500億円)での買収を持ちかけられたほどですが、グルーポンはこれを断るほどの勢いを見せています。2011年にナスダック市場に株式上場した際には、約126億ドル(当時のレートで約1兆円)で公開された株価総額が終値で230億ドル(当時のレートで約1兆8500億円)に達し、幸先のよいスタートを切ったかに見えたグルーポンですが、その勢いは長くは続きませんでした。

株式公開から約1年後の2012年6月頃になると株価は低迷し、評価額はGoogleから買収提案された600億円以下にまで下落。2013年には、業績不振を理由に創始者でありCEOのアンドリュー・メイソン氏が解任されるという事態に達しています。

By The DEMO Conference

そして数年がたち、グルーポンのいきさつは人々の記憶から忘れ去られようとしています。グルーポンの実績に匹敵する規模のスタートアップ企業が続々と現れる中で、グルーポンのことが話題に挙がるのは過去の失敗を笑い話にする時だけという状況にすらなっていると言っても過言ではありません。

しかし、この状況に対してプリマック氏は「私の視点からみれば、グルーポンのことを笑うのは正当な評価ではありません」と異を唱えています。プリマック氏は現在でもグルーポンの評価額が49億ドル(約5800億円)であること、過去どのベンチャーキャピタルが判断したものよりも高い評価額に達していること、収益およびEBITDAがともに上場以来成長を続けていること、そして現金保有高と無借金経営の実態があることから、グルーポンを「成功した企業」であると判断していると語ります。

現在のグルーポンは好調なグッズ販売事業や、韓国のクーポン共同購入サイト「チケットモンスター」の買収で一時は撤退していた韓国市場で再起を図るなどで業績は順調で、株価も好調に推移している様子が伝えられています。


プリマック氏が考えているグルーポンの最も優れていた点は「株式公開のタイミング」であり、それが今でもビジネスを続けることができている理由だと語ります。グルーポンは2012年に9540万ドル(約80億円)の赤字を計上しているのですが、この時には2011年の株式公開で得た潤沢な資金を保有していたために乗り切ることができたとのこと。仮にこの時点までに株式公開していなければ資金が底をつき、危機を乗り越えられずに会社が消滅していた可能性も否定できないとしています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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