レビュー

ガラスビンに入れるだけで想像以上のごちそうができる「ジャーサラダ」レシピ本でいろいろ作ってみました


ただの密閉容器や袋よりもガラス製の瓶の方が野菜をみずみずしく保存できる、ということで提案されたのが「ジャーサラダ」という調理法で、ものによっては1週間ほどサラダをシャキシャキのまま保存できます。ぱっと見た目はただのサラダの瓶詰めなのに、なぜレシピ本が必要なのだろう?と不思議に思っていたのですが、実際にレシピ通りに作ってみると「なるほど!」と思わず納得せざるを得ない差のある仕上がりになりました。

Amazon.co.jp: ジャーサラダ: 若山 曜子: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4776796465

これがレシピ本「ジャーサラダ」。


ソフトカバーでサイズは25.7cm×18.2cm×1cm、全95ページです。


ペラリとめくってみると「ジャーサラダって何?」という説明が書いてあります。ジャーに入れると、密閉容器や袋に入れるよりも野菜をみずみずしいまま保存でき、ものによっては冷蔵庫で1週間持つようになります。見た目の美しさはもちろんのこと、時間のある時に作りおきして平日のランチなどにも持っていける便利さで、ニューヨーカーの間で大流行しているとのこと。


目次はこんな感じ。「PART1 朝サラダ」「PART2 ランチサラダ」「PART3 夜サラダ」「PART4 おつまみサラダ」「PART5 パーティサラダ」の5部構成で、「ドレッシングも作りおき」「あると助かる作りおきメニュー」など、サラダ以外のレシピもおまけとして掲載されています。


本のルールが書いてあるのは料理初心者にとってはありがたいところ。1ml=1cc、大さじ1=15ml、小さじ1=5mlで、ジャーのサイズは245ml・480ml・940mlの3種類。塩はメーカーによって味やしょっぱさに差があるので、レシピの分量は目安として、味見をしながら加減してください、とのこと。


レシピはこんな感じ。「朝サラダ」にはフランスのカフェでの定番メニュー「サラダ・パリジェンヌ」や……


「ハニーグラデーションフルーツ」というフルーツサラダなど、朝向きのサラダが並んでいます。


レシピは非常にシンプルで、だいたい2~3ステップで簡潔に説明してあります。また各レシピの右上には使うジャーの大きさと、冷蔵庫に入れてどれくらい長く保存できるのかが書いてあります。


「ランチサラダ」には麺やご飯など炭水化物を使ったサラダメニューが多め。


「夜サラダ」には「ドライトマト入りラタトゥイユ」や「ほたてとアスパラガスの梅風味」など、お酒のつまみやおかずになりそうなメニューが並びます。


「パーティサラダ」には少しぜいたくで見た目も豪華なごちそう系サラダのレシピがたくさん。


レシピの後には主な食材別インデックスがあり、「この野菜がやたらと余っている……」という時に消費したい野菜の名前を探して、そこから作ってもOKです。


もともとこのサラダはアメリカ・ボール社のメイソンジャーが使われていましたが、密閉できるガラス瓶であれば何でもOKとのことなので、今回は100円ショップの瓶を3つ使っていきます。


毎回行う必要はないのですが、ジャーは初回使用前に煮沸消毒する必要があります。お鍋の底に布巾を敷いたら瓶を投入し、そこになみなみ水を注ぎ……


お湯を沸騰させ、10分間煮沸。この時、沸騰したお湯の中に瓶を入れると温度差で割れてしまう恐れがあるので、水の状態から瓶を入れておくのがポイントです。


煮沸が済んだら清潔な布巾の上に、口が下になる形でジャーを置き、自然乾燥させます。


フタやゴムパッキンなどは長時間煮沸すると変形する恐れがあるので、瓶を取り出してから2分ほどさっと煮沸するだけでOK。


ということで、瓶を乾燥させている間に、実際にサラダ作りの準備を始めます。まずはオリーブやアンチョビなどフランスならではの具材を使った「ニース風サラダ」に挑戦。


まずはキュウリを1cm角、トマトとオリーブを半分にカット。


通常サラダというとドレッシングを最後にかけていくものですが、ジャーサラダの場合は瓶底にドレッシングをためます。


オリーブオイル・白ワインビネガー・塩・コショウなどをジャーに入れて……


すり下ろしニンニクと粗く刻んだアンチョビを投入。


お箸などで混ぜればドレッシングの完成です。


あとは順序を守って瓶の中に食材を入れていくだけ。まずはツナ。


オリーブ


トマトとゆでたまご


バラバラっとキュウリを入れて……


最後にベビーリーフを口いっぱいにまで押し込みます。


これだけで完成。「ただ瓶に詰めただけでは?」と思ってしまうところなのですが、葉物野菜が上に、固い具材が下にあるので、ドレッシングに漬かっている部分はピクルスのようにしっかり味がしみこむのに対し、葉物野菜は長期間シャキシャキのまま保存できるようになっており、瓶の中で勝手に調理が開始されるというわけです。


ニース風サラダは冷蔵庫に入れて3~4日持つとのこと。


お皿に出さず瓶のままで食べる時は、まず瓶をひっくり返したり上下に振ったりします。


こうするとドレッシングがサラダ全体に行き渡る、というわけです。


フタを開けて一番上のベビーリーフから食べてみます。瓶に入れてから長時間放置していたのですが、野菜はシャキシャキ。ドレッシングは塩コショウ・白ワインビネガー・オリーブオイルがツナ・アンチョビと混ざりあい、それがベビーリーフにしっかり絡み、想像以上に「しっかり調理してある本格サラダだ……」と感じました。


瓶の中に具材をギリギリまで詰め込んであるため、瓶に入ったままのサラダをまんべんなく混ぜて食べるというのは至難の業なのですが、何とか掘り出してみました。トマトやゆでたまごにしっかり味がしみており、これは単純にサラダをお皿に盛りつけただけよりも明らかに完成度が高い仕上がり。通常、ピクルスはサラダとは別の容器で作るわけですが、「瓶に入れる」という作業は長期保存できるだけでなく調理の手段にもなってくれるわけです。


お皿に盛りつけても見た目が鮮やかでした。


続いて「ランチサラダ」から「グリーンカレーライスサラダ」を作ってみます。豚挽肉・大葉・あさつき・香草・ピーナツ・ナンプラー・ごはん・すだち果汁・赤タマネギ・サニーレタス・グリーンカレーペーストなど、エスニックな材料をそろえます。


まずは香草の茎・あさつき・大葉を刻み、ナンプラー・すだち果汁・ごま油で混ぜ合わせます。


それをご飯に入れてしばらく冷まします。


続いて、豚ミンチと粗みじんにしたピーナツをフライパンで炒め……


豚肉の色が変わってきたらグリーンカレーペーストとナンプラーを投入。


全体をよく混ぜ合わせ、油分を軽く切っておきましょう。


刻んだ赤タマネギ・香草・サニーレタスを用意したら瓶詰めの準備が完了。


まずは炒めた豚肉を瓶の中に。


ハーブを入れたご飯を投入し……


赤タマネギのみじん切り大さじ1を追加。


香草とサニーレタスを詰めたら完成です。


横から見るとこんな感じ。見た目にもきれいです。


グリーンカレーライスサラダはどう考えても瓶のまま食べるのが難しい、ということで……


お皿に盛りつけ。瓶に入っていた時は小さく見えましたが、お皿に盛ると結構な量です。


大葉・あさつき・香草・ナンプラー・すだちなどで作ったまぜご飯がまず好きな人にはたまらないエスニックさで、そこに豚肉のうまみとポリポリとしたピーナツの食感が加わって、これはプロのレシピにしかできない仕上がり。ココナツミルクを使っていないのでグリーンカレー独特のまったりした感じはなく、ややスパイシーですが、「辛いものがとにかく苦手」という人でなければ食べられるレベルです。


サラダがたっぷりついているので、シャキシャキ野菜にご飯とお肉を包んで食べると、いくらでもいけそうでした。


3つ目は「パーティサラダ」から「スモークサーモンとアボカド・グレープフルーツ」。セルフィーユ・ディル・アボカド2個・ルビーとホワイトのグレープフルーツ各1個・塩・ピンクペッパーを用意。本来は厚切りサーモンをカットして使うのですが、今回はブロックのものが手に入ったのでそちらを使用。


まずはグレープフルーツの皮をむいていくのですが、今回のサラダの中で最も時間がかかったのがこの作業。きれいに身だけ取り出すにはこの方法を参考にするとやりやすかったです。


続いてドレッシング作り。オリーブオイルと白ワインビネガー・ピンクペッパー・塩を混ぜ合わせます。


次はアボカドをカット。


さきほど作ったドレッシングでアボカドを和えていきます。


こんな感じ。


グレープフルーツ2種類とセルフィーユ・ディル・アボカドのマリネ・スモークサーモンの下準備ができたら瓶詰め開始。


まずはスモークサーモンを瓶底に投入。


アボカドを入れて……


その上にルビーとホワイトのグレープフルーツを並べていきます。


ハーブを詰めて……


完成。


今回作ったサラダ3種類はこんな感じ。縦に長いので冷蔵庫に入れてもお皿と違って場所を取らず、さらにディスプレイとしても飾れるほどの見た目の良さです。


スモークサーモンのサラダもそのまま食べるには大きすぎるので、お皿に盛りつけていきます。これは瓶の一番上にハーブが詰めてあるのですが、ハーブは先に取り出しておいて、中身だけお皿にあけます。


盛りつけてみました。


スモークサーモンとアボカドはしっかり味がついたマリネの状態になっており、一方でグレープフルーツやハーブ類は最後の盛りつけで適度にドレッシングが絡みます。甘さと酸味・しょっぱさの組み合わせが絶妙で、まったりしたアボカドとの相性も抜群。


ジャーサラダのレシピ本と聞き、「ただ瓶に詰めるだけなのにレシピ本が必要なのか?」と思ってしまいがちですが、ジャーサラダは「食材に味を付ける順番」「瓶に詰める順番」が非常に重要になってくるので、このレシピ本はジャーサラダを作る上ではかなり便利。さらに料理初心者には発想できない簡単かつおいしいプロの食材の組み合わせを提案してくれ、「日常のごはん」から「特別な日のごちそう」まで多岐に渡ったレシピが作れるので、ジャーサラダに興味がない人でも持っていて損はなさそうです。

なお、レシピ本「ジャーサラダ」はAmazonで税込1404円で購入可能となっています。

Amazon.co.jp: ジャーサラダ: 若山 曜子: 本

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in レビュー,   試食, Posted by darkhorse_log

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