ゲーム中毒になり人生を狂わされた少年の壮絶な実態とは？

By Dan Conway

趣味は人それぞれありますが、その趣味が人を苦しめることがあるのも事実。アメリカ人のブレットさんは幼い頃からゲームが大好きでプレイしまくった結果ゲーム中毒に悩まされ、時には自殺を考えるほど壮絶な人生を歩んでいます。

How Video Game Addiction Can Destroy Your Life | VICE | United States
http://www.vice.com/read/video-game-addiction-is-destroying-american-lives-456

ブレットさんのゲーム中毒の発端は、1995年に祖母がブレットさんの兄にメガドライブをプレゼントしたときまでさかのぼります。ブレットさんはメガドライブのゲーム「ベア・ナックル」と「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を好んでプレイしていたそうです。それから数年後、父親がPCを購入しブレットさんはPCゲーム「スタークラフト」に出会い、その後数年間にわたってプレイしました。

By Digital Game Museum

2003年にブレットさんは父親の仕事の関係でアメリカからオランダに移住。その時のブレットさんの心配事は異なる環境での生活ではなく、アメリカで購入したばかりのPlayStation 2は規格が違うためオランダで発売されているゲームをプレイできないということで、ゲームに対する異常なまでの執着心がうかがえます。

ブレットさんはPlayStation 2でゲームをすることを諦め、PC向けのゲームをプレイするようになります。ブレットさんがはまったのは、オンラインFPSの「カウンターストライク」というゲーム。その後はカウンターストライクにどっぷりはまってしまい、暴力的な言動が目立つようになり、ブレットさんの父親は当時の息子を「野獣のようだった」と形容しました。

By gitmonation84

ブレットさんの過剰なゲームプレイを心配したエンジニアの父親は、金属製のロックを使って数時間したら強制的にハードディスクとの接続が解除する装置をPCの基板に設置。ロックのおかげでブレットさんのゲームプレイ時間は減少しましたが、ブレットさんはゲームをしていない時に苦痛を感じ、それは「窓から飛びおりれば楽になるかもしれない」など自殺願望が出てくるほどの苦しみだったそうです。

ブレットさんがゲームのしすぎで精神に異常をきたし始めたのはアメリカに帰国後の高校生の時。オンラインゲームの「World of Warcraft」にはまっていたというブレットさんは、学校以外のほぼ全ての時間をゲームに費やしていて、1週間のプレイ時間は40時間を超えていました。お風呂や歯磨きをせずにゲームをプレイし続けたブレットさんは睡眠を数時間しかとらず、学校の成績は全ての科目で赤点。当時のブレットさんはゲームと現実の境目が理解できない状態になっていて、ゲームについて以外の会話を全くしなかったそうです。

By Hartwig HKD

ついにブレットさんの父親は限界を感じ、ブレットさんを強制的に専門のリハビリプログラムに参加させます。その後も7年にわたり、2つのリハビリプログラムに参加したブレットさんでしたが、ゲーム中毒は一向に完治せず1週間当たりのゲームプレイ時間は65時間を突破するようになりました。

2015年に23歳になったブレットさんは更正施設のリハビリを続けながら、コンピューター技師になるため専門学校で勉強をしています。ゲームはやめられていませんが、ゲームのプレイ時間は更正施設によって制限されているため減少したとのこと。ただし、ブレットさんは「今はあまりゲームをしなくなりましたが、今話している時間をゲームに費やしたいくらいです」と話しており、ゲーム中毒の完治がどれほど難しいことであるかが伝わってきます。ブレットさんの父親は「息子はゲームによって7年もの人生を無駄にしてしまいました」とブレットさんの人生を嘆いています。

By THQ Insider

ゲーム中毒に悩まされているのはブレットさんだけではありません。台湾ではゲームプレイヤーが40時間以上ぶっ続けでオンラインゲームをプレイした後に死亡したり、韓国では50時間以上ゲームをプレイし続けた人が死亡する事件が起こったりするなど、世界ではゲームを過剰にプレイし続けたことで命を落としてしまったケースもあります。専門家によると、アメリカでは8歳から18歳までの子どもでゲーム中毒に悩まされている人は300万人以上もいるとのことです。