取材

新年のカウントダウンで盛り上がるタイムズスクエアは世界的な企業が集まる場所


人種にかかわらず、年齢にかかわらず、性別にかかわらず、誰もが目を輝かせながらネオン街を行き交います。ニューヨークのタイムズスクエアはアメリカの魅力がぎっしりと詰まっていました。大晦日に行われる新年のカウントダウンは、花火が打ち上がり紙吹雪が舞うド派手なイベント。世界各地から大勢の人たちが集まります。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。かつての社会主義の中心だったモスクワの赤の広場を訪れた後の、ニューヨークのタイムズスクエアでしたが、今なお資本主義の中心として華やかな光景が広がっていました。トランジットの時間を利用して、ニューヨークの街へと繰り出しました。

◆空港から地下鉄に乗って
2014年11月9日のモスクワからカリブ海のドミニカ共和国へのフライトは、経由地であるニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で12時間待つ必要がありました。ニューヨークへ到着後、飛行機を降りて空港ターミナルを進んでいくと入国審査。このために、インターネットでESTAを申請済み。普通のトランジットだと、その必要はありませんが、パスポートにスタンプを貰ってアメリカに入国。これも列が長くて、だいぶ時間がかかりました。

そのまま歩いて行くとバゲージクレームのベルトコンベア。同じ航空会社の乗り継ぎであれば、通常は素通りする場所ですが、もしかしてと待っていると、自分の折り畳み自転車を入れた袋が流れてきました。全然知らなかったのですが、フライトでアメリカを経由する場合は、いちいち荷物をピックアップして、再度預ける必要があります。入国審査よりはスムーズですが、こちらも時間がかりました。

「I love NY」が描かれていた空港内。


それでも何とか自由な時間を確保できたので、ニューヨークを実感できる場所であるタイムズスクエアを目指すことに。空港からダウンタウンまではエアトレインと地下鉄で移動しました。磁気タイプのメトロカードは発行手数料が1ドル(約120円)、エアトレインの利用料が5ドル(約600円)、地下鉄のシングルチケットは2.5ドル(約300円)という出費。空港に戻るときも最低7.5ドル(約900円)はかかります。

メトロカード。


薄暗い雰囲気の地下鉄駅構内。


空港からニューヨークのダウンタウンまでは、エアトレインと地下鉄で1時間ほど。


空港からエアトレインで「Jamaica駅」へ。そこから地下鉄に乗り換え「42nd Street Port Authority駅」で下車。駅を出ると、Times Squareの案内が出ていたので、標識を頼りに歩いていくと、迷うこと無く到着できました。


◆ニューヨークを歩いている
入国と荷物で時間がかかってしまったので、着いた時には日も傾き始めていました。高層ビルに挟まれた道路は渓谷の底のよう。道端ではホットドッグの屋台がいい匂いを漂わせています。日が暮れるとともに深みを増していくネオンサイン、電光看板、巨大ディスプレイ。日が落ちても暗闇や静寂はここには訪れません。広告が放つ鮮やかな光が溢れる場所。ショーの舞台を訪れているかのように、テーマパークで遊んでいるかのように、日常から切り離された夢の世界が広がっていました。歩いているだけで高揚した気分に。

地下鉄をでてすぐに飛び込んだ高層ビルの谷間。


信号が変わるごとに、巨大な人の波が移動する交差点。


日が暮れていくと共に、ネオンの光が輝きを増していきます。


◆アメリカを感じる場所
日本では考えられない派手なネオンの看板を掲げたマクドナルド。


アメリカらしいマスコットが目を惹く、チョコレート菓子「M&M'S」のギフトショップ。


ディズニーストアは夢の国のような甘い雰囲気。


おもちゃの量販店「トイザらス」の店舗には、スパイダーマンやアイアンマンといったマーベル(Marvel)ヒーローたちの姿がありました。


様々なコスチュームに身を纏ったGoogleのドロイド君。


ニュース専門放送局CNNの巨大ディスプレイ。


タイムズスクエアの近くは、ブロードウェイとして数多くの劇場が集まることから、このようなミュージカルの広告も目立っていました。


「マンマ・ミーア!(Mamma Mia!)」が上演されている劇場。


ポリスステーションのネオンサインも強い自己主張を放っています。


◆世界のショーウインドウとして
巨大画面の中で、荒野を颯爽と駆け抜けていたのは韓国の現代自動車。


サムスンの巨大なスマホ広告は、世界市場でトップの売上を走り続ける勢いを感じました。


映画「ゴジラ」とコラボしたプロモーションをしていたサムスンの液晶テレビ。最近は世界各地で曲面ディスプレイを全面に出して技術力のサムスンをアピールしています。


サムスンと並ぶ韓国屈指の家電メーカーLGエレクトロニクスのロゴも発見。


ここで何より驚いたのは中国のイメージアップ映像が流れていたことでした。何かと対立しがちだからこそ、イメージ向上に努めているのでしょう。


イギリスを代表する金融グループ「バークレイズ(Barclays)」の看板。


スウェーデンのアパレルメーカー「H&M」の巨大な旗艦店は、強烈な存在感を放っていました。


◆日本の企業も活躍中
少し離れた場所でしたが、ユニクロの軽くて温かいウルトラライトダウンシリーズの動画が流れていました。日本だと実感はないのですが、海外で見かけるとH&Mのようなオシャレなブランドのイメージが重なります。


日本ではピンと来ない「JVC」はビデオカメラに強い「ビクター(Victor)」のグローバルブランド。とはいっても最近の日本で販売されている製品もVictorからJVCになっていますね。2008年にカーオーディオ、カーナビなどの製品を手がけるケンウッドと経営統合をしています。


北米市場に重点を置くマツダの自動車広告。トヨタも探してはみたのですが、なぜか見つからず。


シャープが販売する液晶テレビ「アクオス(AQUOS)」の広告もあったのですが、ちょっとインパクトが足りない感じでした。


◆世界の交差点にて
かつてニューヨーク・タイムズの本社ビルがあった理由から、タイムズスクエアという名前が生まれました。1913年にタイムズ紙の本社は移転しますが、名称は変わらず今へと伝わっています。

一番有名なのは、こちらの光景。


この中央に立つ細長いビルに、ニューヨーク・タイムズの本社が入っていました。このビルはワン・タイムズスクエアビルという名前で呼ばれています。


別角度からワン・タイムズスクエアビルを見上げて。


タイムズスクエアで人々が目を留める一番の場所は、このワン・タイムズスクエアビルの前でしょう。今は撤退していますが、日清食品の湯気を出す巨大カップヌードルの広告もかつてはありました。現在のラインナップを確認してみると、

ビルの下の方に「ソニー(SONY)」のロゴと大型ディスプレイ。


ベルギー生まれの「ステラ・アルトワ(STELLA ARTOIS)」というビールの広告。アメリカなら「バドワイザー(Budweiser)」ではと疑問に思って調べると、どちらもベルギー資本のアンハイザー・ブッシュ・インベブ傘下のブランドということが判明。


世界最大のドーナツチェーンであるダンキンドーナツ。


そしてビルのてっぺんで一番目立つ場所には「東芝(TOSHIBA)」のロゴがありました。毎年のカウントダウンにも協賛しているようで、華やかなイベントを盛り上げます。このTOSHIBAの下には、TDKの看板もあったのですが、見る角度次第で隠れてしまい、写真を撮り忘れています。


ワン・タイムズスクエアビルの反対側にはツー・タイムズスクエアビルがそびえ立っていて、同じような形で縦に広告が連なります。


コカ・コーラの広告はここに。


帰りの地下鉄は乗り間違えたものの、何とか時間内に空港へ到着。無事にトランジットでタイムズスクエア訪問を成功させました。

20年前も10年前もそうだったように、10年後20年後もタイムズスクエアは変わることのない光で輝いているでしょう。アメリカがアメリカである限り、世界的な企業はタイムズスクエアに広告を出し続けると思います。世界一のアメリカ市場を、グローバル企業は放っておきません。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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