アーティスティックなアニメーションで振り返る2014年ブラジルワールドカップ

ロンドン在住のアーティストRichard Swarbrickさんが独特のタッチで描いた、2014年ブラジルワールドカップのアニメーション映像が「World Cup Animation」です。アーティスティックなイラストながら、選手の動きは非常にきれいに再現されており、2014年に開催された4年に1度の感動がよみがえるようなムービーに仕上がっています。
Richard Swarbrick Homepage
http://www.richardswarbrick.com/
2014年ブラジルワールドカップの第1試合はホスト国のブラジル代表とクロアチア代表による試合で、ブラジル代表が3対1でクロアチア代表に勝利し好スタートを切りました。
World Cup Animation 2014 Day 1. Brazil v Croatia (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
記念すべき開幕ゴールは、ブラジル代表チームの得点でした。

キーパーの手をすり抜け、ゴールポストに当たってゴールイン。

得点を決めたのはブラジル代表のエースであるネイマール選手。たった数本の線で描かれているだけなのにここまで上手く選手の顔を再現できるとは驚愕です。

この試合でブラジル代表の3点目を決めたのは背番号11のオスカル選手。

華奢な体格ですがドリブルでボールを運び……

2人の相手選手の間をスッと抜き去り……

そのまま足の振りの小さなトーキックのシュートでゴールを決めてしまいました。

大会2日目には強豪国同士の対戦となるスペイン対オランダ戦が行われました。この2チームは2010年の南アフリカワールドカップ決勝戦でも戦っており、その際にはスペイン代表が延長戦の末に1対0でオランダ代表に勝利していたので、今回の対戦はどんなものになるのかと大きな注目を集めていたのですが、まさかの1対5でスペイン代表が大敗してしまい大きな話題を呼びました。
World Cup Animation - Spain 1 Holland 5 (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
そんな試合の中で最も注目を集めたのが以下のゴール。ピッチ中央の左サイドから送られたロングパスに、オランダ代表のロビン・ファンペルシー選手が反応し……

走り込んでそのままダイビングヘッド。


スペイン代表のゴールキーパーも反応できないスーパーゴールになりました。あまりに華麗過ぎるダイビングヘッドであったため、世界中でダイビングヘッド時のファンペルシー選手の写真を使ったコラージュ画像が流行する、というおかしな事態にまで発展しました。

ゴール後は当時のオランダ代表監督であるファン・ハール監督とガッツリハイタッチ。

2014年のブラジルワールドカップで話題になったチームのひとつがアメリカ代表チーム。アメリカ代表はグループリーグにてドイツ・ポルトガル・ガーナと同じ組になり、予選突破は難しいのではないかと思われる中、1勝1分け1敗という成績でグループリーグを2位通過しました。特にアメリカ本土でのアメリカ代表フィーバーはすさまじく、グループリーグ最終戦となった試合では2000万人のアメリカ人がストリーミングサービスなどを使って試合を視聴し、その影響で6億8200万ドル相当の労働生産性が失われたり、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が州職員の昼休みを1時間延長して試合を観戦できるようにしたりしました。
USA World Cup Animation 2014 (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
そんなアメリカ代表がブラジルワールドカップで最初に決めたゴールは、何と1試合目の対ガーナ戦開始29秒でした。

アメリカ代表のクリント・デンプシー選手がドリブルでボールを運び……

ガーナ代表ディフェンダーの逆をついて一気にゴール前に侵入。

そして冷静にシュート。

相手キーパーは横っ飛びで反応するも、ボールに手は届かず、そのままボールはゴールに吸い込まれていきました。

雄叫びをあげるデンプシー選手。

ちなみにデンプシー選手はこんな見た目。以下の写真を見ると、イラストでは数本の線だけでいかに上手に人物の特徴を捉えているかが分かります。

By Erik Drost
他にも、アメリカ代表のゴールキーパーであるティム・ハワード選手は、決勝トーナメント1回戦の対ベルギー戦にてワールドカップ史上最多の1試合16セーブを記録して大きな注目を集めました。

世界最高の選手リオネル・メッシが所属するアルゼンチン代表チームは、ブラジルワールドカップで決勝まで勝ち進みました。惜しくも優勝は逃しましたが、エースのメッシ選手はグループリーグの3試合すべてでゴールをたたき出し、チームを決勝トーナメントに導きました。
World Cup Animation - Lionel Messi 2014 (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
アルゼンチン代表チームの初戦となった対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でメッシ選手が決めたゴールも華麗にアニメーション化。

ペナルティエリアの手前をゴールと平行にドリブルして相手選手をかわしていき……

前にスペースができたら即シュート。

ボールはゴールキーパーの手の届かない位置をスルリ。

別角度から見ると、シュートの瞬間はこんな感じ。イラストの大きさとぼかし具合で選手の距離感も見事に表現されています。

アルゼンチン代表のユニフォームといえばこの白と水色の縦ストライプ。

ブラジルワールドカップにて日本代表をどん底にたたき落としたのはコロンビア代表で、中でも大会得点王となったハメス・ロドリゲス選手は、後半から試合に投入されて流れを一気に変えてしまいました。その他の試合でもロドリゲス選手は何度も決定的な仕事をこなし、一気に世界中から注目されるスター選手になってしまいました。そんなロドリゲス選手の決めたゴールの中で最も衝撃的だったゴールもアニメーション化されています。
World Cup Animation - James Rodríguez Wondergoal (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
コロンビア代表の背番号10がロドリゲス選手。

決勝トーナメント第1戦の対ウルグアイ戦にて飛んで来た浮き球のパスを……

胸トラップ。

そして体を右に回転させながら……

そのままシュート。


別角度から見るとこう。トラップしてから……

即シュート。

その後、コロンビア代表名物となったゴールパフォーマンスを披露。

ブラジルワールドカップの準決勝では、大会優勝候補のブラジル代表とドイツ代表が激突し、1対7でブラジル代表が歴史的大敗を喫しました。ブラジルワールドカップ最大の衝撃といっても過言ではないこの試合ですが、そのゴールシーンをSwarbrickさんがアニメーション化するとこうなります。
World Cup Animation: Brazil 1 - 7 Germany (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
1点目はコーナーキックから。

ブラジル代表選手が群がる位置よりも外側でひっそりとボールを待ち受けていたトーマス・ミュラー選手が……

クロスに足で合わせます。

2点目を決めたのはベテランのミロスラフ・クローゼ選手。一度はシュートがゴールキーパーに阻まれたものの、跳ね返ったボールをそのまま自分でゴールに押し込みました。

3点目はサイドから流れてきたグラウンダーのクロスを、クロース選手がそのままダイレクトでゴールに蹴り込みます。


4点目もクロース選手。

5点目は……

ケディラ選手でした。

そして最後の7点目はシュールレ選手のゴールでした。

シュートをブロックしようとしているのはブラジル代表のアフロがチャームポイントのダビド・ルイス選手。アフロのサッカー選手はあまり多くないのですが、ブラジル代表選手の中にはアフロの選手が複数人いたので髪型だけでどの選手か判別するのは難しそう。

ガッツポーズのシュールレ選手。

そして以下のムービーが2014年ブラジルワールドカップ全体をまとめたアニメーション。
2014 World Cup Animation (Richard Swarbrick) @RikkiLeaks - YouTube
日本対コロンビア戦でハメス・ロドリゲス選手がみせたのは……

吉田選手の逆をとってからの……

ループシュート。コロンビア代表に決められた4つ目のゴールでした。

オーストラリア対オランダ戦では、後方から送られてきた浮き球のパスを……

ダイレクトでゴールに蹴り込むという豪快なゴールが誕生しました。


このゴールを決めたのはオーストラリア代表のケーヒル選手。

その他に大会で話題になったシーンとしては、イタリア対ウルグアイ戦にて起きた珍事があげられます。その珍事とは、ウルグアイ代表の背番号9が……

ガブリと相手選手にかみついたのです。

かみつかれた選手が倒れると……

なぜかかみついた本人も一緒に倒れます。

そして「歯が痛い!」とアピールしだす始末。試合中に相手選手に「かみつく」という暴力行為を行ったのは、ウルグアイ代表のルイス・スアレス選手で、彼はこの行為により国際サッカー連盟(FIFA)から代表戦9試合の出場停止とサッカーに関するあらゆる活動を4カ月間禁止する処分を出されました。

そして最後のゴールシーンはワールドカップの決勝ゴールとなったドイツ代表のマリオ・ゲッツェ選手のシュート。

胸トラップから……

そのままシュート。

延長後半に見事なゴールでチームを勝利に導きました。

そして最後はトロフィーを掲げるドイツ代表の面々。

ワールドカップでは毎回何かしらの波乱が起き、優勝候補の筆頭チームがグループリーグで敗退してしまったり、思いがけないチームが一気にトーナメントを勝ち上がっていったり、若い選手が一気にスターへの階段を駆け上がっていったり、またあの選手がかみついたり、何十本シュートを蹴ってもことごとくゴールキーパーにセーブされたりと、とにかく試合が始まらなければ一体全体何が起きるのかは全くもって誰にも分からず、大会が終わってから思い返しても「今回のワールドカップはいろいろあったなぁ……」と思えるくらいにいろんな名場面や珍場面がめじろ押しなのでした。
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