メモ

事件を起こしそうな人物・組織をSNSの投稿・言動・日時・場所などのビッグデータから予測可能なソフトウェアを警察がテスト中

By kris krüg

イギリスのロンドン警視庁がある特殊なソフトウェアを使ったシステムのテストを実施していることが判明しました。ロンドン警視庁がテストしているのは、犯罪組織やメンバーが犯した過去のありとあらゆる犯罪データを使って、近い将来に犯罪を起こしそうな人物を事前に予測するシステムです。

BBC News - London police trial gang violence 'predicting' software
http://www.bbc.com/news/technology-29824854

ロンドン警視庁がテストに使用しているのは、総合コンサルティング会社Accentureが提供しているソフトウェア。テストに使われているソフトウェアは、ロンドンで発生した4年間の犯罪データを、収集した4年の翌年にギャング組織およびそのメンバーが犯した犯罪データと組み合わせて解析するというモノです。犯罪データと言っても、日時や場所、犯人名といった犯罪履歴だけでなく、犯人の行動やSNSでの投稿や言動までありとあらゆる情報まで含まれます。

By stéphane giner

例えば、あるギャングのメンバーが同グループの別のメンバーをののしるような発言を繰り返しSNSに投稿した場合、ソフトウェアは投稿および内容に関するデータを収集するというわけ。さらに、ソフトウェアは収集したデータを過去4年間の犯罪データに照らし合わせ、ギャングメンバーの中で誰が近い将来に犯罪を犯す危険性があるのかを予測します。

ソフトウェアをロンドン警視庁に提供しているAccentureの治安アナリティクス部長であるMuz Janoowallaは「我々のソフトウェアは警察がマークしておくべき犯罪行為を犯す危険性の高い人物を予測してくれます。現在実施されているテストが成功することに大きな自信を持っています」と発言した一方で、「テストに関する詳細な情報を口外することは許可されていません」と語りました。

By Kill Pop

一見市民の安全を守るような警視庁の動きですが、ロンドン警視庁が実施しているテストにいち早く反応したのがプライバシー保護活動を行う「Big Brother Watch」という組織。Big Brother Watchは「警視庁はビッグデータの使用方法について、もっと注意する必要があります。予測が正確でない危険性もあり、その場合、特定の人物に社会的な汚名を着せてしまうことになります」と警告し、ロンドン警視庁にテストに関する詳細な情報の公開を要求しました。

犯罪をあらかじめ予測するソフトウェアの開発および提供を行っているのはAccentureだけではありません。IBMは天候のパターン・犯罪履歴・監視システムから収集されるデータを組み合わせて、犯罪を予測するシステムを研究中。また、イギリスのヨークシャーやケントといった地域の警察は、アメリカのスタートアップであるPredPolが提供中の犯罪予測ソフトウェアをテスト済です。アメリカでも警察が保持している犯罪データを解析して犯罪予測を行い、その予測に基づいて警察がパトロールを行うというシステムが導入され始めており、今後の日本でも導入される可能性は十分ありそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
逮捕された犯罪容疑者100人の顔写真を油彩にしたポートレート - GIGAZINE

犯罪に遭遇しないように危険情報を共有するコンセプトアプリ「City Scars」 - GIGAZINE

麻薬戦争と麻薬ビジネスの戦慄すべき実態を物語る衝撃的な写真集 - GIGAZINE

無意識のうちに罪を犯していないかチェックできる「プチ犯罪チェッカー」 - GIGAZINE

大阪府警がわいせつチャット跡地に「犯罪を助長することになりますので、利用しないでください」という警告文を表示 - GIGAZINE

in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.