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ロゴデザインやタイポグラフィのセンスを街中で磨く方法


デザイナーとして多数の作品を手がけ、自身の作品がパリのルーブル美術館に収蔵されているジェームズ・ビクトル氏が、ニューヨークの町中を歩き回りながら、お店の看板のデザインを見てフォントやタイポグラフィについて解説したムービーが「Type Safari with James Victore」です。何の変哲もない街の看板から、いかにしてタイポグラフィやロゴデザインのインスピレーションを得るのか、デザイナーでなくても興味深い内容に仕上がっています。

Type Safari with James Victore - YouTube


こちらがジェームズ・ビクトル氏。


ビクトル氏の目に留まったのが、メニューを全て窓に書いているお店です。タイポグラフィに大きく関係するのもではないものの、いいアイデアだとのこと。


鳥よけの針を設置している靴屋の看板。


「鳥よけの針が加わることによって、シュルレアリスム感が溢れている代わりに1匹のデザイナーを失ったね」と話すビクトル氏。「1匹のデザイナー」とはどういうことかと思って隣のお店の看板に目をやると……


看板の上に鳥が1匹とまっていました。鳥よけの針を設置したせいで、「鳥」という偶発的なデザイン要素を逃してしまったわけです。


ビクトル氏は「スターバックスがどんなフォントを使っているか知らないが、太くて醜い」とスターバックスの看板を一蹴。


「このポスターからは雇われたデザイナーの憧れのようなものを感じる。多くの単語が並んでいるけど、デザイナーが伝えたいことがわからない。どの単語を使うか決める前に、もっとアイデアを練る必要があったんじゃないかな」と厳しい意見も飛び出します。


ビクトル氏が気に入った看板の1つがコチラ。古めかしさから出るクラシック感がセンスにあふれているとのこと。


「デザインの側面から語るなら、ただ大きいだけのフォントを使っているのは醜い」とビクトル氏は批評します。


彫刻刀やブラシを使って描かれたようなフォントには「素晴らしい」とコメント。


ビルに掲げられた不動産のポスターは広告スペースを無駄にしてしまっているそうです。


「この看板は完全に間違っているね。でも、フォントデザインと単語だけで何のお店なのか見ている人にわかるようになっている。素晴らしい」と語るビクトル氏。


JIMMY'S」の看板はネオン管を美しい筆記体にデザイン。


筆記体をネオン管にするのはとても難しい作業が伴うとのこと。


「こちらのサインもネオン管であればベターだったのに」とビクトル氏は話していました。


さまざまなタイプのフォントを組み合わせたストリートアートですが……


宣伝目的の文字が1つだけ含まれていて、ビクトル氏は文字に「×」を書き込みながら「コマーシャル目的でなかったら最高だった」と厳しい一言。


「このデザインはだ円形でちょっと間抜けにも見えるけれども、素晴らしい。チョコレートを販売するザ・ハーシー・カンパニーのロゴとは大違いだ」とビクトル氏は評価します。


高価なチョコレートらしさがフォントによく表現されているデザイン。確かに見た目だけで高そうなのが伝わってきます。


一見歴史あるお店の美しいフォントに見えますが、ビクトル氏は「このフォントはわざと古めかしく見えるようにデザインされたもので、それが見ている側に伝わってきているのはいただけない」と批評。


最後に訪れたのは、イギリスのファッションブランド「ポール・スミス」です。ビクトル氏は「ポール・スミスのロゴは、あたかもデザイナーのポール・スミスのサインのようにデザインされていますね。もちろん、彼自身が書いたサインではないんだろうけど、暖かみが伝わってくる。僕はとても好きだよ」と語っていました。


ビクトル氏は「素晴らしい看板やロゴを作成するには、そのデザインが美しいのか、それとも醜いのか、常に自分に問いかけることです」と、デザイナーの視点からアドバイス。ビクトル氏は独特の感性を持っていますが、頭に入れておくと参考になりそうです。

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in 動画,   アート, Posted by darkhorse_log

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