サイエンス

レゴはどれくらいの高さまで積み上げられるか、永遠の謎にエンジニアが挑む

By Matt Mets

世界中で大人気の玩具の1つとして外せないのがレゴで、子どものころにレゴで何かを作って遊んだという人は多いはずです。そんなレゴを一体どれくらいの高さまで積み上げることができるのか、redditでも大きな議論を呼んだ話題に、イギリスの国営放送であるBBCがオープン大学の研究チームと手を組んで実験を行い検証しました。

BBC News - How tall can a Lego tower get?
http://www.bbc.com/news/magazine-20578627

レゴはどれくらいの高さまで積み上げられるのか、という実験に真剣に取り組むのはオープン大学工学部のイアン・ジョンストン博士が率いる研究チーム。ジョンストン博士は、実験の前にインターネットで入念に調べましたが、レゴを積み重ねられる限界の高さについて多くの臆測が飛んでいるものの、明確な答えは得られませんでした。


レゴを積み重ねる作業で問題となるのは、一番下のレゴの耐久度。レゴを積み上げていくことで一番下のレゴに負荷がかかり、最終的にはつぶれてしまいます。つまり、レゴの耐久度を調べれば、積み上げられるレゴの重さが分かり、個数や高さが判明するというわけ。

研究チームは、2×2サイズのレゴを油圧式の圧力マシンにセットして、どれくらいの圧力まで耐えられるかを調べました。1回目の実験では、350kgの重さと同等の3500N(ニュートン)の力がかかってもレゴはつぶれませんでした。4000Nを超えたところで、レゴに「つぶれる」というよりか「溶ける」に近い現象が発生。これはプラスチックの材料破壊という現象で、プラスチックが圧力の有無に関わらず形状を保っていられなくなるというものです。


その後も数回の実験を行い、材料破壊が起こる直前の圧力の平均を計算すると432kgの重さと同等の約4240Nでした。2×2サイズのレゴ1個の重さは1.152gなので、432kgはレゴ37万5000個分。つまり、2×2サイズのレゴ1個の上に約37万5000個のレゴを積み重ねられ、その高さは、なんと3500mにおよぶことが判明しました。


標高が3776mの富士山にはギリギリ届きませんが、かなりの高さまでレゴを積み上げられることが分かり、ジョンストン博士は「レゴをかなりの高さまで積み上げられることが判明しましたが、実際に37万5000個ものレゴを積み上げるのは構造的に不可能です」と述べました。

実験結果を踏まえて、BBCが世界に13人しかいないというレゴ公認プロビルダーのキュー・ダンカン・ティットマーシュ氏に37万5000個ものレゴを積み上げるのは可能かどうか聞いたところ、「おそらく、3~4m積み上げるのが限界です。構造的に不可能ですが、とても興味深い理論ですね」と返答。

By ianus

レゴは理論的に3.5Kmまでの高さまで積み上げられるものの、実際には不可能。「現実は非情である」という言葉通りの展開ですが、こういった「何のためにするのかよく分からない」実験は、どういうわけか探究心をくすぐるものです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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