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Siriの開発者が複合的な質問を理解できる新しい音声認識AIを開発中

By Photo Giddy

iPhone 4Sから搭載されている「Siri」は、話しかけるだけでメールを送ったり、目覚ましをセットしてくれたりする音声認識アプリケーションです。そんなSiri誕生に携わった開発者たちが、「複合的な質問を理解する」「ほぼ全てのアプリを実行可能」などSiriをはるかに越えるAIを備えた新しい音声認識システム「Viv」を開発しています。

Siri’s Inventors Are Building a Radical New AI That Does Anything You Ask | Enterprise | WIRED
http://www.wired.com/2014/08/viv/


Siri’s founders are building a new AI assistant | The Verge
http://www.theverge.com/2014/8/12/5994325/viv-labs-siri-founders-creating-new-more-powerful-ai

Siriはユーザーの質問に応じて連絡先の登録先へ電話をかけたり、予定を登録してくれたりする便利なアプリケーションですが、連携できるアプリの制限などがあるため、「万能」というわけではありません。例えば、「飛行機のチケットを予約したい」「Apple Storeで販売している商品を購入して」といった質問には、「ウェブサイトを開いて誘導する」という対応を行います。


そんなSiriの開発に携わったChris Brigham氏、およびDag Kittlaus氏、Adam Cheyer氏の3人は、Viv Labsというスタートアップを立ち上げ、Siriをはるかに越えるAI「Viv」の開発を開始しています。Vivはラテン語で「Live」の意味する言葉で、100万以上のアプリとの連携も可能であり、飛行機・タクシーの予約や、複合的な質問を理解することができるとのこと。また、ユーザーの好みを学習するだけでなく、クラウドを通じて全てのユーザーから学習を行うため、多種多様な話題に対応することができます。ただし、サードパーティ製のアプリとの連携などについては、今のところ未確定とのこと。

Vivが完成すれば、「兄弟の家に行く途中に、ラザニアとそれに合う安めのワインを買っていきたい」と話しかけた時に、Vivは兄弟の家までのルートと、その道中にあるワインストアのリストとラザニアを買えるお店を表示します。


この時、Vivは「ラザニアの材料を調べてどんな料理なのか認識」→「チーズ・肉・ソースが入ったイタリア風ラザニアに合うワインを照会」→「ラザニアとワインが買えるお店を検索」というプロセスと同時に、「連絡先から兄弟の住所をピックアップ」→「ルートを検索」→「目的地までの道中にラザニアとワイン購入地点を組み込む」といった複雑な処理を行うとのこと。


また、「7月2日発のサンフランシスコ国際空港からシャルル・ド・ゴール国際空港への最安値の航空チケットを、月曜に帰って来られる復路のチケットと共に購入する」と話しかければ、Vivは飛行機の座席データベースにアクセスして、「ルフトハンザ455便の座席61G」を提案します。ユーザーが「OK」と返答すれば、Vivはクレジットカードを使ってチケットを購入してくれる、というわけです。

Vivのチームは、AIが完成したら1つの企業に独占的に販売するのではなく、「電話・PC・TV・自動車などあらゆるデバイスで使えるようにしていきたい」と話しています。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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