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約2600年間かけて文化や知識が世界中に広まっていった様子を可視化するとこうなる


Googleが公開しているデータベース「Freebase」にはさまざまなデータが保存されており、誰でも無料で閲覧できます。そのFreebaseに登録されている歴史上の人物や社会に功績を残した人たちの「生まれた場所」と「亡くなった場所」のデータを解析し、どのようにして人が文化や知識を世界に広めていったのか、世界地図上で可視化したアニメーションが「Charting culture」です。

Humanity's cultural history captured in 5-minute film : Nature News & Comment
http://www.nature.com/news/humanity-s-cultural-history-captured-in-5-minute-film-1.15650#/b1

Charting culture - YouTube


イタリアのルネサンス期を代表する芸術家で芸術だけでなくさまざまな分野で活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチは1452年にトスカーナのヴィンチで生まれました。ムービーでは、生まれた場所を青色の円で表示。


ダ・ヴィンチは晩年を過ごしたフランスのアンボワーズで永眠。亡くなった場所は赤色の円で表示されています。


ムービーは約2600年間にわたって生と死を繰り返した人物の12万人分の「生まれた場所」と「亡くなった場所」を世界地図上で可視化したというわけです。


世界全体で見ると、西暦104年ごろイタリアを中心に人の移動が活発になります。


西暦960年には中国においても移動を確認できます。ただし、ヨーロッパでは中国と比較できないくらい人の移動が活発に、かつ、広範囲に及んでいます。


1686年にはヨーロッパからアメリカ・南アメリカ、アジアなど世界各国へと人が移動。


1982年には、ヨーロッパから移動したり、ヨーロッパに移動してくる人の数は尋常ではないほど膨れ上がり、アメリカ国内でも東から西に向かって大きな動きが見られます。


次は各地域に焦点を絞って人の動きを見ていきます。1632年、ちょうど外交・貿易を制限した対外政策の鎖国が始まる直前の日本では、国外から入国してくる人はほとんどいません。ムービーを作成したNatureによると、この時代に日本に入国した外国人のほとんどは宣教師であるとのこと。


一方こちらは1864年のオーストラリア。オーストラリアにはヨーロッパからの移民が相次いで入国し、そのほとんどがオーストラリアの東部に集中。


ローマ帝国がヨーロッパを牛耳っていた166年、イタリア半島に入る移民が目立ち始め、その多くはギリシャからの移民とのこと。


441年になると、ギリシャからではなくヨーロッパ全土と西アジアから移民がイタリア半島に移動。


16世紀にはローマだけでなくフランスのパリやイギリスのロンドンへの移動が増え始め……


18世紀にもなるとパリやロンドンに来る人がローマと同じくらいにまで膨れ上がりました。


2000年にはヨーロッパ各国に大都市が誕生し、広範囲にわたって人の移動を確認。特にパリの赤色の円は大きく、すさまじいほどの人がパリで生涯を閉じたことがわかります。


ここで、1620年まで巻き戻し。


1620年辺りからポツポツとアメリカへ移動する人が増え始め、1756年には多くの人が海を渡ってアメリカへ旅立っています。


アメリカに移動する人の中に初代アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントンの先祖にあたるジョン・ワシントンを確認。ワシントンはイギリスのエセックスに生まれた後、1656年に北アメリカ大陸のイギリス領植民地であったバージニア植民地に移住しました。


北アメリカ大陸東海岸における赤色と青色の円の数は1727年になっても同じくらいですが……


1776年の建国を経て青色の数が激増。つまり、出生数が死亡数を大きく上回り始めたというわけです。


19世紀になると、アメリカ国内で東から西に向かって人が移動を始めます。


1878年のアメリカはこんな感じで、まだまだ東側に人が集中していますが、1862年に大陸横断鉄道が建設されたことで、西海岸に向かって移動する人の数が激増。


そして自動車の普及により人の移動が黒い線で確認できるほどにまで膨れ上がりました。


21世紀になると、フロリダが老後の避暑地として人気を集め出し、赤色の円の数が他の地域よりも多くなっています。


2012年になってもアメリカ国内では東から西への移動がかなり多く見られ、ヨーロッパからの移民も目立ちます。


イギリスの新聞The Economistによると、Charting cultureで発見した驚くべきことは「21世紀には移動手段が発展したおかげで世界中のどこでも容易に訪れることが可能になったにも関わらず、総移動距離は14世紀と比べて2倍にもなっていないことです」と指摘しています。2012年以降は人の移動にどのような変化が訪れるのか、気になるところです。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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