メモ

精巧な顔認識システムを作成するため、ネット上では大量の画像が収集されている模様

By Pedro Vezini

アメリカ国家安全保障局(NSA)は極秘の監視システムを使ってインターネット上から大量の顔写真を収集しており、それを使って精巧な顔認識システムを作成中であることが、流出したNSAの極秘文書により明らかになっています。

N.S.A. Collecting Millions of Faces From Web Images - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2014/06/01/us/nsa-collecting-millions-of-faces-from-web-images.html


NSAの顔認識技術は過去4年間で著しく成長しており、これに使われている新しいソフトウェアは、メールやソーシャルメディア、その他のネットワークを介して行われるコミュニケーションなどを傍受することで得られる大量の顔写真を利用しているそうです。

2011年に作成されたNSAのプレゼン資料内には身元不明の男性の写真が24枚以上並べられており、写真の中にはあごひげが生えそろったものからきれいにそった状態の写真までさまざまな見た目の同一人物の写真が存在したとのこと。この写真には、アメリカ運輸保安局の搭乗拒否リストに載った人物であるかどうかや、パスポートやビザに関する情報、テロリストと関係しているかどうか、などの情報が一緒に掲載されていたそうで、この時点で既に高度な顔認証技術とターゲットに関する情報を収集するツールが存在していたであろうことが伺えます。


また、この顔認識技術がどれだけの数の人間を巻き込んだ技術となっているのかは不明ですが、NSAが傍受している情報がアメリカ国内のものだけにとどまらないことを考えると、世界中からさまざまな顔写真や映像などを収集しまくっているであろうということも予測可能。

そんなNSAが保持する顔認識技術のうちのひとつに「Wellspring(水源)」と呼ばれるものが存在します。これはメールやその他のネット上で行われるコミュニケーションの中から画像だけを抽出するというもの。さらに、NSAは顔認識プログラムをさまざまなデータベースと統合する方法の開発にも成功しているとのこと。

By Bill Dickinson

人権擁護提唱者や一部の批評家は、発展する技術の力を政府や産業が行使することで、市民のプライバシーが侵害されることを心配しており、「顔認識は非常に侵略的になりえます」と顔認識技術の研究者であるカーネギーメロン大学のAlessandro Acquisti氏はコメントしています。彼によると「顔認識技術にはまだまだ技術的な制限がありますが、その能力・データベース・アルゴリズムはどれも成長し続けている」とのことです。

政府と地方の法務執行機関は、容疑者の身元特定を運転免許証のデータベースやFacebookに頼り切っています。これに対してFBIでは「次世代識別」と呼ばれるプロジェクトが進められており、顔写真と生体認証データを組み合わせた自動指紋認証システムの開発が行われているとのこと。そしてアメリカ国務省では、連邦政府内で最大級の顔認識用のデータベースを保持しているとのことで、ここにはパスポート保持者や海外のビザ申請者の顔写真が何億個も保管されているそうです。また、国土安全保障省は国中の警察が群衆の中から容疑者の顔を発見するための試験計画に対して資金提供を行っています。

NSAの「プライベートなコミュニケーションを傍受することで得る大量の顔データから顔認識を行う技術」はとても独特なもののようで、NSAのスポークスマンであるVanee M. Vines氏は「NSAは政府の運転免許証のデータベースや国務省のデータベースなどにはアクセスしていない」とコメントしています。しかし、同時にNSAがFacebookやその他のSNSから顔写真を収集しているかどうかについて言及することを避けています。

By Tony Fischer

顔認識技術のエキスパートで、弁護士でもあるJennifer Lynch氏は「政府や民間企業は、顔認識技術に対して数十億ドル(数千億円)の投資を行っている」とコメントしており、顔認識技術に対する注目度が高まっていることは明らか。さらに、Lynch氏によるとこの顔認識に関しては関連する法律がまだはっきりしておらず、ほとんど制限がないような状態であり「プライバシー保護法も顔認識情報から市民を保護するには不十分」であるようです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Google・Apple・Yahoo!などのサーバにある個人情報を直接のぞき見できる極秘システム「PRISM」とは? - GIGAZINE

PRISMが監視するようなサービスをテロリストは使用していないことが判明 - GIGAZINE

米政府が国民の情報収集をしていた「PRISM」問題を暴露したCIA元職員が実名公開 - GIGAZINE

Appleの秘密主義や新製品、NSAの監視プログラムに関してティム・クックCEOが語る - GIGAZINE

NSAが10万台のPCを無線で監視しマルウェアを送り込んでいる疑いが浮上 - GIGAZINE

in メモ, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.