取材

陽気なコソボの人々が私の偏見をブチ壊してくれた


海外を旅していると自分の偏見やイメージが覆されることが多々ありますが、特にコソボは強烈でした。ヨーロッパの小さな国の人々は、どこか日本人と似ていました。

こんにちは!世界新聞特命記者の赤坂惟名です。世界一周中のフツーのアラサー女子である私、今コソボにいます。

コソボはこの辺りにあります。セルビアとの国境が点線になっているのがわかりますか?


Wikipediaの「コソボ」の記事を見てみると、

ユーゴスラビアのセルビアに属する自治州のひとつであったが、2008年2月17日にコソボ議会は独立を宣言し、コソボ共和国を名乗っている。2014年2月中旬の時点で独立を承認しているのは、国連加盟193国のうち106ヶ国と、台湾およびマルタ騎士団である。

と書かれています。コソボは国として独立宣言しているものの、セルビアは独立を認めていません。コソボでは1981年頃から独立の機運が高まり、最終的には周辺国を巻き込んだ紛争に発展。1999年、NATOがセルビアへ空爆を実施するに至りました。

コソボの人口の約90%が隣国のアルバニア人であり、セルビア人はたったの4%しかいません。街中にもセルビア国旗ではなく、コソボとアルバニアの国旗がたくさんありました。こちらは、コソボの歴史博物館にあったアルバニアの国旗です。


私は日本に居た時、コソボに対して「今でも紛争の恐れがある国なのかな?戦争の痛みを負った暗い国民性なのかな?」というイメージを持っていました。こちらはコソボの歴史博物館にあった、1999年頃の戦争当時の写真です。


前置きはこれくらいにして、実際コソボの街を歩いてみましょう。

見所はあまりありませんが、街には土偶をアピールする看板等をよく見かけました。


現地人に確認したところ、街のシンボルだそうです。シンボルであるのなら……と思い、博物館へ行ってみましたが、看板にあった以外は1つもありませんでした。


あとは……「新しく生まれた国」を意味する「NEW BORN」のモニュメント……くらいでしょうか。


そんな見所の少ないコソボですが、私が何より気になったのは、街行く人達がフレンドリーなこと。アジア人が珍しいのか、ウインクをされたり、チラチラ見られたり、微笑みかけられたり、話しかけられたりします。

こうやって、小学生が聞き取れない言葉を発しながら駆け寄って来ます。


若干、からかわれている雰囲気もありますが、可愛げがあるので許せます。


警察官に目を付けられて怒られる小学生。微笑ましい限りです。


宿で会ったコソボ人もとても陽気でした。写真は結婚式の様子をYouTubeで見せてくれているところ。コソボでは、結婚式のお祝いでライフルを空へ向けて撃ちまくったりするそうです……ファンキーすぎて少しビックリしました。


彼が被っている帽子は、コソボの伝統的な帽子だそうです。


コソボはユーロを採用していますが、西欧諸国に比べ物価は安いです。その為、コソボ滞在中の食事はほとんど外食にしました。

こちらは、宿の人のオススメのレストランです。東京や大阪のカフェと言われても、違和感を感じない雰囲気です。


写真はほうれん草とマッシュルームのサラダ。とても美味しく、二人で食べても十分な量で3ユーロ(約420円)でした。


他にも、こんなにオシャレなカフェで、カプチーノやマキアートが1ユーロ(約140円)で飲めます。


味も申し分ありません。


朝ごはんに、伝統的な料理を食べられるレストランもあります。こちらはピレックと言って、デニッシュ生地の中にほうれん草やチーズが入っていました。1ユーロで食べ切れない程の量が出てきます。


数件のレストランやカフェに行きましたが、ウェイターが寒くないか気遣ってくれたり、お客さんが入ってくると瞬時に行動していた様子を見て、日本のサービスを思い出してしまう程でした。コソボの人がこんなにも勤勉だとは思いもしませんでした。

街で恐らく唯一のお土産屋さん。


ここでやっと土偶と出会えました。思っていたより小さくて、思わず笑ってしまいました。


少し中心地から離れると、青空マーケットもあります。


軒先に吊るされたギターのような楽器に、アルバニア国旗の柄が描かれていました。


モスクの前でお爺さんが被っていたこの帽子……


買う勇気は出ませんでしたが、店主のおじさんは嫌な顔をせず親切に被らせてくれました。


たった3日で「分かった」と言うつもりはありませんし、これが全てではないでしょう。だけど、コソボの意外な一面を見て、「だから旅はおもしろい」と改めて思ったのです。

文・取材:赤坂惟名
監修:世界新聞 sekaishinbun.net


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in 取材, Posted by logc_nt

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