キーボードやマウスを超える新たなモバイル・ウェアラブル用「手のひら装着型入力デバイス」開発進行中

スマートフォンやタブレット端末さらにはGoogle Glassのようなウェアラブルデバイスなど、情報端末は持ち運び可能なサイズになりその進化はとどまるところを知りません。しかし、デスクトップPCの時代からモバイル端末に至るまで、文字入力デバイスとして最も信頼性の高いものはいまだにキーボードです。そんなキーボードをモバイル化するために強く求められている「バーチャルキーボード」がどのような形になるのか、その一つの有力解がスウェーデンのコンピュータ科学者によって提案されています。

The virtual keyboard may soon be a reality (w/ Video)
http://phys.org/news/2014-05-virtual-keyboard-reality-video.html

コンピュータ科学者のラース・アスプラド博士が考案するウェアラブルな「未来の入力装置」は以下のムービーで確認できます。

Promotion video for the Virtual Keyboard - YouTube


モバイルコンピュータは急速に進化を果たしました。タブレット端末や……

スマートフォンが現在のコンピュータの主流になりつつあります。

しかし、文字入力装置は200年以上前のタイプライタから引き継がれた「キーボード」スタイルから進化していません。

モバイルコンピュータでも使える入力装置の形とは何かを突き詰めると……

こんな形に行き着きました。

この新しい入力装置を装着するのは開発者のアスプラド博士。手のひらに挟むようにして使うようです。

この入力装置にはセンサーが内蔵されており……

机などの上でタイピング動作を行うと、その通りに入力してくれるバーチャルキーボードとして使うことができます。

さらに空中で動かすことで、モバイル端末に用いられているスワイプなどにも対応しており、キーボードだけでなくマウス的な操作も可能。

今後、主力となるモバイルコンピュータ端末は、Goole Glassや……

Oculus Riftなどのバーチャルディスプレイを搭載したものへと進化することが見込まれています。

アスプラド博士はこれを見越して、文字入力だけでなく……

スワイプなどのジェスチャー操作ができるものが次世代の入力装置として重要だと考えているようです。

アスプラド博士の開発する「手のひら装着型入力装置」を使うと日常生活はこんな感じに変化します。バスを待っている女性。

膝の上でタイピング。

彼女が見つめる先には……

バーチャルキーボード。

彼女のメガネはウェアラブルデバイスで、視線の先にはバーチャルスクリーンが映し出されています。

メガネも入力装置も身につけられるもので、日常生活に支障をきたすものではありません。まさにウェアラブルなデバイスによってユビキタスコンピューティングが実現します。

これは、アスプラド博士が「手のひら装着型入力装置」の初期モデルを自作する様子。

アスプラド博士は、Mälardalen大学で若い研究者たちとともに、あらゆるコンピュータに対応可能なこの手のひら装着型入力装置を開発中です。

アプリケーションソフトの開発者の意見も採り入れて改良が進められているとのこと。

なお、コンピュータの定義の中にはゲームも含まれています。

手のひら型入力装置は、デスクトップコンピュータ・モバイル端末・ゲーム機などあらゆるコンピュータハードウェアに対応する予定です。

アスプラド博士は世界中からアイデアを募集しているとのこと。

プロジェクトが進むように、APIも公開され……

オープンソースな開発環境が整えられています。

手のひらに装着して……

どこでもコンピュータを操作できる入力装置の実現に向けて……

アスプラド博士は製品化するのに必要な資金1500万クローナ(約2億3000万円)の寄付を求めています。