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「人生一度。不倫をしましょう。」とうたう不倫SNS「Ashley Madison」がGoogle、Yahoo!などから広告を拒否される


世界最大級の既婚者向けSNS「Ashley Madison」は「人生一度。不倫をしましょう。」というキャッチフレーズと共に展開する出会い系サービス。日本では世界最速ペースで会員を伸ばし、会員数100万人を突破しましたが、日本のGoogle、Yahoo!、MicrosoftなどはAshley Madisonの広告を検索結果に載せることを拒否したようです。

Google is making it hard to cheat on your spouse in Japan | The Verge
http://www.theverge.com/2014/4/25/5651964/wedding-crashers-google-and-yahoo-tangle-with-adultery-in-japan

世界の男女を対象として「世界&国内不倫事情」を調査したところ、不倫に罪悪感を感じる日本人女性は2%と世界平均の8%より少なく、男性の場合でも8%と世界平均の19%よりも少ないという結果が発表されました。Ashley Madison創設者のNoel Bidermanさんはインタビューで「日本はユダヤ教・キリスト教の伝統がないため、サービス利用時の満足度が他の国々より高いはず」と語っており、マーケットとしての日本の可能性を高く見ていたため、今回の件について「日本で独身の人々だけをターゲットとした性的サービスは見たことがない」としてGoogleやYahoo!などのポリシーが「偽善である」と指摘しています。


The Tokyo Reporter」の記者Brett Bullさんは「日本では東京にある大きな駅の近くで男性が簡単に性的なサービスを受けられます」と語っており、一見性的なサービスに対して寛容に見える日本の状況から、Ashley Madisonは全面的に受け入れられると予想していたのかもしれない、とThe Vergeは見ています。

Googleはこの件に関してコメントを控えましたが、Google広告のポリシーを見てみると、売春や性的なメッセージ交換を主としたビジネスを受け付けられていない一方で、「アダルトおよび性的なデートサービス」はサービスの提供範囲内です。そのため東南アジアの特定範囲を除いてストリップクラブやテレフォンセックス、使用済み下着の販売などはGoogle AdWordsを利用することが可能です。

「我々は世界35カ国でGoogleの広告を利用していますが、問題が起こったことはありませんでした。しかし日本では、我々のサービスを利用してユーザーがラブホテルに行き、結婚生活を壊してしまわないように、誰かが『不倫』という言葉を販売させないようにしているのです」とBidermanさん。


Bidermanさんの発言を抜きにしても、Google日本法人やYahoo Japanが他の国々とは別の基準を持っていることは確か。インターネット広告推進協議会のガイドラインは性的なコンテンツや社会の風紀を乱すコンテンツを許可することに反対しており、各企業はこのガイドラインを保守的に解釈する傾向があるとのこと。Bidermanさんは「日本ではGoogleが性的なサービスに対して広告を許すことは絶対にない」と主張していますが、実際には出会い系サイトやラブホテルの広告が許容されています。ではその違いは一体何かというと、セックスを明示しているかどうか、ということ。ラブホテルへの滞在は「休憩」であり、出会い系は「売春を推進していません」という言葉が添えられています。日本の合法的な性産業は物理的に見ると派手に宣伝されているのですが、インターネット上では非常に厳格に管理されている、という点がBidermanさんの想定外だったようです。

「Yahoo!の担当者と話している時に『あなたは結婚している女性がひそひそウワサするようなホームページを持っているのですね。つまり女性が結婚に対して不正行為をするような。我々はそのようなことが好きではありません』と彼が語ったのを覚えています」とBidermanさん。またThe Japan TimesのJake Adelsteinさんは「男性を中心とする性産業は国内総生産の2%を占めるというのに、日本では女性がお金を払って性的な満足を得られるサービスというものがほとんどありません。簡単に不倫ができる方法さえないのです」と語っています。世界的に見ても性産業は男性をターゲットとして置かれているものであり、愛のない結婚生活を送る女性にターゲットを置いたAshley Madisonは日本の道徳観と相いれないのだとのこと。


インターネットは世界的な道徳の規準というものが存在しないため、論争が起こりやすいAshley Madisonのような企業と国際的に展開するGoogleが衝突するのは不可避と言えます。なお、不倫が非合法化されている韓国ではAshley Madisonへのアクセスは遮断されており、Bidermanさんは不倫を禁止する姦通法を「絶望的に時代遅れだ」と語っています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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