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CIAの元工作員である女性がスパイになった理由・任務・訓練などを明らかにする


アメリカ合衆国の情報機関であるCIAは、その謎めいた諜報活動から映画や小説の題材に使われることが多々あります。CIAの女性元工作員であり、現在ニュース専門のケーブルチャンネル「アルジャジーラ・アメリカ」の特派員を務めるリンジー・モーラン氏がPursuit Magazineのインタビュー内で、スパイになった理由やスパイとしての人生、さらには実際の任務や訓練などについて語っています。

Pursuit Magazine Q&A: Former CIA Agent Lindsay Moran Reveals Why She Became a Spy
http://pursuitmag.com/lindsay-moran-former-cia-operative-why-became-spy/

Pursuit Magazine Q&A: Lindsay Moran—A Former CIA Agent Talks Spycraft
http://pursuitmag.com/lindsay-moran-former-cia-agent-talks-spycraft/

1998年から2003年までCIAの秘密情報局で工作員を務めていたモーラン氏がスパイになったのは、幼少期に映画「007シリーズ」や「ハリエットのスパイ大作戦」を見ていたことのほか、父親と祖父の存在が大きく影響しています。モーラン氏は「私の父はアメリカ海軍の造船技師で、冷戦時代に主に艦船の設計を担当していました。ただし、父は仕事の詳細について友人や家族に一切他言することが許されていなかったので、詳しくは私も知らないのです。また、私の祖父の人生も秘密だらけで、何らかの諜報活動に関与していたことは兄弟の間では明らかでした。そういったことが私がCIAに入ったことに大きく影響していると思います」と語っていました。

By Nick Kenrick

CIAで訓練を受けて働き始めたモーラン氏は世界中を飛び回るようになりますが、仕事の話を家族や友人に話すことができず、うそをつかなければいけなかったことが仕事の中でも一番困難であったとのこと。仕事について話すことを許可されているのはCIAで働く同僚のみであったため、もともとオープンな性格だったモーラン氏ですが、段々と心を閉ざしてしまうようになります。そういったことからかCIAの職員は職員同士で結婚するケースが多々あるそうです。

CIAを退職してから頻繁に聞かれるのが「人を殺したことがありますか?」という質問で、これに対してモーラン氏は「多くの人が勘違いしているようですが、工作員の仕事に人を殺害するような任務はありません。工作員は営業職に似ているところがあるんです。他の国に行って重要な情報を所有している人物と信頼できる人間関係を築き、極秘情報を入手するのが私の主な仕事でした。ほとんどの人は金銭を交換に極秘情報を渡してくれましたね。簡単そうに聞こえますが、非常に難しい任務でしたよ」とスパイの仕事についても明かしています。

外国に行って目標人物から情報を得られるようになるには、特殊な訓練をクリアしなければいけません。訓練は主に準軍事的なトレーニングとスパイとしてのノウハウを学ぶものの2種類あり、準軍事的なトレーニングでは自動車や船などの運転技術・白兵戦・飛行機から飛び降りる方法・潜入や脱出といった体を使う訓練を行います。この訓練が終了すると、工作員は変装・偽名の使用法・尾行に気づく方法などを学ぶトレーニングを行い、この間にどうやって目標人物と信頼関係を築くか、といったことも学ぶとのこと。

By Zorin Denu

また、どうやって尾行に気づくのか?と聞かれたモーラン氏は「尾行されているかもしれないと感じたら、『cover stops』と呼ばれる方法を使用します。これは、かなり遠く離れた場所にある乗馬用の道具専門店や釣具屋といった、何かの理由がなければ行かないお店に自動車で向かうというもの。尾行されていることが確定したら任務はそこで終了です。どんな状況であっても尾行している人物に、自分が尾行に気づいたことを悟られてはいけないのです」と答えています。

普段は明かされることのない情報を赤裸々に話したモーラン氏は「Blowing My Cover: My Life as a CIA Spy: Lindsay Moran」という本を執筆し、スパイとしての人生を事細かにつづっているので、英語の書籍になりますが、興味のある人は一度読んでみるのもアリです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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