フィードバックを本当に意味のあるものにするための23の方法

by Ashley Webb

ある人の行動や発言に対し、周囲がそれらをどう見ているか評価を返してやるフィードバックは人や会社が成長する上で重要なものですが、22歳の時にバスケットボールシューズを作るスタートアップ企業「AND1」の10番目の社員として働き出したPhin Barnesさんは、その後自分で企業を立ち上げるまで、AND1であらゆるフィードバックを目にしてきたと語ります。そこで経験をもとに、人の上に立つ立場にある人が批判的なフィードバックを行う時に注意すべき点は何か、そしてフィードバックを受け取る側はどんな考え方であるべきかをFirst Round Reviewにまとめています。

23 Tools to Make Your Feedback Meaningful
http://firstround.com/article/23-Tools-to-Make-Feedback-Meaningful

◆フィードバックの送り手の心得:強い基礎を作る

01:自分の役割を思い出す

by herby_fr

フィードバックの目的は、会話している相手を助けることにあります。フィードバックの送り手は、「受け手はフィードバックの意義(受け手をよりよくするために時間を割いている)を理解する必要があるがそうではないことがある」ということを忘れていることが多々ある。同僚や部下、ひいては会社全体の利益にも繋がるよう、フィードバックを行う時はその背景にある動機や感情を明らかにすべきです。

02:相手の才能を買っており、信頼していることを示す

by Chris-Håvard Berge

「君がこの仕事についたということは、君が高いハードルを飛び越えたということだ。私は君が持っている背景を見て雇うことを決めたから、もちろん君が賢く、有能で働き者だということを知っている。君の潜在的な可能性を引き出すために私はここにいるし、それを光栄なことだと思っているよ」

上記のように、「相手に結果を出すための素質があると信じている」ことを示す言葉は雇い主と従業員がよい関係で仕事をスタートさせるために非常に有効です。雇い主や経営者は新しい従業員に期待を抱いているものですが、例え友好的にしていても威圧的に感じられてしまうことがあります。従業員にとって、自分の才能を思い出させてくれて、かつ、それを上司が信じてくれているということが何よりも助けになるもの。このような声かけによって信頼関係が早期に作られ、どのようなフィードバックであっても自分の成功を導くためのガイダンスとして受け取られるようになります。

03:透明性を保つ

by bluecinderella

これは目の前にいる人に対し、全てを語れ、という意味ではありません。従業員たちが安心でき、サポートされている、と感じられる環境作りの話です。

「ネガティブなアドバイスはよい意見の間に挟んだり、同時に励ましになることを言うべき」というアドバイスをよく目にしますが、Barnesさんの経験から言うと、フィードバックは本当のことを直接的に言うべきとのこと。自分が「物足りない」と感じているところは相手も「物足りない」と感じているところなので、相手を客観的に見て、彼らが面している問題や挑戦について話すべきです。

そこで、Barnesさんが経営者らにオススメするのは「君の率直な意見や頑張りに感謝しているよ」と従業員に伝えること。ネガティブなアドバイスを正しく伝えるためには、アイデアや成果を支持しているのではなく、従業員その人を支持していることを伝える必要があります。

04:彼らはどのようにして意見を受け取っているのか?

by Ben Smith

もし同僚の欠点について率直に意見したとしたら、彼らは仕事としてではなく、人としてあなたが自分を批判していると感じるでしょう。例え本人が意図していなくても、彼らは自分が無能だと言われているように感じます。彼らが悪く捉えないように欠点を指摘するには、自分が不得意なものについて考えてみることが必要。

多くの場合、人々は相手が表現したことを正確に受け取りません。そして一度間違った風に受け取られてしまうと、無能感をあおるフィードバックと同じく、物事は悪い方向に転じてしまいます。従業員や同僚が過小に仕事をし出した時が、その現れで、人間関係が取り返しの付かないほど悪化していることを示します。

05:言葉に注意する

by Chris Blakeley

よいフィードバックを生み出すためには言葉に対して注意する必要があります。会社の創立メンバーたちは非常に親密な関係にあることが多く、いに対して率直な言葉遣いをすることがあります。例えば、AND1の創立メンバーであれば、面と向かって「このデザインは嫌いだな」とか、「これは最悪だよ」と言いあっていたのですが、もしBarnesさんが何も知らない状態でそれらの言葉を受けていたら、きっと打ちのめされていただろう、と言います。

創設者として言葉を発する時、自分が伝えようとしている言葉をもう一度考え、自分の言葉が過剰に相手に響いたり、個人的な批判に受け取られないかを確かめてみてください。もしその可能性があるなら自分の立場を今一度考え、彼らがベストを尽くせるような言い方で伝えてください。

06:最高のアイデアが勝つ

by Michael

「最高のアイデアが勝つ」という考えを示すことで、人々の意見が平等の重さを持つことが示されます。Barnesさんは、自分の頑張りを真剣に受け取ってくれる組織の若いメンバーから素晴らしいアイデアが出るのを何度も見たことがあり、これは特に若いメンバーにとって、強いモチベーションとなり得ると言えます。

07:参加を要求する

by dave.dave.dave

「最高のアイデアが勝つ」という考えを維持する唯一の方法は、人々に自分自身の考えを示させることです。上司が自分の考えを価値があるものと思っており、「参加する」ことを要求していると知ってもらい、表現することを心地いいと感じさせることが大切です。尊敬を示されると、人々は批判された時やアイデアが受け入れられなかった時でも希望をくじかれず、いい仕事をするためのプロセスの一部だと考えるようになります。

◆間違った原動力は修正する

08:全てに責任を持つ

by Andreas Fusser

フィードバックを伝えることはデリケートな問題であり、場合によっては簡単に人間関係を壊してしまうのですが、多くの経営者が上記に書いたような、直接的にフィードバックを伝えることの不安要素を忘れてしまっています。

経営者はオフィスにおいて権力を持っている側であり、「いくつかの事柄に対して」ではなく「全ての事柄に対して」100%の責任があります。どれくらいの頻度で、いつ、何を話して相手とコミュニケーションを取るかを決定できるため、もし人間関係がうまくいっていないと感じたら、経営者自身がまず考えるべきことは「自分は相手の何を理解していないのか?」「何を見落としているのか?」「何を間違ったのか?」ということです。

09:争いによる損害を受け止める

by brandenz

Barnesさんが経営者の立場にある時、同僚や部下の論争を解決しなければならず、そのことの不満を色んな人にこぼしていました。しかし、ある友人の「君は本当にその関係を修復したいの?もし修復したら、会社や君にとって利益がある?」という言葉にはっとし、本当は自分が争いとなっている関係を修復したいのか、そして事態を収拾することが自分にとって重要なのかについて考え直したとのこと。

この問いの答えは必ずしも望むものではなく、時には出た答えに嫌々従うこともあります。変化が必要なこともあるし、変化が起こるまで平和を維持する方法を考え出す必要がある時もあります。しかし、自分が問題の解決を望んでいないという答えが出た時は、それが困難でも受け入れなくてはいけません。もし誰かが休戦を告げなければならないとしたら、まず、経営者が行動に移すべきです。

10:自分に非があるような言い回しをする

by marsmettt tallahassee

人間関係に生じた問題の修復がうまくいっていない時、うまくいっていないことだけを指摘せず、「いつものように、私は君のモチベーションを上げていない気がする」や「君が必要とする方法でサポートしていない気がする」など、自分の行動を理由に問題を示してみて下さい。あるいは「いい経営者でいることは私にとって大切なんだ。君の助けがあってよかった」「君には才能があるし、私たちの関係はうまくいっているね」と率直に伝えましょう。

自分の意見を表現したり、上司への報告を怖がっている人がいるなら、「君たちの意見を見落とすことが怖いんだ」というような、自分の弱さをさらけだすことを言ってもOK。彼らが感じていることを想像して下さい。

11:自分がセーフティーネットになる

by Bob B. Brown

人はリスクを犯しても安心だと感じた時に最も生産性を上げ、クリエイティブさを発揮します。もちろん、いい関係を築けていないと、従業員たちはそもそも「恐れている」ということを上司に伝えないでしょう。「自分が何をしても、上司や経営者が才能や素質を買って自分を雇っていることは変わらない」と彼らに確信させて下さい。そしてその後で、「君たちが十分に仕事をできるのは知っている。でも我々はさらに限界を超える必要がある」と告げます。

職場の多くの人間が自分の仕事上のポジションは安全ではないと考えたり、もっと仕事のできる人間がいるはずだと考えたりしています。スタートアップのような、まだ組織化されていない環境ならなおさらです。だからこそ、相手や相手の能力を重んじてフィードバックを行うことが大切だと言えます。

12:従業員に責任を負わせない

by Meathead Movers

ネガティブなフィードバックを受け取った時、人は「猫が死んだ」「彼女と別れた」「オフの日だった」ことを前提に「それでも一生懸命働いた」と言い訳をしようとしますが、経営者には全ての事柄に対して100%の責任があるため、彼らに言い訳を言わせずに、経営者として「これは私の責任だ。前進するためには、『私が君の仕事をよくするために何ができるか』を君が教えてくれるかどうかだ」と伝えてください。もし彼らに言い訳させてしまったら、自分の指導なしで彼らが変化するか見積もりましょう。そして、もし従業員たちが本当に努力しようとしているなら、方向性を示しましょう。

13:振り子に注意

by Evonne

従業員が不安を感じていたりナーバスになっている時に批判を行うと、振り子のように導くべき方向と反対へ追いやってしまうことがあります。批判された従業員は突然バリバリと働きだし、全ての時間を犠牲にし、身を燃やし尽くす勢いになりますが、これはズレたところに力を入れているにすぎません。さらに上司が「もっと集中しろ」と言えば、その1点のみに集中し、他のことをおろそかにしてしまう可能性もあります。結果として、成果の見込めない仕事に対しエネルギーを注いでしまうというわけです。

◆フィードバックを強固にする

14:フィードバックのスケジュールを組む

by Matt Biddulph

信頼関係を築き、相手の話をよく聞くだけでは経営者の仕事は勤まりません。従業員の進捗をチェックしフォローしていくためのスケジュール作成が必要です。例えば誰かが新しい役割についたり、定型化していた方法を改良しようとしていたら、彼らの行く先に小さな勝利を用意します。そうすることで、従業員を正しい方向に導けます。

15:従業員自身にコントロールさせる

by Public Affairs

最良のコーチは100%のコントロールを相手に与えるもの。例えばある女性にコンテンツマーケティングのリーダーを任せて1四半期で70万ページビューを獲得するように伝えるとします。もし、リーダーが自分で物事をコントロールできない人だとしたら、四半期の終わりが近づくにつれ、彼女のプレッシャーは大きくなってき、自信も失われていってしまいます。そこで行うべき経営者の仕事は「彼女が行うべき、会社が必要とする結果を生み出す『行動』を決めてやること」です。そのためのフィードバックは結果ではなく、行動に対するものである必要があります。

例えばミーティングに何の準備もせず、全く寄与しない従業員がいるとします。彼らに対して「何の役にも立っていない」ということを言って終わるのではなく、どうすれば物事を改善できるのかを伝えるのです。事前に送られた資料に目を通し、メモを取り、ミーティングには時間通りにやってくること、そしてミーティングごとに3つの質問と3つの提案を用意すること、など。

もし誰かが能力を発揮できていないと思ったら、こう考えなければいけません。「OK、彼らの行動がどう変化すれば、私が彼らに持つ印象を変えられるだろうか?」と。

16:仕事全体の中のそれぞれの立ち位置を理解する

by Tim Caynes

「どのように人々は寄与するか」「なぜそれが重要なのか」ということは、オフィスで働く人々に理解される必要がありますが、素晴らしい会社であっても、意外に見落とされているところです。仕事が遅い人に「仕事が遅い」と伝えたところで、気にかける人がいれば、そうでない人もいます。しかし、その人の予定がどのように会計担当者やプロキュアメント担当者の仕事に関わってくるのかを理解させると、その人の物の見方が「仕事」から「チーム」へと変わるはずです。

17:達成すべきものを描く

by VancityAllie .com

可能性が目に見える形になったとき、人はより実現に向けてやる気を出すものなので、人々を管理する立場にある人は彼らが達成すべきものを明確に描かなければなりません。

人によっては、信頼関係が築けておらず、すべての草案に目を通すなど細部まで自分で管理するタイプもいますが、そうすると従業員は仕事のペースが落ち、自信を失いがちです。

経営者のゴールは、プロセスから自分がいなくともいいようにすること、そして従業員が行った仕事をそのままマーケットに出せる状態にすること。従業員たちがプロジェクトの全体を把握し次に行うべきことを知っていれば、プロフェッショナルな仕事をするために最良の手段を取るはずです。

◆正しくフィードバックを受け取る

18:隠し事をしない

by Steven Depolo

フィードバックを受け取ることは、ただ聞くことではなく、物事に優先順位をつけたり、自分の感情を相手に知らせることでもあります。そのため、怖い時は怖いと言ってください。多くの場合、相手は驚いて「怖いだなんて。あなたは素晴らしいし、私はよりよい仕事ができるよう手助けしたいだけなんです」と言ってくれるはずで、もし「怖いのはあなたがクソだからだ」と言うような人がいれば、それは状況を考え直すべきです。いずれにしても人間関係がうまくいっているかを確かめることができます。正直でありましょう。

19:何とかする姿勢

by Marie

何が問題なのかを判断し解決するのが経営者の仕事であるように、従業員は「なぜ方法が1つだけで、他の方法ではだめなのか?」という質問をし、よりよいフィードバックを求めることもできます。全てのことを知っている必要はなく、むしろ知らないことを利用してください。「別のやり方をすべきでは?」と提案してみると、「じゃあ、やってみよう」と受け入れられることもあります。自分が成長を望んでいると示すことで、フィードバック体験をよりよいものにできます。

20:上司から学ぶ

by IHB M.C.

経営者が「本当は何がチームを動かしているのか?」ということを理解しようと努力するように、従業員は「経営者を動かしているものは何か?」ということを2人きりで会話している時に理解する必要があります。彼らは何をしていて、その中の自分の役目は何か?今の仕事で、どうやったら彼らに大きなインパクトを与えられるか?このような考えによって信頼と自由を得られるはずです。

21:仕事に余裕を持つ

by Cseh Ioan

エゴはフィードバックを生産性のある行動に変えるための最も大きな障害です。エゴを抱かないためには、以下の考えを思い出しましょう。

・今ある情報で最善を尽くすしかないことを認識して下さい。今知っていることでは不十分だと思っても、それで何とかするしかないのです。重要なのは同じ間違いを繰り返さないように、徐々に必要な知識を得ていくこと。

・チームメイトはみんな会社をよくするために働いていて、彼らからの意見を最良のものと考えて下さい。自分はより大きな努力の中の一部なのです。自分のアイデアが他のアイデアに負けてしまっても心配無用。アイデアはまだまだあるはずです。

・フィードバックを受ける前に完璧にしようとしないで下さい。自分の考えをスケッチのようなものとして捉え、方向性が合っているかを経営者に確認しましょう。その方が仕事が速く・よりよくなるはずです。

22:批判する人がいることを理解する

by luigi frappi

どんなに自分をよく保とうとしても、すべてをめちゃくちゃにする人はいます。そのような人はどんなプロジェクトにもいると考えてください。彼らの行動の原因がエゴだった場合、自分がプロジェクトの一部になると、彼らはあなたをつるし上げるのを止めるはずです。もしかすると、彼らが彼ら自身のプロジェクトをめちゃくちゃにしているのを目にするかもしれません。その後に批判の背後にあるアイデアや、批判の価値ある点を学べるでしょう。

23:関係を構築することが大切


多くの人が1対1で話し合ったり、フィードバックをやりとりすることに時間を割きたがりません。急成長していく文化の中で、人と人との本当のつながりを築くことは、確かに生産的とは言えないかもしれませんが、Phin Barnesさんは他人を無視するやり方を否定しています。前進するための全ての行動を正しく行う必要はありませんが、上記に書いたことを実践し、従業員が経営者に対し正直であり、チームメイトに対して率直である経営者がいれば、より早く、簡単に、そして効果的に仕事を達成できるはずです。

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