Appleの次の一手は「電気自動車」と「医療機器」分野への進出である可能性が増大

By Kevin T. Houle

日本国内ではiPhone絶好調が伝えられ、全世界での売上高が過去最高を記録し続けているAppleですが、「次なる一手」を画策する動きが次第に明らかになっています。SFGateが報じたところによると、同社が次に狙いを定めている分野は電気自動車(EV)と医療機器の分野であることが浮き彫りになってきています。

Apple exploring cars, medical devices to reignite growth - SFGate
http://www.sfgate.com/news/article/Apple-exploring-cars-medical-devices-to-reignite-5239850.php

Apple considered acquiring electric car maker Tesla (rumor) | VentureBeat | Business | by Max A. Cherney
http://venturebeat.com/2014/02/16/rumor-says-apple-will-buy-tesla/

SFGateの報道によると、Apple社でM&A(企業の合併や買収)を担当する役員であるAdrian Perica氏と、シリコンバレーを拠点にバッテリー式電気自動車を開発・製造・販売しているテスラモーターズのイーロン・マスクCEOがクパチーノのApple本社において会談していたことが明らかにされています。また、この席にはAppleのCEOであるティム・クック氏が同席した可能性もあるとのこと。

会談の内容は明らかにはされていませんが、M&A担当役員が臨んでいる会談であることから、Appleによるテスラ・モーターズ買収、あるいはそれに近いレベルでの動きがあることを示唆しています。報道に対し、テスラ社はコメントを拒否、Appleからは回答が寄せられていません。

テスラ・モーターズ社は2003年にシリコンバレーで創業した新興自動車メーカーで、同社が販売している自動車は全て100％電気を動力源として走行する電気自動車です。2008年からCEOとして同社を率いているイーロン・マスク氏は、かつてオンライン金融サービスと電子メールによる支払いサービスを行うX.com社(のちのPayPal社)を立ち上げたほか、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業、また、時速1220kmでロサンゼルスとサンフランシスコ間を30分で結ぶハイパーループ構想を発表した人物としても知られています。

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また、Appleは医療関連機器メーカーへの働きかけを強めているという観測も出ています。特に、センサー技術を活用して患者の血流から発せられる渦の音を感知して、心臓発作の発生リスクを予知する技術へ強い関心を寄せていることが明らかにされています。この動きには、かつて劇場用音響機器や家庭用AV機器のクオリティチェックを行うTHXで開発を担当し、2011年からはAppleに在籍しているTomlinson Holman氏が関わっていることが判明しています。

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Appleは2007年にiPhoneを発売して以来、一貫して右肩上がりの成長を続けてきていますが、ここ1年半の間は利益率が減少するなど好調ではありながらも、以前よりその勢いが鈍ってきています。「iWatch」が暗礁に乗り上げている可能性があるとも伝えられているなかで、2013年後半にはティム・クックCEOが「2014年には大きな計画がある」と全従業員に宛てたメールで明かしていることや、車載向けiOSである「iOS in the Car」の開発が進められていることとも関係があるはずで、どのような形にせよ、新たなプロダクトが近々その全貌を現す日が近づいているわけです。