取材

ジョジョリオンや有頂天家族など、マンガからエンターテインメントまで色んな受賞作品を展示している第17回文化庁メディア芸術祭まとめ


「アート」「エンターテインメント」「アニメーション」「マンガ」の4部門で優秀だった作品を選出する「第17回文化庁メディア芸術祭」が、六本木の国立新美術館で開催されています。会場では選出された作品を実際に体験したり、アニメーションの映像やマンガの原稿などを見られるようになっているので、主な展示作品を以下にまとめてみました。

第17回文化庁メディア芸術祭
http://j-mediaarts.jp/



・エンターテインメント部門
Sound of Honda / Ayrton Senna 1989

エンターテインメント部門の大賞を受賞したのは本田技研工業がカーナビゲーションシステム「インターナビ」の技術と歴史をひもとくために作成したムービー「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」です。Sound of Honda / Ayrton Senna 1989では、1989年のF1日本グランプリ予選でアイルトン・セナが樹立した世界最速ラップの走行データを使用してセナの走りが音と光で再現されており、その映像はYouTubeでも見られるようになっています。

Sound of Honda - Ayrton Senna 1989 - - YouTube


Sound of Honda / Ayrton Senna 1989の展示ブース内には、大きなモニターに映像が映し出されている他……


小型モニターでもスピーカーを使って映像と音を楽しめるようになっていました。


©Honda Motor Co., Ltd. and its subsidiaries and affiliates.

◆トラヴィス「ムーヴィング」


エンターテインメント部門の優秀賞を受賞したのは、イギリスのロックバンドトラヴィスのミュージックビデオ「ムーヴィング」で、寒い空間で吐かれた息にアニメーションを投影して撮影されたムービーです。

Travis - Moving - YouTube


展示ブースでは実際にムーヴィングを観賞できます。


ムービー制作中に撮影された写真も展示されていました。


©2013 Red Telephone Box

プラモデルによる空想具現化

「プラモデルによる空想具現化」をテーマに、パソコンを始めその周辺機器をプラモデルを用いて改造したジオラマ作品が優秀賞を受賞。


「プラモデルによる空想具現化」がどのような作品なのかは、下記の記事から確認できます。

PCと周辺機器をプラモデルを使って、これでもかというくらいメカニックに改造したジオラマ作品「プラモデルによる空想具現化」 - GIGAZINE



©2013 IKEUCHI Hiroto

燃える仏像人間

劇画とアニメーションの融合である「劇メーション」という手法で作成された映画「燃える仏像人間」はエンターテインメント部門で優秀賞を受賞。展示ブースでは「燃える仏像人間」の予告編を上映していました。作品は京都を舞台にして起こる連続仏像盗難事件を通して、仏像と人間の融合を描いているとのこと。


予告編を上映しているモニターの周りには、実際に作品内で使用された小さな絵が展示されています。


「燃える仏像人間」の予告編は以下から確認できます。

映画『燃える仏像人間』予告編 - YouTube


©2013 moerubutuzouningen-seisakuiinkai

・アニメーション部門
はちみつ色のユン

アニメーション部門の大賞に輝いたのは、韓国系ベルギー人のユン監督が自身の半生を描いたマンガをもとに制作したドキュメンタリーアニメーション作品「はちみつ色のユン」です。


展示ブースでは予告編が上映されています。


作品のもとになっているマンガ「Couleur de peau:Miel」


こちらはCouleur de peau:Miel第2巻の1ページ


アニメーション制作時に使用された資料も見ることができます。


はちみつ色のユンの予告編は下記から確認可能です。

『はちみつ色のユン』予告編 - YouTube


©Mosaïque Films - Artémis Productions - Panda Média - Nadasdy Film - France 3 Cinéma – 2012

有頂天家族

京都を舞台にタヌキと天狗と人間が入り乱れる幻想劇である、森見登美彦の小説「有頂天家族」をテレビアニメーション化した作品が優秀賞を受賞。


展示ブース


ラフスケッチも展示されています。


ゴールデンタイム

テレビがたどった数奇な運命を描き、古典的な語り口とアナログのアニメーションによる新たなエンターテインメント作品を目指した「ゴールデンタイム」が優秀賞を受賞しています。


展示ブースはこんな感じ。


絵コンテ


・マンガ部門
ジョジョリオン

個性的なヴィジュアルやトリッキーな演出、コマ割り表現の可能性の追求、そして「人間讃歌」と称されるテーマなどが評価され、マンガ部門の大賞に輝いたのは「ジョジョリオン」です。


展示ブースや、作者の荒木飛呂彦さんが登場した内覧会の様子は以下の記事から確認できます。

「ジョジョリオン」が文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞し、荒木飛呂彦さんも登場 - GIGAZINE



©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/SHUEISHA

昭和元禄落語心中

昭和を舞台に落語家の素顔が複雑な人間関係とともに描かれた「昭和元禄落語心中」が優秀賞を受賞。


展示ブースでは原稿などを見ることができます。


イラスト


©Haruko Kumota/Kodansha

ちいさこべえ

山本周五郎の時代小説「ちいさこべ」を、「ドラゴンヘッド」などで知られる望月峯太郎が時代設定を平成時代に翻案したマンガ「ちいさこべえ」が優秀賞を受賞。


展示ブースではカラーイラストや原画、原稿が展示されています。


ラフスケッチ


©Minetaro Mochizuki /Shugoro Yamamoto 2013

それでも町は廻っている

東京の下町の1つ丸子商店街を舞台として、一見平凡でありながら少し変わった日常を過ごしている女子高生「嵐山歩鳥」の姿を描いた作品が優秀賞に輝いています。


展示ブース


ネームや原稿が展示されています。


©Shonen-gahosha Co., Ltd.

ひきだしにテラリウム

最短で2ページ、最長でも11ページというページ数で完結する作品を集めたショートコミックの「ひきだしにテラリウム」は優秀賞を受賞しました。コメディやSFなどさまざまな発想を多彩な絵柄で描きあげている点が受賞理由の1つです。


ブースでは大きなカバーイラストを展示。


カバーイラスト線画


カバーイラストラフ


ネームや原稿も見られます。


©Eastpress

・アート部門
crt mgn

アート部門の大賞に輝いたのはドイツのミュージシャンであるカールステン・ニコライさんの「crt mgn」という電磁波を利用した作品です。


crt mgnがどのようなアート作品であるかは、下記の記事から確認できます。

普段は感じられない電磁波を見たり聴いたりできる不思議な装置「crt mgn」 - GIGAZINE



©2013 Carsten Nicolai. All rights reserved.

を超える為の余白

エアーポンプ、電源制御回路、水、シャボン液、グリセリン、エタノールそして電気を用いて空間中に「泡」を発生させるインスタレーション「 を超える為の余白」がアート部門の優秀賞を受賞。


泡が作品の底部にある装置からブクブクと発生しています。作者である三原聡一郎さんは、「空白」をテーマに「 を超える為の余白」を作成したとのことです。


©2013 Soichiro Mihara All rights reserved.

なお、文化庁メディア芸術祭の受賞作品展示は2月5日から16日までで、メイン会場は国立新美術館となっています。

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