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効率よく働くために知っておくべき「集中力」についてのアレコレ

By tiffany terry

どうしてもやる気が起きなかったり、やるべきことがあるのになかなか集中できなくて歯がゆい思いをすることがあります。そんな自分ではコントロールするのが難しい「集中力」に関するアレコレを、プログラマーのAlex Sextonさんが自身の体験を交えながらブログで紹介しています。

The Productivity Cycle - Alex Sexton
https://alexsexton.com/blog/2014/1/the-productivity-cycle/


◆カフェインはゼロサムゲーム
Alexさんは、プリンストン大学でコンピュータ科学の助教授を務めるArvind Narayanan博士が作成した「カフェインを摂取した際の集中力がどうなるかの計算法」を見てとても驚いたそうです。

これがNarayanan博士が作成した計算法を元に1日の集中力をグラフ化したもの。赤は集中力が上がる際にカフェイン摂取した場合、緑はカフェインを摂取しない場合、青は集中力が低下する際に摂取した場合の集中力の状態を表すグラフです。


この計算で得られる正弦波のグラフは非常に単純化されたものなのですが、Alexさんは自身も「疲れて、元気になって、お腹が減って、食事を取って元気になって、といった集中力の浮き沈みが何度も続くこと」にこれまでの経験から気づいていたので、このグラフはあながちまちがいではないと感じています。

By anthony kelly

グラフから分かるように、1日の「集中力」は波長・周期・振幅などがある正弦波に非常に似ており、振幅が大きい程集中力が高まります。しかし、高い集中力が発揮できる程、その反動も大きくなるので集中力の低下も大きくなります。そして大抵の場合、カフェインは1日の集中力が低下している際、つまり眠気や疲労を感じたタイミングでコーヒーなどのカフェイン飲料を飲むことが多いものです。

建設作業員やトラックドライバーならば、一定レベル以下の集中力になるのは非常に危険です。しかし、クリエイティブな仕事に携わる人の場合、「ひらめくタイミング」と「思考がが止まるタイミング」が誰しもあります。そういった人たちにとっては、反動で集中力が大きく低下してしまうとしても、集中力の低下を防ぐことよりも集中力を大幅にアップさせるカフェインの取り方の方が絶対に有用なはず、とAlexさんは語ります。

By Juan Carlos Labarca

集中力が高まるようにカフェインを摂取するには、自分の集中力が高まる約30分前にカフェインを摂取すればOKです。その数時間後には反動で大きな疲労感が襲いかかることになりますが、そういう場合はすこし居眠りでもしてしまえば良い、とAlexさん。

◆エネルギーをためる
スタンフォード大学のShivさんが行った実験で、被験者の半分に2つの数字、もう半分には7つの数字を覚えてもらい、ホールを歩き回ったあとにチョコレートケーキとフルーツサラダのどちらが欲しいかを尋ねる、というものがあります。この実験の結果、7つの数字を覚えていた学生は、そうではない学生たちよりも50%も高い確率でチョコケーキを欲しがったとのこと。

By Mathieu Marquer

なぜそのような結果になるのかというと、手短に言えば「人間の精神エネルギーは有限だから」です。7つの数字を覚えていた学生は、その精神エネルギーを数字を覚えるために使ってしまい、「カロリーの高いチョコレートケーキを避ける」ということにまで頭が回らなかったから、とAlexさんは言います。

前頭前皮質は「集中力」を担うだけでなく、短期記憶や抽象的な問題解決、自制心などをコントロールする際にも使われます。チョコレートケーキ実験の結果は、前頭前皮質のエネルギー源は有限で、何か1つのことでそのエネルギーを使わせてしまえば、他の機能に影響が出ることを示唆しています。

By Brian Talbot

集中力を高めてクリエイティブな仕事をこなすにはこの精神エネルギーを爆発的に使用する必要があり、こういった場合には「集中力周期」と同じように、精神エネルギーを爆発させるためにしっかりと休憩をとる必要があります。研究によると、この「休憩」には昼寝が効果的なようです。

どのような休憩の仕方が最も良いのかは明らかにされていませんが、前頭前皮質をフルパワーで働かせるには、とにかく休憩をとり脳にエネルギーを充電する必要がある、ということです。

By Daniel Stark

◆カフェインの取り方
カフェインは睡眠物質であるアデノシンをブロックして眠気を抑えますが、「体は規則的なカフェイン摂取には約2、3週間で慣れてしまう」とのこと。

カフェインを摂取しなければ、5日でアデノシンの値が正常になるとのことなので、3週間カフェインを定期的に摂取したら、次の1週間はカフェインの摂取を避けるのが望ましい、とAlexさんは言います。また、不定期なカフェイン摂取は避けるべき、とも警告しています。

By waferboard

◆休憩
彼は自身のモチベーションや情熱のレベルが、毎日の「集中力周期」のようにサイクルになっていると考えています。これは、ここ数年間は自分の仕事に熱中しておりしばらく自分の趣味からも離れているが、数年前は家でTVが見たいのでただただ帰宅したいと考えていた、という自身の経験が元になっているようです。

どうしてもモチベーションが低下してしまう時期はあるので、こういう時期は、前頭前皮質にエネルギーをためるがごとくゆっくり休むのが1番だと言います。

By Dia

◆息抜き
「簡単に休憩が取れないビジネスマンは、やる気の出ない時期に休暇手当を使うのがオススメ」とAlexさんは言います。

また、十分に大きなチームを持つ会社ならば、2つの選べる雇用形態を持つのも良い、とのこと。これは、モチベーションが高い時期を過ごす社員には大きなプロジェクトをまかせ、大きなプロジェクトをこなした後のチームには、出社や帰社の時間に融通を利かせてあげることで小さな休憩を与える、というもの。

つまり、少し気を抜いたり怠けたりできるタイミングを与えてやるのが大事とのことです。

By henry…

◆やりたいことをする
プログラミングをしたい気分の時には、しないといけないプロジェクトをほったらかしにしてまでプログラミングに励み、充実感に襲われることがある、と言うAlexさん。

このように、やりたい時にやりたいことをすれば、やるべきことに対してもやる気が出るとのこと。

By manos_simonides

◆割り切り
いつでも最大限の力を発揮できるのがベストですが、どうしても日によってやる気や集中力には差が出てしまうもの。Alexさんがこれまで睡眠に関しての研究を色々読みあさった結果、集中力の低下している期間をぐずぐず引き延ばす原因は分かったようですが、肝心の常にベストを引き出す方法は分からずじまいな模様。

そんなAlexさんは、モチベーションが上がらない時期には単に「この試練が早く終われば……」と考えているそうです。

By israeltourism

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in メモ, Posted by logu_ii

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