メモ

「目的」ばかりにこだわらず、「目標」を大事にするという考え方

by Cris

「カッコよくなりたい」「ビジネスで成功したい」「いい家族を作り上げたい」「ベストセラー作家になる」「チャンピオンになる」など、誰しも人生において成し遂げたいことがあると思います。そして、それを達成するために詳細かつ現実的な「目的」を定めて第一歩を踏み出すことになります。コラムニストのジェイムズ・クリアーさんも、かつては同じように目的を設定していましたが、本当に重要で成し遂げなければならないことがあるときには、もっとよい方法があるということに気がつきました。それは、「目的」と「目標」を分けて考えることだというのですが、それはどのようなことなのでしょうか。

Forget About Setting Goals. Focus on This Instead. - James Clear
http://jamesclear.com/goals-systems

◆「目的」と「目標」はどう違うのか?
「目的」は何かを成し遂げることであり、そのための具体的な内容が「目標」となります。ジェイムズさんは、この言葉の違いを具体的な職業で以下のように例えています。

・スポーツのコーチ:目的は「選手権で優勝すること」、目標は「選手が毎日の練習で何を実践するか」
・作家:目的は「本を書くこと」、目標は「毎週ごとに達成すべきスケジュール」
・マラソンランナー:目的は「マラソンで優勝すること」、目標は「毎月のトレーニングスケジュール」
・起業家:目的は「億を稼ぐビジネスを構築すること」、目標は「セールスとマーケティングのプロセス」

ここでジェイムズさんは一つの質問を投げかけます。

「目的を完全に無視して、目標にのみ集中したとします。それでも結果を出すことはできますか?」

あなたがバスケットチームのコーチを担当していたとして、目的を無視して毎日の練習プログラムに集中していたとします。それでも結果を出すことはできるでしょうか?ジェイムズさんの答えは「できます」というもの。ジェイムズさんが過去1年間に執筆した記事に含まれる単語の数を数えてみたところ、およそ11万5000ワードになりました。一般的に、一冊の本には5万から6万ワードの単語を含んでいると言われているので、計算上は本を2冊書き上げたことに相当する分量です。

By spoonergregory

しかし、ジェイムズさんは「今年は本を2冊書くぞ」などといった目的を設定してはいませんでしたし、何かの基準に沿ってカウントしつづけてきたわけでもありませんでした。唯一決めていたルールは「毎週月曜と木曜日に記事を1本書き上げる」ということだけでした。そのルールをひたすら守ることを心がけているうちに、いつの間にかワード数は11万5000に達していたのです。仕事の目標とプロセスに集中していたら、結果として同じ、もしくはそれ以上の結果をあげていました。

◆1:目的だけでなく、その過程に力を注ぐ
目的に向かって努力しているということは、裏を返せば「今はまだ十分じゃないけど、目的に到達する時には十分になる」という意味と取ることができます。この考え方では、常に「目的に達するまでは喜びを得ることができない、成功したことにならない」と自分に暗示をかけていることになります。

By Dangerously Fit

目的を掲げてしまうと、それは過剰な重荷になってしまいます。もしジェイムズさんが「今年は本を2冊書く」という目的を掲げていたとしたらどうだったでしょうか?「きっとその大きな目的が重荷になり、プレッシャーに耐えられなかったことでしょう」とジェイムズさんは語ります。

「何キロ減量する」「ビジネスで成績をあげる」「ベストセラーの本を書く」といった目的は、結果的に重荷となって自分にのしかかってくるのです。そうではなく、日々のスケジュールを着実にこなしていくことに集中し、物事を単純化して余計なプレッシャーを取り除くべきだとジェイムズさんは語ります。日々、試合に勝つことばかりを考えながらバスケットボールの練習をひたすら続けるのではなく、練習そのものに集中してその瞬間ごとを楽しんでいるうちに、結果がついてくることになります。

By Max Crowe

◆2:短期的な結果を求めすぎない
必ずしも、目的が長く苦しい道のりの支えになるとは限りません。ある人がハーフマラソンのトレーニングをしているとします。努力してハーフマラソンの大会に出場してレースを完走したら最後、トレーニングをやめてしまうことがよくあります。その人たちの目的は「ハーフマラソンを完走すること」であって、その目的が達成された瞬間に、モチベーションとなっていたものは消え去ってしまいました。これは、ダイエットにおける「リバウンド」と同じようなもので、ある目標を達成した瞬間にそれまでの努力をやめてしまい、結果的に達成した成果すら失って元に戻ってしまうということの原因です。

By Miguel Garces

ある日、ジェイムズさんがジムでウェイトリフティングのトレーニングをしていたときのこと。トレーニングも終盤に差し掛かろうとしていたときに、足に少し痛みを感じました。大したものではなかったので、そのまま最後のセットに入るつもりだったのですが、ふと「私はこれを一生にわたって続けようと思っているんだ」と思い出したことがきっかけで、その日はトレーニングを終了することにしました。このとき、目的ばかりを重視する考え方だったら、途中で中止せずに最後までやり通してしまい、途中で中止することは「失敗」だと考えたかもしれません。しかし、目標を重視する見方に立てば、それは大きな問題にはなりません。目標では特定の数値ではなく、過程に沿って物事をすすめることが重要です。

無理をして体を壊してしまえば、本末転倒ということにもなりかねません。「目標は目的よりも価値がある」とするのはこのためです。目標は長期の視線に根ざしたものであり、かならずベストの結果を残すことになります。

By Yoann Gruson-Daniel

◆3:予知できない未来を先に決めてしまわない
未来を予知することはできません。しかし、目的を設定するということは、どこまで到達して、いつまでにそれを成し遂げるかということを決めなくてはなりません。その途中に何が起こりうるかもわからないのに、とにかく道筋を決めてしまわなければならなくなります。これは一見価値のあることに思われますが、あまり効率の良い方法ではありません。

By Kurt

ジェイムズさんは、毎週金曜日に仕事上の重要なデータを算出する処理を行っています。たとえば、毎週書いているコラムを読んでくれた読者のうち、何人がニュースレターに登録してくれたかを示すCVR(コンバージョンレート)を計算しているのですが、これを毎週続けているうちに結果的に自分の仕事を評価することにつながったといいます。CVRが落ち込んだときは、すなわちコラムの内容があまりよくなかったという目安になるのです。

どのぐらい的中するかわからない将来の予定を立てるよりも、いま返ってきたフィードバックを改善につなげられるシステム作りのほうが有用だといいます。

◆目的と目標のバランス
「とはいっても、目的を決めることに意味が無いときめつけるわけではありません」とジェイムズさん。目的は進歩の計画を「立案」するために重要であるのに対し、目標は進歩を「実現」するために重要であるといいます。

目的は進むべき方向を示し、また短い期間でのモチベーションにはなるでしょうが、よく練られた目標のほうがはるかに高い効果を生むことになります。プロセスに重きを置くことが成功の秘訣だ、と結論を語っています。

By wantunn

「目的と手段を混同してはいけない」という言葉をよく聞くこともあると思いますが、根底には同じ考え方が流れています。常に最終の「目的地」を見据えた上で、そこに到達するための「目標」または「手段」をよく考えて物事を進めるということが重要です。

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in メモ, Posted by logx_tm