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シリコンバレーのIT企業で成功する従業員持株制度とは?

By ffaalumni

アメリカ・カリフォルニア州のIT企業が集積する一大拠点であるシリコンバレーでは、毎年次々に新しい企業が誕生し、中には驚くべきスピードで発展する企業もあります。そんな非常にスピーディーなビジネスが行われるシリコンバレーでは、従業員に会社の株式を保有させる従業員持株制度が活用され企業の発展が支えられているようです。

The Right Way to Grant Equity to Your Employees
http://firstround.com/article/The-Right-Way-to-Grant-Equity-to-Your-Employees

シリコンバレーのIT企業を顧客に持つコンサルティング会社Wealthfront社の代表でありスタンフォード大学ビジネススクールの講師を務めるアンディ・ラクレフ氏は、これまで数々のIT企業を見てきた経験から、シリコンバレーのIT企業と一般的な企業とで大きく異なるものとして「従業員持株制度」の存在を挙げます。ラクレフ氏は、「シリコンバレーのIT企業は従業員に株式を分配する慣例を持っており、この伝統的な企業風土は、他の分野の企業文化よりもはるかに平等主義です」と話します。


ラクレフ氏がこれまでに見てきた企業のうち従業員がほとんど離職しないIT企業に見られる共通点として、会社が徹底して従業員に対して株式を譲渡・分配していることを指摘しています。ラクレフ氏によると、これらの企業は、才能あふれる優秀な社員に刺激的でチャレンジングな職場環境を与えていると同時に、素晴らしい功績に対してストックオプションなどを通じて会社の株式を保有させているとのこと。

ラクレフ氏は、シリコンバレーのIT企業が従業員持株制度を取り入れ従業員に株式を保有させる理由を3つ挙げています。それは、第一に、成功するかわからない会社に「賭けた」従業員のリスクに対して公正なリターンを与えるべきだから、第二に、従業員の長期的な貢献に応えるのに最適な方法だから、第三に、従業員にどうすれば会社が成功するかを考えさせるのに有効だからです。

Wealthfront社は、シリコンバレーのIT企業に対するコンサルティング経験から、どのような従業員持株制度が、企業の持続的に発展に効果的なのかを考案した結果、以下の4種類のケースで株式を従業員に分配するのが望ましいとしています。

1:入社時

By thinkpanama

ラクレフ氏は、企業が社員を雇い入れる時点で、その人の能力に応じて株式を与えることを推奨しています。このことから、すべての従業員が会社の株主になり得ます。従業員に対して「経営者・オーナーの視点を持て」と要求したいならば、当然、株式を分配するべきだということです。

2:昇進時

By SalFalko

昇進に伴って給料を上げるのが一般的ですが、それと共に、もしくはその代わりに株式を分配することをラクレフ氏は推奨します。

3:素晴らしい功績

By tec_estromberg

ラクレフ氏は、1年間を総括したときに、目立った功績をあげた従業員には株式を与えるべきと話します。この功績に対する株式の付与は毎年行い、役員などの幹部を除いた上位10~20%の従業員を対象にするべきだとのこと。

4:毎年全員に

By Richard foster

ラクレフ氏は、従業員は勤続2年半からは年一回、その時点でその人を雇い入れる場合に必要な「市場価値」の25%に値する株式を与えられるべきだと考えています。ラクレフ氏はこの株式を「Evergreen」と呼び、4つのケースの中でも特に重要視しています。ラクレフ氏によると、毎年、一貫して株式の分配を受けることで従業員は不意の金銭的困窮を避けることができ、企業は優秀な技術者流出を回避できるそうです。また、従業員は、Evergreen株によって、企業に対して長いスパンで希望を持ち続けることができ、同時に企業に対して長期的に貢献してくれるとラクレフ氏は語ります。

Wealthfront社の計算によると、給料の高い上級社員を頻繁にヘッドハンティングすることがないという条件であれば、上述の株式を分配するために企業は毎年3.5~5%の範囲で新規株式を発行する必要がありますが、この数字は、シリコンバレーのほとんどのIT企業が年平均4~5%の株式を新たに発行していることを考えれば合理的な範囲内に収まる適切な計画とのこと。

優秀な人材をいかに確保するかが企業の発展を大きく左右するというシリコンバレーのIT企業においては、巧妙に設計された従業員株式制度によって、企業オーナーは大きな負担を背負うことなく優秀な技術者を確保でき、また従業員も長期的視点で会社の発展に貢献できるというWin-Winな関係が構築できるとラクレフ氏は語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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