出資金が500億円を突破した資金調達プラットフォームKickstarterの2013年まとめ

クリエイティブなアイデアやプロジェクト案はあるけれども、実現するための資金がない、という人たちに対してクラウドファンディングによる資金調達を行う手段を提供しているKickstarterが、2013年の成果を発表しました。2012年は224万人から240億円を集めましたが、2013年はどれくらいの資金が集まったのか、印象的だったプロジェクトと共に公開されています。

The Year in Kickstarter 2013
http://www.kickstarter.com/year/2013

2013年には、300万人が4億8000万ドル(約503億円)をKickstarterのプロジェクトに出資。

毎日131万5520ドル(約1億3800万円)、毎分だと913ドル(約9万5800円)が、なんらかのプロジェクトに出資されていることになります。

300万人のうち、80万7733人は2個以上、8万1090人は10個以上、975人は101個以上のプロジェクトに出資。

iPhone＆Androidと連携可能なスマートウォッチの「Pebble」は、目標額10万ドル(1049万円)に対して、1026万6845ドル(約10億7700万)もの出資金を集めることに成功しました。その結果、さらに進化した「Pebble Steel」を今年度は開発して新発売予定となっており、無事に継続し続けています。

没入型ヘッドマウントディスプレイの「Oculus Rift」は、243万7429ドル(約2億5500万円)の出資金を集め、世界最大のコンシューマー向け家電見本市「2014 International CES」では新型の「Crystal Cove」の試作機を公開。

Android採用の家庭用ゲーム機「OUYA」は、2013年3月28日に出荷が開始され、スクウェア・エニックスなどもゲームを提供しています。

「GoldieBlox」はLEGOブロックのように組み立てて遊ぶ女の子向けのおもちゃで、将来の女性エンジニアにひらめきを与えました。

1851年に発表された長編小説「白鯨(原題：Moby-Dick)」の全文を絵文字で翻訳した「Emoji Dick」は、アメリカ議会図書館に貯蔵される、という快挙を達成。

プロジェクトが目標出資金額を達成し、ホバークラフト型のデロリアンがサンフランシスコ湾を走り回ったこともあります。

人力ヘリコプターの「Atlas」は、見事飛行に成功。

学生が運送用コンテナを組み合わせて学校の教室を建てるプロジェクトも資金調達を達成し、実際に教室が建てられています。

孫が89歳の祖母のアイデアをKickstarterで出資を募った「Happy Canes」は、今までにないオシャレなつえを開発するというもの。

アメリカのフィラデルフィアにはKickstarterで資金を集めたスケートボードパークがオープンしています。

ベルリンの壁に写真を展示した「WALLONWALL」もKickstarter出身です。

Kickstarterで出資を募った映画「BLUE RUIN」は第66回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。

ドイツの映画監督であり脚本家のヴェルナー・ヘルツォーク氏が 「OMNIVORE SALT」という塩のプロモーションビデオのナレーションを務めたこともありました。

映画化が検討されるもワーナー・ブラザーズが資金提供を断念した、アメリカの人気テレビ番組「ヴェロニカ・マーズ」は、Kickstarterで出資を募り570万2153ドル(約6億円)を集めることに成功。映画「ヴェロニカ・マーズ」は2013年7月16日から撮影が始まり、2014年初頭に公開予定です。

2人のラッパーが北朝鮮でミュージックビデオの撮影をするというプロジェクトも資金を調達し、北朝鮮で撮影を敢行したとのこと。

資金提供によって無名の写真家Vivian Maierに脚光をあてたこともあります。

2013年の第85回アカデミー賞では「Inocente」というKickstarterで資金を集めた作品が短編ドキュメンタリー賞を受賞し、クラウドファンド出身の映画としては初のアカデミー賞受賞となる快挙を達成。

Kickstarterで出資を募り、実際に宇宙へ衛星を打ち上げる壮大なプロジェクトもありました。

2013年は出資金総額が2012年を大きく上回る500億円を突破しており、2014年もアイデアに富んだプロジェクトや面白い製品を期待できそうです。