試食

明治時代から続く馬肉を使った郷土料理「桜なべ」を食べてきました


馬肉はスーパーなどで幅広く流通はしていないものの、刺身や桜なべとして食べられています。桜なべは明治時代に文明開化の中生まれた東京の郷土料理で、滋養強壮に良いと言われており、吉原を行き来する客などに当時親しまれていました。一番多いときで吉原の近辺に20件以上の桜なべのお店があったとのことですが、時は経ち吉原近辺で桜なべを出すお店として1軒だけ残っているのが中江です。なかなか食べる機会がないので、お店に行って桜なべを食べてみました。

桜なべ中江 | 馬肉料理 | 東京名物・郷土料理 | 創業明治三十八年 浅草吉原
http://www.sakuranabe.com/

桜なべ中江に到着。木造の風情のある建物です。


お店の前の通りからは、東京スカイツリーが見えます。


横から見るとこんな感じ。昭和の香りのする看板が醸し出すお店の風格。


東京大空襲の時も焼け残った80年以上の歴史を誇る店舗になっており、登録有形文化財に指定されています。


隣のお店は土手の伊勢屋という天丼が人気のお店。


のれんをくぐり、お店に入ります。


店内は10年ほど前に改装されたので、外観ほど古さはありませんが、趣が残っています。


お店の一階は入って左側が神棚


正面


右側には絵画が掛けられています。


馬の絵は墨で書かれていました。


江戸時代後期の画家「谷文晁(たにぶんちょう)」の作品とのこと。


吉原がお店から近いので、「吉原今昔図」も飾られていました。


全ての席に、コンロがセットされています。


掘りごたつのように足が伸ばせる机になっていました。


メニュー表を開いてみます。


桜なべの説明が2ページにわたり書かれていました。


夜のアラカルトメニューはちょっと高いので、土日のみ提供している、ランチメニューを注文してみます。


今回は桜なべ・タルタルステーキ・馬刺しなど、桜肉料理を一通り楽しめる中江昼膳(税込1780円)を注文。


待つこと5分としないうちに中江昼膳が到着。ごはん・卵・味噌汁が付きますが、カロリーは全部で519kcalと非常にヘルシー。


すぐさま桜なべに火が付けられました。


桜なべはわりした・ロースの馬肉


焼き豆腐・しらたき・お麩・ねぎ


馬肉の脂身も載っていました。


馬肉はやや赤身が残っていますが、桜なべのロース肉は、赤身が残った状態で食べても問題ナシとのことです。


わりしたは甘味が抑えられたやや辛口の作りになっており、牛肉とまぐろ肉を掛け合わせたような馬肉の味によく合います。煮込むことにより、馬肉はかなり固くなってしまうので、そこまで火を通さずに、半生で食べるのがベストです。


もちろんごはんとの相性も抜群。途中で味を変えるために、馬刺しに付いているしょうがを付けてもいいかも。


馬の脂身は、口の中でねっとりとろけます。鯨の脂身に味は近いかもしれません。


備え付けの卵を溶いて……


すきやき風にして食べてもOK。


ねぎは煮込むことにより、素材本来の甘味が引き出され、やや辛めのわりしたに良く合っています。


お麩は短時間でもしっかりわりしたが染みこみます。そのまま食べると味が濃いので、卵に浸して食べるのがオススメ。


ぶなしめじは、わりしたで煮込んでもしっかり素材の味が残っていました。


しらたきはツルツルとした食感。しばらく煮込むと熱いので、卵に浸すのが良さそう。


しばらくするとわりしたが煮詰まってきました。鍋が焦げ付いてしまうので、火を消します。ここに残った溶き卵を入れ、あとご飯にして食べるのもお店のオススメです。


焼き豆腐は短い煮込み時間ながら、しっかりわりしたの味が豆腐に染みこみグッド。卵とも相性抜群です。


小鉢は左からかぶの葉の漬け物・馬刺し・タルタルステーキ。


タルタルステーキは、画家の岡本太郎がフランスで食べた一品を、中江の3代目の店長に頼んで作った一品。


うずらのたまごをかき混ぜ、ユッケ風にして食べます。


数年前に焼き肉店で食べられた牛肉のユッケの味付けのように甘味は強くなく、ごま油・しょうゆ・卵が味付けのメインで、馬の生肉に良く合っています。牛肉のユッケの味にかなり近いので、ユッケが好きな人にはかなりオススメです。


もちろんごはんとの相性は抜群。お店にはタルタルステーキをつまみに、お昼からお酒を飲んでいる人もいました。


キレイな赤色をした馬刺しは、北海道で生まれ、九州久留米の「このみ牧場」で育てられた馬肉を使用。馬刺しだけでなく、桜なべの肉にも刺身で使えるような新鮮なものを使用しているとのことです。


しょうゆを垂らしてしょうがじょうゆで食べてみます。


旨味がしっかりとあり、マグロのお刺身と牛肉の中間のような味。牛肉のような甘味も持っており、しょうがじょうゆにも良くあっていますが、あまり付けすぎてしまうと素材の味を殺してしまうので、少しだけ付けるのがオススメです。


馬肉というと、居酒屋に置いていることは多いのですが、専門のお店は馬肉を良く食べる習慣のある熊本県などを除いて、あまり多くはありません。素材にこだわった馬料理が様々な形で食べられるので、馬料理が好きな人に「桜なべ中江」はオススメです。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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