試食

かつてブームとなった和歌山ラーメンのお店の数々を和歌山で実際に食べまくってきました


和歌山県は13世紀頃からしょうゆを生産していた記録も残っており、しょうゆ発祥の地という説もあります。そんなしょうゆ処である和歌山はしょうゆを使ったラーメンも有名で、1990年代後半に和歌山ラーメンは大ブームを起こしました。今では長い行列ができるようなことはないものの、和歌山ラーメンの現在がどのような状況になっているか気になったので、かつてブームを起こしたお店へ食べに行ってきました。

和歌山市観光協会 公式HP|食べる:和歌山中華そば・ラーメン
http://www.wakayamakanko.com/gurmet/grumet1.html

和歌山ラーメンというと豚骨醤油ラーメンが有名ですが、白濁していないしょうゆベースのラーメンも存在し、多くのラーメン店がしのぎを削っています。ということで、白濁しているスープのお店では「井出商店」「山為食堂」「丸三」の3店、澄んだスープのお店では「○木」「かわせ」という2つのお店に行ってきました。

まずはブームを巻き起こした「井出商店」から。JR和歌山駅から徒歩10分ほどの場所にあるこのお店は、ブームを起こしていた時は長い行列ができ、観光名所化していましたが、夕暮れ時にお店に行ったところ特に行列はできていませんでした。


狭い店内には、有名人のサインがずらりと貼られていました。中華そば(税込600円)を注文します。


ラーメンの量がやや少なめなので、テーブルに置いてある早すし(税込100円)を食べてラーメンを待つのが和歌山流とのことで、食べてみます。お代は会計時に申告するシステム。


軽く発酵した鯖のお寿司で、しょうがなども入ったさっぱりした味。スープのこってりした和歌山ラーメンを食べる際に一緒に食べると、口をさっぱりさせてくれます。


早すしを食べて待っていると、中華そばが到着。しょうゆが溶け込んだ薄茶色のスープに、メンマ・なると・ねぎ・チャーシューが浮いています。


スープはしょうゆ・とんこつの旨味がちょうどよいバランスで融合し、粘度はなくサラサラとしており、口当たりまろやか。スープ自体にやや臭みもありますが、ねぎの香りである程度かき消されています。


麺は細めで、スープとの相性もグッド。


チャーシューは脂身が付いた薄切りのバラ肉。しょうゆもほどよく染みこんでいます。


続いても白濁した豚骨醤油ラーメンを出す「山為食堂」へ。


もともと丼物なども扱う食堂でしたが、現在は麺類に絞った営業をしています。「中華そば」は太麺が標準で、税込800円とやや高めの値段設定。


中華そばは、なるとと厚めに切られたのチャーシューが3枚ずつ載っかっています。


スープは少しザラザラしており、粘度が高めでやや甘味があります。井出商店よりも豚骨の味が強く、しょうゆの味は弱め。


ボディのしっかりしたスープに、モチモチとした太麺が良く合います。


チャーシューは厚切りのものが3枚載っているので、ボリュームがあります。ライスを頼んで一緒に食べるのも良さそう。


続いては「丸三」。このお店は店長が井出商店出身で、地元の人に特に人気とのこと。


車で来店したお客さんがたくさんいました。


中華そば(税込600円)は白濁はしているものの、豚骨よりもしょうゆの色の方が濃いようです。


スープのとんこつ味は強くはなく、ややライト。しょうゆの味や香りも弱く、胡椒も標準で載っており、これはちょっと好みが分かれそう。


麺は中太といったところで、スープとの絡みも悪くはありません。


チャーシューは脂身が付いており、とろりとした食感がグッド。


続いてはスープの澄んだラーメンを提供するお店へ向かいます。「○木」は夜のみの営業で、和歌浦港や御手洗公園の近くにあります。


先ほどまでの濁ったスープとは違い、中華そば(税込600円)のスープは澄んだ色をしています。


スープはしょうゆがベースで、濃いめのスープにしょうゆと魚介の風味が香ります。表面に浮く油がコッテリ感を演出。


麺はやや固めの低加水麺。スープに良く絡みグッド。


チャーシューはもも肉が使われており、あっさりした味付けでした。


固く太い低加水麺に定評がある「かわせ」は、店内で写真撮影が禁止のため撮影を断念。しかし、お持ち帰りのラーメン(税込600円+容器代税込300円)を売っていたので、買って作ってみることにしました。丸三や○木など、一部のお店ではお持ち帰りの対応も行っています。


かわせのお持ち帰りラーメンは、スープがプラスチックのボトルに入れられ、豚肉・刻み青ねぎ・麺が入っていました。


作り方の書いてある紙も同封。


まずは丼と鍋二つを用意。


豚肉は沸騰後ではなく、火をかける時にスープに入れます。火を入れ、豚肉の色が変わるまで熱します。


麺は茹でる1~2時間前に、常温に戻しておきます。


お湯に投入して……


麺を少し茹でて、浮いてきたら麺を上げます。やや太いので、4~5分の茹で時間が必要に思えますが、実際に麺を茹でるのにかかった時間は2分以下でした。


お湯を切って……


スープを注ぎ……


青ねぎをのせたら完成。


麺はかみ切れないということはないものの、かなり固さがあり、博多ラーメンでいう「バリカタ」くらいの固さ。麺が太く、ポキポキした食感はオリジナリティがあります。


ほんのり魚介が香り、ちょっと肉うどんのようなスープの味。しょうゆの味もしっかり感じられます。


豚バラは肉うどんで食べるような味ですが、結構量があり、食べ応えがあります。


ブームが去り、今では本格的な和歌山ラーメンを県外で食ベられるお店は少なくなったものの、和歌山市内では多くのラーメン店が存在しています。以前のようにお店に何時間も並ぶことはなく、ご当地でしか食べられないラーメンもあるので、観光ついでにオススメです。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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