メモ

NSAは1日で全世界50億台の携帯電話の現在地を追跡していることが判明


元CIAの職員であるエドワード・スノーデン氏のリークにより、アメリカ国家安全保障局(NSA)の実行していたスパイ行為が明らかになっていますが、ワシントン・ポストによるとNSAは1日に約50億台の携帯電話の位置情報を集め、それらの位置を追跡しているとのことです。

NSA tracking cellphone locations worldwide, Snowden documents show - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/nsa-tracking-cellphone-locations-worldwide-snowden-documents-show/2013/12/04/5492873a-5cf2-11e3-bc56-c6ca94801fac_story.html

How the NSA is tracking people right now - The Washington Post
http://apps.washingtonpost.com/g/page/national/how-the-nsa-is-tracking-people-right-now/634/

NSAが運用している、収集した位置情報をもとに特定の人物を監視するツールは、設計上はアメリカ人の位置情報の収集を行わないことになっています。しかし、このツールはターゲットを追跡しながらターゲットの仲間を見つけるという能力も有しており、その「仲間捜し」の際にアメリカ人の携帯電話の位置情報を「偶発的に」取得するということもあるようです。これは「予測可能ではあるが、故意に行われるものではない」とのこと。


NSAから発言の許可を得ているという匿名の上級マネージャーは、NSAが世界中のモバイルネットワークに接続して膨大な位置情報を取得していることを認め、世界中というからにはアメリカの携帯電話網も含まれており、携帯電話を持って海外に出かける年間1000万人以上のアメリカ人の情報も取得されていると語りました。位置情報を集めて分析するプログラムについて、政府はあくまで海外にいる目標(危険人物)についての情報を集めるための合法的なものだという姿勢を取っています。


携帯端末でネットワークに接続する際には、「どこのどの端末であるか」をネットワークに送信します。この送信される情報の中には、電波塔からの距離を基にした携帯端末のおおよその位置情報が含まれているので、これを収集することでNSAは携帯端末がどの国のどの町にいるのかといった情報を得られるわけです。


例えばアメリカならばモバイルネットワークのカバーエリアは約80%ほどで、どこにいても大体の位置が把握可能になります。


また、多くの携帯端末に搭載されているWi-Fi機能でホットスポットに接続した形跡をたどれば、より詳細な位置情報を得られます。ただし、これは世界中のホットスポットの位置情報が保存されている巨大なデータベースがあるから可能な方法です。さらに詳しい位置情報を得る際はGPS情報を基にします。GPS情報があれば対象の半径100メートル以内の特定が可能になる、とのこと。


NSAは、「まだ悪事を働いていないが何かを起こしそうな人物」も情報収集のターゲットとします。


さらに、NSAは「Co-Travelers」と呼ばれる、「ターゲットの仲間かもしれないし、ただの旅行者かもしれない」という未確定な人物を識別する精巧な分析テクニックも使用しています。下記画像でいうと、赤丸がターゲット、緑丸がCo-Travelers。


「Co-Travelers」を特定するためには、情報収集のターゲットである人物が持つ携帯端末の周辺にある携帯端末のタイムスタンプ付き位置情報も収集することになります。例えば下のイメージの赤い点がターゲットならば……


ターゲットが複数のエリアを移動すれば、長時間ターゲットの近辺を移動する人物は少なくなっていきます。


こうして長時間ターゲットの近くにいた携帯端末の所有者は「Co-Travelers」とみなされるわけです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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