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自動運転カーは年間43兆円のコストと90%のけが人を減らせると試算される


次世代の技術として、全自動で運転できる「セルフドライビングカー」の開発が世界中の自動車メーカーで進められています。自動車メーカーだけでなくGoogleなどのIT企業も開発競争に加わり、便利な世の中がすぐそこまでせまっていますが、セルフドライビングカーによって、交通事故に巻き込まれる人が90%減らせ、アメリカだけでも経済的に約43兆円もの巨額のコスト削減ができるという試算が出されています。

【PDF】AV-paper.pdf(5.5MB)
https://www.enotrans.org/wp-content/uploads/wpsc/downloadables/AV-paper.pdf

Self-driving cars could save $450bn a year and 90% injuries says thinktank - SlashGear
http://www.slashgear.com/self-driving-cars-could-save-450bn-a-year-and-90-injuries-says-thinktank-24302898/

アメリカの独立系シンクタンク「Enoセンター」は、ドライバーがハンドルを握ることなくドライブ可能な自動運転カー(セルフドライビングカー)が普及することで、交通事故や路上での死傷者が90%削減し、アメリカ経済に毎年4500億ドル(約43兆円)もの経済的コスト削減が実現できるというリポートを発表しました。

Enoセンターは、現在路上で起こる交通事故の93%が主として人間の運転ミスによって引き起こされることから、運転者がハンドルを握らなくなれば多くの命が救われると主張しています。アメリカでの重大な衝突事故のうちその40%以上が、飲酒運転やドラッグ、疲労などに帰因する注意不足など人間のミスによって引き起こされているのに対して、セルフドライビングカーにはその心配は一切なし。さらにその他の事故の原因である、脇見運転、無謀な運転、スピードの出し過ぎなどの人的要因も、道路交通ルールを犯さないようにプログラムされたセルフドライビングカーには関係ありません。


さらに、セルフドライビングカーは人間よりも反応速度が速いことから、交通の流れをよりスムーズにし、燃費が改善され、排出ガスも大幅に削減できるなど、セルフドライビングカーのもたらすメリットが挙げられています。


Enoセンターの計算によると、セルフドライビングカーが自動車全体の10%まで普及すると交通事故と負傷者を50%減らすことができ、セルフドライビングカーが全体の90%を占めるようになれば90%の事故をなくせるということです。また、セルフドライビングカーが10%普及すれば250億ドル(約2兆4000億円)の経済的利得が発生し、ほぼ完全にセルフドライビングカーが採用されれば4500億ドル(約43兆円)のコスト削減が実現できるとしています。


さらに、セルフドライビングカーが普及することで、一家・一世帯に一台の自動車から、約9人から13人・複数世帯でのシェアというふうに、自動車の所有形態も変化することが期待され、駐車スペース不足の問題も解消されるという予想もあります。セルフドライビングカーの開発を進める日産自動車の研究開発チーフエンジニアは、「セルフドライビングカーは、運転経験の浅い若いドライバーや、老齢ドライバー、免許のない人たちにとって、まさに"オンデマンドのタクシー"となり得ます。セルフドライビングカーは、スマートフォンから命令を出すことが可能です」と話します。ただ、オンデマンドタクシーが普及するにつれ、タクシーやトラックのドライバーが経済社会から追い出される可能性があり、また、人々がセルフドライビングカーを足代わりに利用するようになると、健康への悪影響があるとも指摘されています。


もっとも、このようなセルフドライビングカー社会への大転換のために残された技術的、立法的問題は山積みされています。依然として開発途上であるセルフドライビングカーには安全性への不安がつきまとい、価格はまだまだ高く入手性はよくありません。また、セルフドライビングカーの規制は州ごとに異なっており、共通立法の整備は紛糾することが予想されます。さらに、セルフドライビングカーによる事故が発生した場合、誰がその責任を負うのかも明らかでなく保険制度も未整備です。


しかし、この新しい乗り物がもたらす事故の削減、渋滞の解消、省エネルギー化、排ガスによる環境負荷の軽減などのメリットは、世界中の自動車をとりまく状況を劇的に変え得る潜在的な可能性を考えれば、多くの障害要素は、遅かれ早かれ克服されると見込まれています。

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