メモ

スタートアップ企業が顧客をゲットするためにするべきこと

By Nicolas Hoizey

新規事業を軌道に乗せるのは非常に難しいことであり、安定的に顧客を確保するまでに終わってしまうビジネスは思いの外に多いものです。次の提言は、Fireflyという会社を経営するダン・シッパーさんによる、B2Bアプリを開発する企業が安定的に顧客をゲットするためにはスタートアップ時にいかなる行動をとるべきかについてのアドバイスです。

How to get your first 10 customers « Dan Shipper – Distilled Thinking
http://danshipper.com/nothing-happens-until-the-sale-is-made

・3つの無知
B2Bアプリのビジネスを開始した人には、最初の数人の顧客を獲得するために解決しておくべき3つの「無知」があります。それは、
1:どのように商品を売ればいいのかを知らないこと
2:誰に商品を売ればいいのか知らないこと
3:売っているモノが何なのか、商品のことを実際分かっていないこと
です。

「誰もこの答えを教えてくれないので、ほとんどの人は無計画なまま、早々と顧客を探しに行ってしまいます」とダン氏は指摘しています。ここでダン氏が言っている無計画な人たちがやる「顧客探し」というのは、中途半端な広告を出したり、フォーラムにちょっとした書き込みをしたり、ブログに少しの投稿をしたり、ジャーナリストに無味乾燥なメールを送るといったもの。当然ながら結果は出ませんが、それに対して彼らは「自分の商品が未熟だから、誰も求めていないのだ」と結論づけてしまいます。こういう考えや方法を持って顧客獲得をしようと考えているのなら、うまくいかない理由を真に理解することは難しいだろう、とダン氏は述べています。

By Almond Dhukka

・商品を「真っ黒なカバン」に詰めてはいけない
上述のような「商品が未熟なせい」という結論は大きな間違いで、本来、スタートアップ時に必要なことは、自分が「何を売っているのか」を理解することです。多くの人は、「自分は何を売っているのか」「どこに価値があるのか」「誰が欲しがるのか」を知っていると勘違いしていますが、それは単なる妄想に過ぎません。

スタートアップ時にやるべきことは、自分の商品の価値はどこにあるのか、誰にとって価値があるのか、どうしてその人にとって価値があると言えるのかを自らに問いかけることです。何かをするときに、自分が何をしようとしているのかを明らかにするように、何かを売ろうとするのであれば、自分が何を売ろうとするのかを理解している必要があります。しかし、それを理解せずに商品を売り始めるということは、何が入っているかわからない真っ黒なカバンに商品を詰め込んで駆け出すのも同然です。カバンに手を突っ込めば何かの感触はありますが、それが何なのか正確に把握することはできません。

By hobvias sudoneighm

しかし、大半の人にはそんな心構えはありません。商品には何らかの価値がある、自分はその価値を知っていると思い込んで、売り込みにひた走ります。そして相手がみな商品に無関心であることを知り「モノがダメなのだ」と結論づけるのです。

このようなスタートアップ時に陥りがちな失敗をふまえて、ダンさんは、次のような行動が大切だとします。

◆1:正直であること
人は自分を守るためにしばしばウソをつきます。突きつけられた困難に立ち向かうためには必要なウソだと教えられた人もいるかもしれません。しかし、この世には決してウソをついてはいけない人が2人いて、その1人はロケットエンジニアであり、もう1人は起業家です。起業家が自分にウソをついているなら、会社は開業前に倒産しているようなものです。

「この製品が何かを知っているか?」「誰が欲しがっているのか知っているか?」「どのように売ればいいか知っているか?」……もし知らないのに知っていると言い張るならば、プロジェクトが失敗に終わるのは目に見えており、その失敗はすなわち起業家自身の失敗に他なりません。

◆2:知らないことを認めること
知らないことを認め、それを探す必要性に気づくことは、正しい方向に向かうための最初のステップです。もしも事業を始めたばかりなら、商品の価値がどこにあるのかさっぱり分かっていないことを認識することはとても重要です。あなたがビジョンと勘違いしている仮想を相手に押しつけるのではなく、本当に商品に価値があるのかどうか、もし価値があるならだれにとっての価値であるのかを、真摯に探し出すことを目標に定めるべきです。

◆3:人とコンタクトをとること
ほとんどの人が最初にする、広告枠購入、ブログ・フォーラムなどへの投稿、メールの送信などはすべてコンピューターを相手にする作業です。しかし、スタートアップ時に何が必要か理解するためには、人と会話することが大切です。これは電話でもOKで、話す相手の数は多ければ多いほど良いのです。この助言は余りにもこれまで頻繁に繰り返されてきたので、すっかり聞き飽きているかもしれません。しかし、実際のところ、ほとんどのブログで「顧客の話を聞きます」と書かれているものの、顧客と会話している例は見かけません。

By Popupology

◆4:予想を明確にしターゲットに接触すること
外に出かけ人と話す前に、誰と話すべきかということを明確にする必要があります。それには、
1:ターゲットについての仮説を立てる
2:請求額に見合う会社を探す
3:会社の誰がこの商品を欲しがるかを考える
4:メールを送り接触する
5:これらのプロセスをより洗練させつつ繰り返す
ことが大切です。

ターゲットが定まりメールで接触する場合、sales@~やteam@~などのアドレスに送信するのは得策ではありません。ほとんど無視されるのが関の山です。ターゲットが定まったなら、その人のメールアドレスをゲットしなければなりません。これはある種の発掘作業です。例えば、xyzcompanyのBob Smithさんがターゲットならばbob.smith@xyzcompany.com、bsmith@xyzcompany.com、bob@xyzcompany.comなどに当たりをつけてメールをするのも手です。また、企業が用意しているプレスページにアクセスして、会社のメールアドレスフォーマットを推測することも有効です。最終手段として、電話してメールを転送してもらうのもアリです。

◆5:特権を有効に活用すること
何かしらの"特権"を持つならば、それを存分に活用しましょう。たとえば学生であることは大きなアドバンテージです。学生と話すのを嫌う人は少ないもので、中には積極的に手を貸してくれる人もいます。学生であるならばメールで「アドバイスをください」という一文を入れるのが有効です。

By Universiteitskrant Univers

これは学生だけに有効な方法というわけではなく、無味乾燥で心のこもっていないセールスメールを送るよりも精神的ハードルが低く、なおかつ効果的な手法だと言えます。誰かにアドバイスを求める場合にも、自分自身は商品について、商品の市場について、どのように売ればいいのかについて無知であり学んでいる最中であるということを常に心に留めておくことが肝要です。

◆6:口を慎み意見を聞くこと
セールスコールをかけるとき、黙って相手の話を聞くことは非常に重要です。多くの人は、製品についてだらだら話す傾向にありますが、これは絶対にやめるべきです。電話営業が成功するときには予想以上にしゃべることは少ないものです。「御社の抱える問題はなんですか?」「ソフトを買う頻度は?」「他に使っているソフトは何ですか?」「どんな種類のタスクを繰り返し行いますか?」と、聞きたいことは山ほどありますが、ここは口をつぐみ、相手の話を聞くことが大切です。

By Deni

◆7:関係を継続すること
ありがちな最大の失敗は、商品に関心のある人に次のステップを明確にさせることなく電話を切らせてしまうことです。約束をとりつけないならば、忙しい人はあなたの話を覚えていてはくれないでしょう。「なるほど。そうすると、この次はいつお話をお伺いしましょうか?」と大いに尋ねるべきです。

・売ることで見えてくるモノ
以上のような、大切な行動指針を提言するダンさんですが、スタートアップ時に顧客をつかむ上で最も大切な行動は「商品を実際に売ること」だと言っています。

先ほど、自分が何を売っているのかを知らない状態でモノを売る行為を、のぞくことができない黒いバッグに入った何かを売る行為に例えましたが、この黒いベールは、商品を売るときにほんの少しだけ取り除くことができます。売るときだけ商品のほんの一部分が見えるようになるのです。そのわずかに見えたものを書きとどめじっくりと考えるべきです。そうしないと、見えた何かはすぐに見失ってしまいます。

By Graham Blackall

商品を売れば売るほどその商品がどんなものか理解することができます。だいたい1年くらい売り続けることで、だんだんと商品がどんなものか理解し始めるのです。商品がどんなものかを理解することは、ジャーナリストにメールしたり、フォーラムに書き込むことでは絶対に実現不可能です。販売現場は、商品の価値を見いだし始める場所であり、どのように売るべきかを学び始める場所であり、何を売っているのかを理解し始める場所なのです。ダンさんは、商品を真に理解したとき、あなたは多くの顧客を手に入れているはずだと語っています。

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