メモ

トム・クランシーにより予見された4つの出来事

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アメリカの人気作家であるトム・クランシー氏が10月1日、メリーランド州ボルティモアの病院で死去しました。享年66。彼は「レッド・オクトーバーを追え」のような超大作映画化した戦争サスペンス小説を執筆したり、レインボー・シックスのようにゲームのフランチャイズを形成したりして活躍したベストセラー作家の1人。そんなクランシー氏の長年のファンたちは、彼の作品は将来を予見しているかのように、正確かつ巧妙に作品のプロットが練られていると指摘します。彼が将来を予言したかのように、小説内に書かれ、現実でも似たような出来事が起きた例をTIME.comが紹介しています。

4 Real Life Events Predicted by Tom Clancy | TIME.com
http://nation.time.com/2013/10/02/4-real-life-events-predicted-by-tom-clancy/

◆1:9・11テロ
著書の1つである「日米開戦」は、アメリカと日本との間で生じる経済論争が軍事衝突にまで発展する、というシナリオのもの。彼の小説の中の主人公であるジャック・ライアンは日本側の陰謀を解き明かし戦争状態を終結させますが、この戦争の中で息子と兄弟を亡くして悲しみに暮れた日本人パイロットが、ボーイング747をハイジャックし、アメリカの議会議事堂に突入します。

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この描写が2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロの旅客機自爆テロに類似している、というのは言うまでもないことかもしれません。なお、この「日米開戦」が出版されたのは1994年、テロが発生する7年も前のことでした。

◆2:南オセチア紛争(ロシア-グルジア戦争)
クランシー氏監修のゲームシリーズ「ゴーストリコン」は2001年に販売開始されたもので、ゲームのストーリーはグルジア反体制派勢力とソ連の復活を目指す権力者たちの対立から始まります。

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この地域について研究している人たちならば、グルジアとロシアの間の緊迫した対立が軍事衝突にまで発展するだろうと、予言できたかもしれません。しかし奇妙なことに、ゲームの中の紛争が始まるのは2008年4月なのに対して、実際の南オセチア紛争は2008年の8月に始まっており、その差はたったの4か月と、あたかもその時期に紛争が起きることを予言したかのようなニアピン具合です。

◆3:オサマ・ビンラディンの捕縛
9・11テロの首謀者とみなされていたオサマ・ビンラディン氏は、アフガニスタン南西の国境地帯にある洞窟のどこかに潜んでいると考えられていました。しかし、実際にはそのような窮屈な場所ではなく、パキスタンのアボッタバードにある豪邸で悠々と潜伏していました。

By Kempton

クランシー氏の「デッド・オア・アライブ」という小説の中では、「アミール」と呼ばれるテロの首謀者を捕縛します。このアミールはアメリカの諜報機関から身を隠しながらテロ行為を画策しているのですが、そのアミールの潜伏先も南アジアの奥地ではなく、カジノで有名なギャンブルの街ラスベガスでした。また、このデッド・オア・アライブシリーズの最終刊が出版されたのは、実際にビンラディン氏捕縛のためにアボッタバードの住宅への突入が行われた数ヶ月前、と内容・発売時期ともに絶妙なタイミングだった模様。

◆4:統合特殊作戦コマンド
1989年に出版された「いま、そこにある危機」は、アメリカ政府が増え続ける南アメリカの麻薬貿易を鎮めようとするストーリーで、CIAが南アメリカの麻薬カルテル間のやりとりを傍受するために、携帯電話の通話を傍受し、麻薬カルテルの活動を鎮めるために議会の承認なしで隠密の軍事行動を始めてしまう、というもの。

By Sparky

これは、9・11テロ以降テロ抑止のために政府がNSA統合特殊作戦コマンドの様な組織を、電話盗聴や秘密軍事作戦を行う目的で使用している、ということをエドワード・スノーデン氏のリークにより知った現在では、あたかもこれを予言していたように思えてしまいます。

クランシー氏の広い知見と豊かな想像力がこれらの予見の基になっていたのかもしれません。

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in メモ, Posted by logu_ii

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