サイエンス

NASAが火星の土から水分を検出、将来は火星で水が手に入る可能性も


米航空宇宙局(NASA)の無人探査車「キュリオシティー」が火星の地表面の土から水分を検出しました。これにより、将来の火星有人探査の際に水分を得られる可能性あるとのことです。

【PDF】Volatile, Isotope, and Organic Analysis of Martian Fines with the Mars Curiosity Rover
http://www.michaeleisen.org/docs/Science-2013-Leshin-.pdf

BBC News - Mars water surprise in Curiosity rover soil samples
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-24287207

NASAの火星探査ミッションで用いられる無人探査車「Curiosity(キュリオシティー)」が火星地表面の土を採取・分析したところ、比較的多くの水成分を含んでいることを発見しました。この研究成果は、27日付の米国科学誌サイエンスで発表されています

キュリオシティーが装備するピックアップツールで地表面の土をくみ上げふるいにかけ粒子の細かい土を選別した後に、「Sample Analysis at Mars instrument(通称SAM)」と呼ばれる蒸気分析機で解析したところ、重量比にして約2%の水分が含まれているという結果を得ました。

こちらがSAMの外観図。採取したサンプルは加熱され気化(蒸発)した気体から成分を分析します。


グラフAが、気体に含まれる主要な4成分の質量分析結果。


火星から水分を採取できたことは、将来の有人探査の際に現地で水を手に入れられる可能性があることを示すもので、宇宙探査を大きく前進させる成果と言えます。

ただし、土からは重量比にして0.5%の過塩素酸塩も検出されており、同成分は甲状腺機能を阻害する有毒なものであることから、レンセラー工芸学校学会のLaurie Leshin博士は「火星での水分補給実現に向けてこれら有害成分の除去が今後の課題となり、研究が進められるでしょう」と語ります。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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