メモ

子どもに「忘れられる権利」を与える新法がカリフォルニアで施行される予定

By Terrance Heath

インターネットでは情報が世界中に拡散するため、一度広がった情報をすべて残らず削除することは事実上不可能と言えます。このため、FacebookやTwitterに投稿した"若気のいたり"は一生その人につきまとい、ときに人生を大きく変えてしまう危険さえあります。この問題を解決するために近年提唱されているのが「忘れられる権利」ですが、カリフォルニアの子どもたちは、近い将来この権利を手に入れられることになりそうです。

Bill Text - SB-568 Privacy: Internet: minors.
http://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=201320140SB568

Governor Signs Steinberg Bill Protecting Minors’ Privacy on the Internet | Senate President pro Tem Darrell Steinberg
http://sd06.senate.ca.gov/news/2013-09-23-governor-signs-steinberg-bill-protecting-minors-privacy-internet

Soon, California kids will have the right to delete things they said online | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2013/09/soon-california-kids-will-have-the-right-to-delete-things-they-said-online/

カリフォルニア州臨時上院議長のダレル・スタインバーグ氏が提出していた、「『ネットへアップロードした内容を削除する権利』を18歳未満の子どもたちに与えること」をウェブ関連企業やアプリの開発者に対して義務づける法案(Senate Bill No.568/SB568)について、ジェリー・ブラウン州知事が署名を行い、2015年1月1日から施行されることがほぼ決定しました。SB568の内容は「ウェブサービス提供者は、サービスの登録ユーザーである未成年者に対して、投稿した情報をどのような方法で削除できるか、または(サービス提供者側が望むなら)どのようにサービス提供者に削除依頼を伝えればいいのかを、ウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリ、モバイルアプリ上に、はっきりと明記しなければならない」というもの。

スタインバーグ議長は同法について「インターネットに何年にもわたって存在し続ける"お馬鹿な発言"を除去する権利を与えるものであり、結果についてあまり考えずに無分別なメッセージを投稿しがちな子どもたちに保護を与える草分け的な法律になるでしょう」と胸を張ります。

By Mrs TeePot

しかし、同法の文言には逃げ口上が与えられていると指摘する法律専門家もいます。"馬鹿発言削除権"は、デジタル世界でのプライバシー権に関する法律の規定の一部で、対象は「未成年者(アメリカでは18歳未満の者)向けのサイト」とされていますが、「未成年者向けのサイト」がどのようなサイトを指すのか明確ではありません。あらゆる年齢層に開かれたFacebookやTwitterははたして未成年者向けのサイトなのかどうかは不明であり、これらのサービスがこの法律のコンプライアンスに縛られるのかについては明らかでありません。

また、民主主義・テクノロジーセンターのエマ・ランゾ弁護士は「SB568が崇高な理念の元に設計されたことは理解するとしても、未成年者向けサイトに焦点を当てる同法が、義務づけの対象を18歳以上の若者に人気のサイトにも拡大する余地を残していることを懸念せざるを得ません。このような不明確な法律によって、ウェブサービス提供者が若者に向けたコンテンツやサービスの提供を躊躇するのではないかと危惧しています」と述べました。

また、インターネットからすべてのデータを削除することは実際には困難であるという技術的問題ゆえに、同法によって未成年者がどれだけ保護されるのかは明らかでないという指摘もあります。この指摘に対して、サムフォード大学法学部のウッドロー・ハートログ教授は「新法は完璧ではないにせよ、ないよりはある方がましです。問題のある投稿を削除できない例外的な場合がたくさんあるとしても、そのことから直ちにこの法律が失敗であるとは決めつけられません。未成年者を保護するためにはインターネットから一片の情報も残らず取り除く必要はなく、最も目に付くポピュラーな情報だけを削除すれば事足ります。むしろ、人気がなく世間から忘れ去られたサイトにある情報によって、内容の不正確さが理解されることもあるでしょう」と語ります。

By Shavar Ross.com

まだ1年以上先の話ですが、SB568がどのように運用され、どういった成果を上げるのか、注目です。

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