乗り物

キャンピングカーで「車上生活」を送る人々とそのライフスタイルとは?


アメリカでは中古のスクールバスを買って旅に出る青年がいましたが、まるでその上を行くように、クルマを住居に改造してしまい、生活の場を移してしまった人がいます。その「住居」とは、そしてそのライフスタイルはいったいどのようなものなのでしょうか。

The 2012 RV Tour - Tynan
http://tynan.com/rv2012


キャンピングカーの1996年式ウィネベーゴ・リアルタに手を入れ、家と呼べるレベルにまで改造してしまったのは、サンフランシスコ在住のTynan Smith(タイナン・スミス)さん。ブログプラットフォーム「SETT」を運営する企業の設立者です。


現在32歳のTynanさんは2006年からキャンピングカーでの生活を始め、このリアルタが2台目の「住居」となっています。天井には太陽光発電装置が装備され、星条旗も誇らしげ。


狭いながらも、ちょっとしたビジネスホテルレベルの内装です。


床は、メイプル材を使って貼り直しました。


天井は、The American Tin Ceiling Co.で特別に作ってもらったという、金メッキのブリキ製。


窓のブラインドは透過調整式になっています。下の画像は少し光を通す状態ですが、下部のハンドルを持ち上げると……


遮光タイプに変わります。


ベッドスペースの反対側には、仕事スペースとキッチンが備え付けられています。


テーブルは、ゼブラウッド製の手作り品だそうです。


仕事スペースの照明は、Overstock.comで買ったランプシェードに自動車用の12ボルト電球を組み合わせた自作品。


テーブル下のカーペットは、100年以上前のペルシャ絨毯。


キッチンスペースには、花こう岩を使ったテーブルトップ。


プロパンのガスコンロが2口備えられています。


Tynanさんは日本茶がお好きなようで、このように畳の上でお茶をたしなむこともあります。


コンロの上はスパイスラックになっています。


スパイスケースの底面にはマグネットがついており、ブリキの天井にくっつくようになっています。


左の壁面には、キッチンツールをまとめてくっつけるマグネットバーを装備。急ブレーキを踏んでも大惨事になることはなさそうです。


車内天井からはLEDプロジェクターがつり下げられており……


布製のスクリーンを張ると……


ホームシアターに早変わり。


Tynanさんは1万7000ドル(約169万円)で中古のキャンピングカーを購入し、時間をかけて改造したとのことです。電源は基本的にソーラーシステムから供給していますが、場合によっては電気を購入することもあるそうです。毎日ジムに通ってシャワーを浴び、洗濯物を持って帰ってから、自宅となるキャンピングカーの中でプログラミングの仕事を開始します。

Tynanさんはこのようなキャンピングカーでの生活を「効率的だし、『何が大事なものなのか』を教えてくれる」とSFGateで語っています。

These young SF professionals choose to live in RVs - SFGate
http://www.sfgate.com/bayarea/article/These-young-SF-professionals-choose-to-live-in-RVs-4778625.php

アメリカ・サンフランシスコ周辺では、家賃の高騰と空室率の低さから、通常の住宅を捨てて自動車に住み家を移す人が増加しています。法的には問題も残ってはいますが、協力的な人のおかげでこのようなライフスタイルを送ることができています。


カリフォルニア大学バークレー校の博士課程を学んでいるGrace Zamora(グレース・ザモーラ)さんも、自動車での生活を始めました。Graceさんは度重なる家賃の高騰に悩まされ、そのつど学校から遠く離れた場所への引っ越しを強いられてきたことから、自動車での生活を始めました。彼女はその生活について「生活することにとても誠実になってくるし、ある種の『冒険』のような感覚を得ることができるわ」と語っています。「自分の存在を感じることができて、とてもプロダクティブな気持ちになれる。なんていうか、自分が『優れたもの』になったような気持ちになれるの」

「SETT」の共同設立者であるTodd Iceton(トッド・アイストン)さんも、かつて同じような生活を選びました。SETTがメールマーケティング界の巨人であるConstant Contact社により買収されて利益を得たToddさんですが、自分の意志で車上生活を送ることに決めました。

緑のTシャツ姿がToddさん


Toddさんはアウディを「住居」に定めてホームレスが集まるBuena Vista Park地区やMission地区などで生活を送り、なぜかシャワーは高級スパチェーンの「Burke Williams Day Spa」に行っていたといいます。

しかし、いまではカリフォルニアのヘイズ・ヴァレー地区でマンション暮らしをしているとのこと。「車上生活は気に入っていたんだが、しばらく続けてみたら『変わったヤツ』も歳をとったということだね!」

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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