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アニメーションと図でいろいろな歯車や機構の動く仕組みが見てわかる「507 Mechanical Movements」


世の中にはさまざまな機械があふれていて、その仕組みを意識することはあまりないと思いますが、そんな機械のメカニズムをイラストとアニメーションで紹介しているサイトが「507 Mechanical Movements」です。サイトでは507種類のさまざまな機構が紹介されています。

507 Mechanical Movements
http://507movements.com/


サイトの元になったのは1868年に著者Henry T. Brownによって出版された同名の書籍「507 Mechanical Movements」で、イラストや説明文は1908年に出版された「第21版」に掲載されていたものです。出版から100年以上たっても実用的な物から、きわめて実験的としか思えないようなものまでが掲載されています。なかにはHTML5を使ってアニメーション表示されているものもあり、機械好きの人には見ごたえのある内容になっています。

アニメーションはこんな感じ。サイト上では、色のついたサムネイルで表示されています。

507 Mechanical Movements, 24
http://507movements.com/mm_024.html


サイトでは、50ページ以上にわたっていろんな機械たちが紹介されています。




これ以外にも非常に多くのページで紹介されているのですが、機構ごとにある程度のグループ分けがされているので、順を追って読んでいくとより理解がしやすいような構成になっています。

◆ベルトを使った動力の伝達
1:2つのプーリー(滑車)を一本のベルトでつないだもの。両方のプーリーは同じ方向に回転します。


2:ベルトを途中で交差させたもの。交差させることにより、駆動される側のプーリーの回転は逆になります。シンプルですが、改めて教えられると新鮮に感じます。


3:「1」のイラストの中間にガイドプーリーを入れて、ベルトを途中で折り曲げました。これにより、プーリーの回転軸を自由に設定することができるようになります。


5:ベルトの中間に、「テンションプーリー」(下図中B)を入れ、ベルトの張りを調整できるようにしました。ベルトの張りが弱い状態だと動力は伝わりませんが、「テンションプーリー」でベルトに張りを与えると、動力を伝えることができるようになります。


と、このような感じであらゆるメカニズムの解説が行われていきます。

8:プーリーの直径を変えることで、変速が可能に。


9:プーリーをコーン状にしてやると、無段階の変速が可能になります。自動車の「CVT(連続可変トランスミッション)」で使われている機構です。


12:このように、滑車とロープを使って重いものを持ち上げる場合でも……


22:滑車の数を増やしてやることで、より重いものを持ち上げられるようになります。理科の教科書で解説されているものと基本的に同じ仕組み。


24:歯車を使ったギヤ


25:動力を直角に伝える「ベベルギヤ」


30:コレが動くとは信じがたい、四角形のギヤの組み合わせ。印刷機などで使われるようです。


31:ねじと歯車を組み合わせた「ウォームギヤ」


34:ギヤの中にギヤがある構造


38:異形ギヤを使った構造。どのような用途があるのでしょう……。


40:ギヤの歯をV字に加工したもの。音が静かで、大きな力を伝えられる特徴があります。この歯の形は、自動車メーカーシトロエンのロゴのモチーフになったことでも有名。


47:自動車などのクラッチの仕組み。


58:変速機の仕組み。図ではわかりにくいのですが、ベルトが左に移動していくにつれ、だんだんと速度が上がる仕組みになっています。自動車のトランスミッションの原型です。


89:クランクシャフト機構。蒸気機関や自動車のエンジンなどに使われています。


92:蒸気機関車などに使われるクランク・ピストン機構。


113:自動車のステアリングなどに使われる「ラック・アンド・ピニオン」の仕組み。回転の動きを、直線の動きに変える仕組みになっています。


140:レバーを押し下げて材料に穴を開けるような「パンチングマシン」に使われる仕組みです。


144:「マジックハンド」のようなパンタグラフ構造。右側への入力が左側では数倍になって出力される特徴があります。


227:自転車などに使われるチェーンの原型。


242:同じく自転車などに使われるドラムブレーキの仕組みです。


249:ガス管などのジョイント部分などに使われるボールソケットジョイント。


289:ゼンマイ式時計などに使われ、秒針の動きをコントロールする脱進機の仕組み。歯とストッパーが噛み合ったり外れたりを繰り返すことで、秒針の動きが生まれます。


376:馬を動力にする仕組みも紹介されています。


377:人間も動力にしちゃいます。


387:自動調整式の桟橋。潮の満ち引きにあわせて桟橋の角度が変わっても、踏み板の角度が水平に調整されるようになっています。


421:レシプロエンジンの原型。


425:こちらは、ロータリーエンジンの原型です。


437:ウォーターポンプの概念図です。


448:今では使われることも少なくなった井戸ポンプ。


488:船の動力として広く使われる水中プロペラ。


491:船のイカリに使われる巻き上げ機です。土台には、ツメを使ったラチェット式の逆転防止機構が備わっています。


494:石や氷の塊を持ち上げるときに使われる鉄爪の機構。重さを利用して荷物をしっかりと掴むことができます。


このように、機械の仕組みが図とアニメーションで紹介されています。

なお、元になった書籍は今でも書店などで入手することが可能になっています。

Amazon.co.jp: 507 Mechanical Movements: Mechanisms and Devices (Dover Science Books): Henry T. Brown: 洋書

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in メモ,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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