サイエンス

PTSD治療のため愛情ホルモンの研究を米国国防総省の機関DARPAが要請

By Martin Gommel

オキシトシンというホルモンは触れあいやスキンシップで分泌されるホルモンで、信頼する気持ちを高める愛情ホルモンとして知られているのですが、国防高等研究計画局(DARPA)は国家安全保障に役立てるためオキシトシンの測定技術を改良するよう研究者たちに要請しています。

FY13.2 SBIR Solicitation Topics
http://www.dodsbir.net/solicitation/sbir132/darpa132.htm


DARPA wants 'the love hormone' to treat PTSD, master propaganda | The Verge
http://www.theverge.com/2013/4/24/4261260/darpa-wants-the-love-hormone-to-treat-ptsd-master-propaganda


オキシトシンはこれまで繁殖や出産後の母親の愛情において重要な役割を果たすホルモンとして知られてきましたが、近年のさらなる研究によって傷を癒やしたり、ストレスに対抗したり、人と人とのつながりを強めたりする傾向があることがわかりました。DARPAによればこのようなホルモンの特徴は国際紛争によってもたらされるPTSDの治療を含めて、国家安全保障の動きに関連してくるとのこと。

By Xavier Mazellier

人体で分泌されるオキシトシンは極めて少量で、血液から採取するのが非常に困難。また、比較的簡単な唾液や汗からホルモンを採取するテストはオキシトシンでは行えません。そこでよりオキシトシンを理解するためにも人体が分泌する愛情ホルモンの測定方法を改良すべく、今回の要請へと至ったというわけです。

DARPAは特にオキシトシンの生理活性形態をはっきりさせるアプローチを探しており、当局は、「より繊細で明確な分析技術があれば、調整が複雑なオキシトシンの状態をより正確に見ることができるでしょう」と語っています。

By SirLyric

なお、オキシトシンには楽観的な愛情のイメージがあるのも確かなのですが、一方で自民族中心主義の傾向が増す傾向があるという負の側面があるということも分かっています

By james_gordon_losangeles

このプログラムが終了するまでにDARPAは動物あるいは人体によるテストを経てオキシトシンの測定法を発見し、社会とストレスの相互作用におけるオキシトシンレベルのデータも出したいとのこと。そしてPTSDを防ぐためにオキシトシンがどのように役立つか、ということを含め、複数の分野で技術を適用させる予定です。

By thedianna

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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