メモ

Wikipediaに記事内容を削除するよう圧力をかけたら逆に注目を集める結果に

By pernillarydmark

ボランティアの手によるオンライン百科事典Wikipediaで、フランスの国内情報中央局(DCRI)が内容を削除するようWikipediaを運営しているWikimedia財団に圧力をかけていたことが明らかになりました。圧力をかけた理由は「国防上の秘密が掲載されている」というものでしたが、Wikimedia財団では記事内容は公になった情報を集めたものだとして削除を拒否。記事をめぐる顛末によって、皮肉なことに注目を高める結果となりました。

French homeland intelligence threatens a volunteer sysop to delete a Wikipedia Article | Autour de Wikipédia et des projets Wikimedia
http://blog.wikimedia.fr/dcri-threat-a-sysop-to-delete-a-wikipedia-article-5493



La DCRI intimide un administrateur de Wikipédia à cause d'un article
http://www.numerama.com/magazine/25610-la-dcri-intimide-un-administrateur-de-wikipedia-a-cause-d-un-article.html



DCRIが削除させようとしたのはWikipediaフランス語版の「Station hertzienne militaire de Pierre-sur-Haute(ピエール・シュール・オート軍用無線局)」という、フランス中部にある通信施設について書かれている記事。


DCRIの主張は、記事には国防上の秘密が掲載されていて、秘密漏洩は禁固7年と罰金10万ユーロ(約1270万円)、過失でも禁固3年と罰金4万5000ユーロ(約572万円)という罪であるので、削除せよというもの。

しかしWikimedia財団は、記事の内容については施設の指揮官がインタビューに答えた内容など、公に参照可能な資料をもとにして書かれていて、そもそも施設にはガイド付きの見学ツアーだって存在しており、何が国防上の秘密なのかわからないとして削除を拒否。


そのため、DCRIは管理者権限を持つ編集者にターゲットを変更、4月4日にDCRIの事務所に呼び出してページ削除を強要し、削除を実行させました。ちなみに、この編集者は「ピエール・シュール・オート軍用無線局」という記事の編集に関わったことがないどころか、記事の存在すら削除する日まで知らなかったという無関係の人物で、選ばれた理由はフランス国内で活発に活動していたため、DCRIが身元を割り出すことができたからでした。

記事は削除後に、他の編集者によって復活。それまではほとんど見られることがなかったにも関わらず、復活後は閲覧件数ランキングに入ってくるほどのアクセスを集めるようになり、「ある情報を隠蔽したり除去しようとしたりする努力が、逆にその情報を広い範囲に拡散させてしまうという意図せざる結果を生み出す」というストライサンド効果のよい例になったと評されています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by logc_nt

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