北朝鮮で解禁されていた旅行者向け3G通信がわずか1ヶ月で利用不可能に
By comradeanatolii
今年2月末に北朝鮮の写真がモバイル端末から初めてInstagram上にアップされるというニュースがあった通り、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で旅行者向けに3G通信が解禁されましたが、それから1ヶ月で利用不可になったことが明らかになりました。
Mobile Internet service reportedly stopped for tourists « North Korea Tech
http://www.northkoreatech.org/2013/03/27/mobile-internet-service-reportedly-stopped-for-tourists/
これは、北朝鮮への旅を斡旋している中国の旅行会社Koryo Toursの公式サイトで明らかになったもの。
Koryo Tours - Tours & Tour Dates
http://www.koryogroup.com/
リリースなどは出されていませんが、Recent News(最近のニュース)の項目にこっそりと下記のような文章が追加されています。
NOTE: 3G access is no longer available for tourists to the DPRK. Sim cards can still be purchased to make international calls but no internet access is available.
(北朝鮮での旅行者向け3G通信は利用不可能になっています。SIMカードは購入可能で国際電話をかけることはできますが、インターネットへのアクセスはできません)
もともと北朝鮮では観光客の携帯電話を没収するという施策を続けていましたが、2013年に入ってその方針を変更し、携帯電話の持ち込みが認められるようになりました。
これと同時に、北朝鮮の通信キャリアであるKoryolinkがモバイルインターネットサービスの提供を開始。新華社通信によれば、データ通信料は2GBまでが150ユーロ(約1万8000円)、10GBまでが400ユーロ(約4万8000円)という設定で、国際ローミングと比較するとかなり高額でしたが、通信手段として利用する人は少なくなく、その中でモバイル端末から北朝鮮の写真がInstagramにアップされるなどしました。
わずか1ヶ月で方針転換となった理由は不明ですが、北朝鮮にとって情報をコントロールするということは重要課題の1つとなっていて、観光客には常に監視員が同行して撮影してはいけないものを撮ったときにその場で削除させられますが、インターネットにアップロードされてしまうと手が出せなくなってしまう、というのが一因かも知れない、とNorth Korea Techは分析しています。
ただ、North Korea Techは一方で「単純に技術的な問題かもしれない」という見方も示しており、北朝鮮に関して正確な情報が掴めないために、今回の事情もその背景に何があるのかが見えてこないというのが実情となっています。
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