取材

メキシコで愛される日本のアニメやキャラクターたち、メキシコ人はオタクだった


まさかメキシコでアスキーアートの「クマー」やNHKの「どーもくん」に出会うとは思いませんでした。このほかに「ワンピース」も「初音ミク」も「ジブリ」もあって、首都メキシコシティの「AKIBAビル」はまるで日本のようでした。その中でも「遊戯王」はかなりの人気で、テーブルの上ではカードバトル。真剣な表情のデュエリストがいっぱいです。首都だけでなく地方の都市でも、メイドインジャパンのキャラクターを見かけました。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。2011年末の「メキシコのオタクの聖地「AKIBAビル」に潜入してきた」を読んでいたので、メキシコシティで探してみました。調べてみると想像以上に楽しいことなったので、自分もまとめてみます。

◆メキシコシティ

メキシコ人のオタクの聖地「AKIBAビル」は、街のシンボルでもあるラテンアメリカタワーの付近にあります。


この辺りに電気街があって、ゲームショップの前には発売されて間もない任天堂「Wii U」のベーシックセットが5499ペソ(約4万円)、プレミアムセットが6799ペソ(約5万円)で売られていました。


岩田社長のプロモーション動画は英語です。


このレンガ色の建物が「AKIBAビル」になります。1階は携帯やパソコン関係の電子機器を販売していて2階、3階、4階に漫画、DVD、フィギア、ゲームといった店が入っています。


建物の外壁に掲げられた看板の破壊力。ここは日本ではなく、メキシコです。


このエスカレーターを上ると、夢の世界が広がっていました。


建物内のキャラクターの基本は萌え絵。


可愛らしい女の子。


「J合PONES」は日本語教室でしょうか?


2階、3階は通路を挟んでこのような感じでお店がならんでいます。


優しい雰囲気が出ているメキシコ人青年のお店。


初音ミクさん。


マグカップの「ブラックマジシャンガール」(下段左から4個目)が可愛らしい。


「HENTAI」が海外に広まった日本語だとは知っていたのですが、まさか「YURI」まであるとは。


「クマー」を発見。お店の人に聞くと「フェイスブックで人気だよ」と。


Tシャツに紛れ込んでも違和感はなし。クマーは「Pedobear」として海外でも有名で、2010年のバンクーバーオリンピックの際には公式キャラクターに混ざって新聞に掲載されるという珍事も起きています。


どこからどうみても「どーもくん」がいました。


・コピーDVD

DVDを販売している店がプロモーションで流している映像は「告白」


ある時は「るろうに剣心」だったり、


そして「GANTZ」と日本の流行を知っています。


「ジブリ」もいっぱい。


「武装神姫」「ソードアート・オンライン」「好きっていいなよ。」「To LOVEる -とらぶる- ダークネス」「生徒会の一存」「乃木坂春香の秘密」「ハイスクールD×D」といった、わりとディープな日本のアニメまで。


こんなにまでラインナップを広げていました。


・漫画

漫画屋さんには「ママレード・ボーイ」、「CLOVER」、「ラブひな」、「D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~」、「SHADOW LADY」がディスプレイされていました。


たくさん在庫を持っているようで、カタログを見せてもらいました。


そして自分が手に入れた「ドラゴンボールZ」は1冊25ペソ(180円)、値段が安い分1冊も薄くなります。


日本版の全42巻×2+1で全85巻。メキシコ、アルゼンチン、チリと中南米のスペイン語圏で同じ本が販売されているようです。


中身は当然スペイン語。


「Ahora(今だ)」はスペイン語ですが、「MAKANKOOSAPOO(魔貫光殺砲)」は日本語ですね。


スペイン語版のワンピースもありました。


・お菓子、韓流、へヴィメタ、ゲーム

日本のお菓子も販売されていて、赤いパッケージの標準ポッキー70gが40ペソ(約300円)。本当に買っていく人がいるからすごいです。


巨大なポッキーまで。「メキシコには日本の食品を扱う輸入業者があるんです」とお店の人は話してくれました。


韓国製のカップ麺。


K-POPのCDも置いてありました。ここでは日本、韓国、台湾のサブカルチャーが混在しています。


日本語で唄って、日本語でMCするライブ映像だけど誰だかわかりません。お店の人は「韓国の人だよ」と言っていましたが……。


「CNBLUE」というバンドだったそうです。メキシコ人、よく知っています。


ヘヴィメタグッズを扱っているショップのアクセサリー。


ブレスレット。


ヘヴィメタショップのお姉さん。


4階はゲームスペース。「ヨーヨー」が流行しているみたいで、何人かが練習をして技を磨いてました。


1987年の「初代ストリートファイター」が稼動中。


「THE KING OF FIGHTERS XIII」と、わりと最近のゲームも。


家庭用ゲーム機で遊ばれていたのは「NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー」、大画面で映画のようなゲームを楽しんでいました。


・遊戯王

遊戯王のカードゲームはメキシコでも大人気。机の上にカードを並べて熱いデュエルが繰り広げられていました。


カードが陳列された店頭ディスプレイ。カードは英語だったりします。


千年パズルを発見。


アフロのライオンがトレードマークの「EL LEON DORADO」は遊戯王のカードショップ。


店内のテレビにはドラゴンボールのアニメが流れていました。


天井に日本アニメのポスターがたくさん。


店内でウサギを飼っています。


なぜか店員さんと仲良しに。


別の遊戯王カードショップでは、カードケースが販売されていました。


ポケモンカードまで。


「カードファイト!! ヴァンガード」というカードゲームの存在をメキシコで初めて知りました。


お店にいた、「いつか秋葉原に行ってみたい、中野ブロードウェイも憧れる」と夢見るテイビィ。


ケヴィンは「ディルアングレイのファンなんだよ」とTシャツを指差してました。


・ペーパークラフト

ペーパークラフトショップにはたくさんのキャラクター。一枚の紙を組み立てると立体的な人形が出来上がります。


「ハウルの動く城」なんて超大作。


エヴァンゲリオン


ワンピースの「サウザンドサニー号」


トトロ。


初期の方のポケモン「フシギダネ」「ロコン」「ワニノコ」の3匹


「ケロロ軍曹」はスペイン語で「Sargento Keroro(サルヘント ケロロ)」


ワンピースのルフィには胸の傷。


エース。


スターウォーズの「R2-D2」ロボット。


「ダースベイダー」もいました。


こちらはヘルメットが外れます。


ドラゴンボールの「べジータ」


反対側はスーパーサイヤ人の仕様。


「マジンガーZ」に興奮。


頭部が戦闘機として分離。


このような一枚のペーパーからマジンガーZを組み立てます。15ペソで約110円。


◆地方

この盛り上がりはメキシコシティだけではありません。「AKIBAビル」の看板にあった「BAZAR DEL ANIME Y EL VIDEOJUEGO」を検索してみると「http://frikiplaza.com/」というサイトが見つかります。Ciudades(都市)を見てみると、メキシコシティ、アグアスカリエンテス、チワワ、クエルナバカ、レオン、メリダ、モンテレイ、モレリア、プエブラ、サンルイポトシ、トルカ、トレオン、ビヤエルモサとたくさんの都市に店舗があるようです。

ユカタン半島の中心都市であるメリダにもありました。


遊戯王のカードゲームに熱中する人たち。


メキシコ中部グアダハラの市場にも日本アニメのDVD。


カリブ海に面したベラクルスではイベント開催のポスターを見ました。


地方都市のテピックのアニメショップ。


服屋さんに涼宮ハルヒ。


メキシコ風サンドイッチのトルタスを頬張るナルト。


ドラゴンボールのステッカー。


スーパーマリオ。


リュウの昇龍拳、ケンの波動拳。


メキシコは、日本のサブカルチャーで溢れていました。

つい最近モバイルゲームとして誕生したアングリーバードがメディアミックスされてメキシコでも人気を得ていました。日本のキャラクターだって、これほどまでに下地は整っているのですから、ビジネスになる可能性は十分に秘めています。キャラクターで商売ができる国なんて、そんなに多くはありません。


まさかメキシコで、日本のキャラクターにこんなに触れるとは思ってもいませんでした。アニメやゲームを受け入れる何かをメキシコ人は持っています。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材,   マンガ,   アニメ,   Posted by logc_nt

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