取材

萌えキャラパッケージデザインは一体どこまで来てしまったかがよくわかる食品いろいろまとめ


萌える絵をパッケージデザインに採用するとその絵の効果で売上が上がったり、そもそもそういうことをすること自体が話題性を喚起することによってメディアで物珍しげに取り上げられていた時代は過ぎ去り、もはやある意味では定番の手法と化してしまった感じのある「萌えキャラのパッケージデザイン」ですが、段々といろいろな意味で洗練されていき、時代を超えて生き残ったものと新たなチャレンジを繰り広げるもの、柳の下の何匹目か分からないドジョウをすくいに来ているもの、というようにしてさまざまなパターンが出現しています。

そこで、さまざまな食品と巡り会えるFOODEX JAPAN 2013にて、ご当地特産を擬人化した商品や、萌え萌えなキャラクターをパッケージに採用しているものをまとめてみました。ある意味、時代の空気を反映しています。

静岡県は名産品やお祭りなどいろいろなものを擬人化・キャラ化する「もえしょくプロジェクト」が進行中で、FOODEX JAPAN 2013にもいくつかのアイテムを出展していました。まずは、「株式会社アルトラ」より販売されている「百都かれんちゃんのもつカレー」です。静岡県静岡市清水区のご当地グルメであるもつカレーを擬人化したのが百都(ももつ)かれん。サッカーともつカレーが好きな清水市に住む17歳の女の子で、口癖は「もつカレさま♪」となっており、単純にパッケージを萌え化するだけで無く、より一層キャラクターとしての方向性を出そうとしていることがうかがえます。


5人の萌え萌えな女の子とコラボしているのは静岡県焼津産鰹節を使用している「かつおぶしのふりかけ」。中央でお茶碗を持っているのが和食屋でアルバイトしている16歳の女の子「叢雲ひより」ちゃん。野球部のマネージャーでいつもおにぎりの差し入れをしているそうです。見て分かるように1つのパッケージだけでは完結せず、3つのパッケージを並べることで1枚の絵になるようになっており、セットにすることで通常の3倍売れるはずだという目論見が透けて見えますが勝算はいかに。


健康食品や自然食品などをを販売している「富士食品株式会社」から出展されているのは国内産の玄米・ハト麦・小麦ふすまを使用した、シリアルパフの「小麦ふす丸」。現代の女性の悩みを解決するために戦国時代からタイムスリップしてやってきた少年武将とのことですが性別は秘密だそうです。このあたりは時代の空気を反映させようという心がけが感じられます。


同じく富士食品から販売されている玄米を焙煎し、黒豆をブレンドした「玄米物語」を擬人化した「庵原元政」は自然を愛するイケメン武将。イケメンであれば何もかも許されるのかもしれません。


柿島養鱒株式会社」から出展されていたのは富士宮市の魚に制定された「にじます」のオリーブ油漬け缶詰「鱒財缶(そんざいかん)」。富士宮市出身の25歳ツアーコンダクターの「ニジオ」はにじますを世界に広めるために営業活動中です。


減農薬いちごを生産・販売している「石井農園」から出展されていた「石井農園のアイス苺」を擬人化された「石井苺(いしいめい)」、ネーミングセンスが明らかに読みやすさとかそんな生やさしい次元ではなく、もっとその向こう側まで突っ切らなければ差別化できないはずだという意志を感じます。


もえしょくプロジェクトの中でも一番目立っていたのが、「都富士本舗都」の静岡の民話をアレンジし現代風に作り上げた「駿河伝説」のオリジナルキャラクターを採用した「龍神富我志団(リュウジンフガシダン)」。左から沼津西浦みかん・伊豆山葵ソフト・静岡緑茶の3種類の味を展開中です。とても食べ物のパッケージには見えないかもしれませんが、そもそも論として店頭で並んだときに見てもらって気づいてもらわなければ勝負の土俵に立つことすらできないので、これはこれであり。


画像に写っているのは沼津西浦みかん味で、18センチのショートサイズの富我志団。


ショートバージョンには各味ごとにキャラクターARコード付きカードが入っています。向かって左が浄蓮の滝に住む蜘蛛「夜泉糸鬼」、真ん中が門池に伝わる伝説のメスの竜「メリュウ」、右が現世にやってきた2代目かぐや姫「茶園天姫


ARを実際にスマートフォンで見てみたのがこれ。表示されてるキャラクターは夜泉糸鬼です。


こちらは同商品のロングバージョン、90センチあります。一歩間違えれば抱き枕用のイラストが流用できそうな長さ。


箱から取り出すと、こんな感じ。


ちなみに、ロングバージョンにはキャラクターポスターが付いています。一体どっちが本体でメインなのか分からないぐらいまで振り切れているので、逆に清々しさを感じるレベル。


福島県の出展コーナーで遭遇したのは会津若松市の酒造「花春酒造株式会社」から販売されている「さくら八重にごり酒」。


お米から造られた清酒で、アルコール度数は15度以上16度未満です。


福島県出身のイラストレーター「荒井チェリー」が戊辰戦争で活躍した会津藩士の娘、「山本八重(新島八重)」をイメージしてデザインしました。裁縫などの家庭的なたしなみは苦手ですが、機械の扱いは得意、いわゆる女性らしさというものが自分には合わないと考えている山本八重のイメージをにごり酒で表したのこと。このような背景説明をちょっと突っ込んで作ってみるのもよさげ。


茨城県水戸市にある納豆を使った食品を販売している「だるま納豆」からは以前にも試食レビューを掲載した「水戸納豆カレー」が出展されていました。


鋼鉄天使くるみ」「円盤皇女ワるきゅーレ」の作者として知られる「介錯」がデザインしたキャラクターの「なとか」。半人前のドジッ子メイドのなとかがご主人様のために考えた健康メニューが水戸納豆カレー。というか、そういうようなさまざまな設定やキャラクター性などを前面に押し出し続けた結果、2009年から2013年の現在に至るまで4年間も同じパッケージデザインで生存し続けることができており、明らかにこれは淘汰を超えて生き残った勝ち組、イラストの力なのか、それとも売り方が良かったのか、それともその両方がうまく融合して化学反応を起こしたのか、いずれにせよ、この水戸納豆カレーは成功例として考えるに値することだけは確実です。

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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