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28人に1人が事故に遭う、保険の統計で見る海外旅行トラブルの傾向と対策


1000人に36人、約3.6%の海外旅行者が旅先で何かしらのトラブルに巻き込まれているというデータをジェイアイ傷害火災保険株式会社が公開しています。また、旅行情報の口コミサイト「トリップアドバイザー」が上記のデータを元に事故の内容をわかりやすいインフォグラフィックにまとめているので、トラブルの傾向と対策をチェックしてみることにしましょう。

海外旅行トラブルの傾向 トリップアドバイザーのインフォグラフィックスで世界の旅が見える
http://tg.tripadvisor.jp/accident/

下の図は海外旅行に出た人が仮に1000人だったとしてどれくらいの人が保険が必要なレベルのトラブルに巻き込まれているのか?というのを示した図。濃い赤やピンク、灰色で描かれた人が何らかの事故に巻き込まれた旅行者を示しています。ザッと眺めた印象としては学校に例えると1クラスに1人くらいの割合で発生しているという感じ。



で、実際にトラブルに遭ってしまった人たちがどのような用途に保険を使用したのか?という内訳を示すのが以下の図です。最も多いのが「治療・救援費用」でほぼ半数の人がこのケースに該当。次に多いのが「携行品損害」で約1/3、後は「旅行事故緊急費用」などとなっています。



最も保険の使用が多かった「治療・救援費用」とは、旅先でけがや病気になってしまい病院に行って支払ったお金や、自力では帰国が難しくなり家族や友人に迎えに来てもらう際にかかった費用などのことです。海外には腹痛やインフルエンザに虫垂炎(いわゆる盲腸)などの国内でも一般的なものに加えて、デング熱、黄熱、マラリアなどといった日本ではまずかからない病気のリスクもあるのでこのカテゴリーで保険の使用が多くなっているようです。



「携行品損害」とはカバンやカメラ、PCなどの手荷物の盗難や破損に対して保険が申請された事例のこと。飛行機などに預けたスーツケースが壊れたというような事故だけでなく、置き引きやひったくりなどの被害に遭ってしまった場合などに申請された保険もここに含まれます。



「旅行事故緊急費用」は予約していた飛行機が欠航したり遅れた場合や航空会社に預けた手荷物が現地に届かなかった時など、予期せぬ偶発的な事故により支払いを余儀なくされた交通費、宿泊費、食事代などを補償するものです。



「賠償責任」とは事故で他人や物に被害を与えてしまった場合の費用の補償のことですが、全体に占める比率は約1.5%と少なめ。



「旅行変更費用」は、やむを得ない理由で旅行を途中で取りやめ帰国する際の交通費や、出国を取りやめた際にかかる違約料などを補償するもの。2011年度は0.6パーセントと非常にまれなケースとなっていますが、ヨーロッパの大寒波やバンコクでのデモなどがあった2010年度は申請件数が例年より多くなっていたそうです。



で、実際にどこでどのような事故が起こっているのか?というデータは以下の通り。地域によって遭遇するトラブルに傾向があるようなので、旅行に行く前にチェックしておくと事故を回避するための参考になりそうです。



ヨーロッパでは「携行品損害」が最も発生割合の高いトラブルで、渡航先によっては飛行機の乗換が多くなり荷物の積み替え回数が増えるためスーツケースなどの破損が起こりやすいとのこと。また、盗難による損害に関してはスリによる被害が多いそうです。



アフリカも全体のトラブルに占める「携行品損害」の割合が最も高く、内訳は不明ですが一般的に日本より治安の悪い地域が多いため強盗やスリなどによる被害が少なくないのではないかと推測されます。



北米では「治療・救援費用」の占める割合が最も高く、「携行品損害」の割合はヨーロッパより15パーセント以上も低くなっています。



中南米で注目すべきは「旅行事故緊急費用」の割合が26.4%と高い点。全エリアの中で最高の値となっているので、飛行機を利用する際は欠航や遅延、手荷物の紛失などに対して特に対策を立てておく必要がありそうです。



アジアは衛生環境が比較的悪く気候も日本とは異なる場合が多いため体調を崩しやすいため「治療・救援費用」が72.3%と全エリアのなかで最も高い値です。軽度の頭痛や下痢などであれば市販薬で症状を改善できる場合も多いので日本から日頃使っている薬を持っていくのがおすすめです。ただし、単なる腹痛に思えても危険な病気の場合もあるのでしばらく様子をみても回復しない場合はすぐに病院に行くようにしましょう。



オセアニアもアジアと同じく、「治療・救援費用」が占める割合が高めです。特に理由は公開されていませんが、これは単に荷物の破損や盗難、飛行機の遅延などの他のトラブルの発生件数が少ないため相対的に「治療・救援費用」の割合が高まっているのではないかと思われます。



グアム・サイパンでは台風などの気象状況の影響による航空機の遅延や欠航が多いため「旅行事故緊急費用」の割合が他の地域に比べてとても高くなっています。この地域に行く場合は日程に余裕を持って、急な欠航などでも慌てずに済むスケジュールを組むと良さそうです。



なお、上記のインフォグラフィックは保険に加入していた人たちがどのような割合で事故に遭ったのかを示すものなので無保険の旅行者はデータに含まれていません。そのため、実際は海外でトラブルに巻き込まれている旅行者の割合はもっと高いのかもしれません。ちなみに、保険に加入していればトラブルに巻き込まれても基本的に金銭的な損害を回避することができますが、無保険では全ての費用が自己負担になってしまうため要注意。ロサンゼルスで虫垂炎(盲腸炎)の手術をしたら200万円以上の費用がかかるというケースもあるそうなので、海外に行く際には保険に加入した上で渡航先で起こりがちなトラブルの傾向を踏まえてしっかりと対策を立てておくと安心です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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