レビュー

初代からminiまで「iPad」シリーズの進化と真価がよく分かる歴代モデル全部並べてみたよレビュー


タブレットコンピューター市場を切り開いたAppleの「iPad」シリーズが発売以降どのように進化してきたか、その外観に焦点を当てて歴代全モデルを改めて比較してみることにしました。

◆側面デザインの変化

1番下が初代「iPad」でそこから順に新しい世代のモデルを並べて見るとこんな感じ。一番初代のiPadがなんだかやたら分厚く見え、2代目のiPad2がやはり割と薄いのだということが分かります。


真横から見るこうなります。


ジョブズが割とこだわったという角の処理は以下の通り。やはり初代だけが完全に浮いてしまっている感じ。


初代「iPad」と「iPad mini」は一見まったく別物のデザインですが、ディスプレイと本体との接合部分をよく見ると同じような処理が施されており、iPad miniは初代iPadをそのまま小さくして、少し角度を付けることで第4世代iPadに少し近づけた雰囲気となっています。iPad miniと初代iPadは遠目に見ると大きさこそ違うものの、デザイン的な処理は共通していることが分かります。


「iPad Retinaディスプレイモデル」(左)と初代「iPad」を比べると以下の通りで、分厚さがここまで違っているのがはっきり理解できるようになります。薄くなるということはそれだけあらゆる部品を小さく薄くしなくてはならず、それでいて性能は着実にアップさせてきているワケなので、ただならぬAppleの技術力の進歩を感じることが可能です。実際にAppleの技術にかける執念はすさまじく、研究開発費がどのように増えているのかというと、2007年は8億ドル(約642億円)、2008年は11億ドル(約882億円)、2009年は13億ドル(約1043億円)、2010年は18億ドル(約1444億円)、2011年は24億ドル(約1926億円)、そして今年度は約34億ドル(約2728億円)となっており、前年度より10億ドル(約802億円)も増えており、その膨大な研究開発費がこのような製品となっているわけです。


また、上記写真を見れば露骨にわかるのですが、初代では垂直だったエッジが、それ以降は角度が付けられており、このようにして角度を付ける理由は「家具」のこだわりと同じで、こうやって角度を付けることで同じ分厚さでも薄く見えるため。家具メーカーのfantoniの説明でも「60年代からFantoni製品のシンボル的意匠である45°のテーパーエッジ。このエッジ形状により天板や側板などの厚みが実際よりも薄く見え、その結果、家具全体がよりスリムに、シャープに、そして軽快な印象になるのです」とあります。故ジョブズ自身が自伝内でも触れているように、Apple製品全体に貫徹されているシンプルなデザインは「バウハウス」の影響を受けまくっており、本来であればこのようなハイテク製品と縁もゆかりもなさそうなものと家具の理屈とを結びつけるあたりがいわゆる「Appleらしさ」のベースになっているわけです。

◆ポートの進化

初代「iPad」(最下段)、「iPad 2」(下から2番目)、「新しいiPad」(下から3番目)までは30ピンのドック端子を備えていましたが、上2つの「iPad Retinaディスプレイモデル」と「iPad mini」では8ピンLightningコネクタに変更されています。なお、この新しい端子は本体に挿す際にどちらを上にしてもOK、というのは地味ながらかなり便利さを感じる部分です。


◆初代「iPad」と最新2モデルのディスプレイを比較

2012年の11月に発売された「iPad Retinaディスプレイモデル」は解像度が1536×2048ドット(264ppi)という超高精細ディスプレイを備えているので文字のエッジがなめらかになっています。


同じ画面を「iPad mini」で見るとこんな感じ。解像度は768×1024ドット(163 ppi)なのでやや精細にかける印象。


2010年4月に発売された初代「iPad」の解像度は768×1024ドット(132ppi)となっており「iPad mini」と同じ。こちらもアップで見ると文字のエッジがガクガクとしているのが分かります。


上記のようなディスプレイに対する進化へのこだわりもやはり故ジョブズが大学を中退して学んだカリグラフィーの延長線上であり、今やどのパソコンでも当たり前となった「フォント」の美しさに対するこだわりが、そのフォントを映す部分であるディスプレイへのこだわりとなり、そして最終的にはこのような「少しでもキレイに見える」ことにこだわったRetinaディスプレイへと結実していった、というわけです。

◆GIGAZINEを表示してみた


iPhoneは「4S」から「5」に進化するにあたりディスプレイが縦方向に長くなりましたが、iPadは全モデルで縦横比が同じ。ウェブサイトにアクセスした際に表示される範囲も全てのモデルで同一となっています。

iPad


iPad 2


新しいiPad


iPad Retinaディスプレイモデル


iPad mini


◆歴代全モデルフォトギャラリー

左から古い順に全てのiPadシリーズを並べるとこんな感じ。


iPad


iPad 2


新しいiPad


iPad Retinaディスプレイモデル


iPad mini


こうやって改めてiPadの進化を見てみると、iPhoneもiPodもすべてが最終的には「iPad」に至るまでの布石に過ぎなかったのではないか?と思えてくるほどです。まずiMacで斬新にしてシンプルなデザインを提案して席巻し、当時としては驚異的だったコンセントに刺すだけで基本的にそれでOKというモデルが、その後のハードとソフトとネットの垂直統合への原型となり、次にiPodで手のひらサイズのデバイスを提案、さらにiPod nanoやshuffleなどを続々と送り出して小型・薄型化、同時にiTunesとの垂直融合をどんどん進めていき、そこへiPhoneを出して通信デバイスとしての融合、そうやってiOS自体、何よりもAppleのデザイン自体に慣れ親しんだところへ投入されたのが「iPad」であった、というわけです。

既に「iCloud」のようなクラウド自体をハブとする究極の統合モデルまでの完成が実現しており、今後はどのようなものを出してくるかは不明ですが、少なくとも第4世代iPadやiPad miniに対して驚きが少ないのはこうやって進化をたどっていくと極めて当たり前で、順当な進化によって「慣れ親しんでいる」からこそ、つまりデファクトスタンダード寸前になっているからこそ、もう驚くこともない、当たり前にそこにあるデバイスとして認識されるようになってしまっており、ある意味、故ジョブズが当時見ていた異端のビジョンがようやく、みんなに普通に受け容れられる状態になった、という証拠でもあるわけです。

・次の記事
歴代のiPadのベンチマークを取って比較してみるとどうなるのか - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「iPad mini」vs「Nexus 7」実機対決、サイズ、重量、持ちやすさなど徹底比較 - GIGAZINE

「iPad mini」を速攻で分解したムービーがYouTubeで公開中 - GIGAZINE

iPadはこうやって作られる、知られざるFoxconnのiPad工場内部映像 - GIGAZINE

アップル社待望のタブレットPCの新名称は「iPad」 - GIGAZINE

7.9インチ「iPad mini」と超高精細ディスプレイ搭載の「第4世代iPad」が登場 - GIGAZINE

in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.