乗り物

世界初の3D印刷されたレーシングカーが時速140kmを記録


2012年3月に3Dプリンタで極小サイズのレーシングカーが作られましたが、3D印刷技術は大きい方もカバーしています。次世代エンジニアを育成するFormula Studentというイベントで、Formula Group Tが3Dプリンタで出力した世界初のレーシングカー「アレイオン」を作り上げてレースに出場しました。見た目だけではなく実際に走行可能で、時速140kmを記録したとのこと。

Formula Group T scores at Hockenheim - Group T

The Areion by Formula Group T: The World’s First 3D Printed Race Car | Materialise



Formula Group T - Home



ギリシャ神話に登場する間の名前からAreion(アレイオン)と名付けられたこのレーシングカーは、技術革新とグリーン技術の融合から生まれました。Formula Group Tは、ベルギーのルーヴェンにあるGroup Tという大学の研究チームを中心としたレーシングチームで、マシン設計をGroup Tのエンジニアが、立体成型はマテリアライズのエンジニアチームが担当しました

車体の設計でポイントとなったのは大きさ。マテリアライズの持っている巨大ステレオリソグラフィマシンを使用すると2100mm×680mm×800mmまでのパーツが作れますが、もちろんこれ単体ではボディ全体を3D印刷することができません。そこで、マテリアライズのエンジニアチームがいろいろな3D印刷プロジェクトで培った経験を生かし、パーツをどう組み合わせて接合するかというアイデアを出しました。車体の設計が始まってから3D印刷を完了するまではわずか3週間だったそうです。

巨大ステレオリソグラフィマシン


車体を作るにあたっては、簡単に組み上げられること、メンテナンスのために内部に簡単にアクセスできることが考慮されました。ノーズ部分にはまるでサメの皮膚のような、最先端の水着に使われている素材が用いられ、左右のサイドポッド内には複合冷却回路が詰め込まれました。


Formula Student



ドイツのホッケンハイムリンクで開催されたFormula Student Germany 2012でアレイオンは実戦に初投入されました。


スタートから時速100kmまでの加速時間はわずか4秒、トップスピードは時速141kmと、3D印刷された車だからといって普通の車に劣るところのない性能を見せたアレイオンはレースの結果、11位となりました。


このあと、イギリスのシルバーストン・サーキットで行われたレースにも参戦。こちらではスコアは52位でしたが、エアバス社提供の「チームワーク賞」に選ばれて500ポンド(約6万2000円)の賞金を得ています。


あとは安全性が気になるところです。

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in 乗り物, Posted by logc_nt

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