試食

ハインツの丸得ビーフカレー・特選ビーフカレー中辛・シーフードカレー・キーマカレーなどを食べ比べてみた


「そろそろ備蓄している夜食とかが足りなくなってきたから業務用スーパーかコストコにでも行くか……でも時間がないからAmazonでも探してみるか」ということで、ケチャップで有名なあのハインツが業務用にいろいろな種類のレトルトパウチシリーズを販売しているのを発見、片っ端から食べ比べしてみました。

今回試食するのは「丸得ビーフカレー」「特選ビーフカレー中辛」「ビーフカレー辛口」「シーフードカレー」「キーマカレー」、そして「ハヤシビーフ」「ビーフシチュー」の計7種類。なぜこの順番なのかというと、まずAmazonなどのレビューを読む限りでは、どうやら「丸得ビーフカレー」が一番お得だが具が寂しく、ビーフの量を増やしたければ少し高くなる「特選ビーフカレー中辛」、さらにスパイシーな辛さを求めるなら「ビーフカレー辛口」、一風変わった味として「シーフードカレー」と「キーマカレー」、カレーに飽きたら「ハヤシビーフ」、そしてやたら高級チックな「ビーフシチュー」でゴールイン!というわけのわからないシナリオを描いたため。


まずは「丸得ビーフカレー」(200g×10袋入り、税込1039円)。一つ約104円程度、Amazonなら送料無料なのでコストパフォーマンスのよさが最大にして唯一の特徴。「お肉たっぷり」と書いてはあるものの、果たしてどれぐらい入っているのか、少しだけ期待。


原材料を見ると「とうもろこし油」「にんにく油漬け」といった普通のカレーには入っていないようなものが。さらに「トマトペースト」とあるので、これはもしかしてハインツのケチャップの原材料の流用にきっと違いないはず。


5分間お湯であたためます。


ご飯を盛ったお皿にうつせば……


完成です。


「お肉たっぷり」ということでカレーの海を捜索した結果、牛肉のカケラを発見。それ以外の具はまったく見当たらず、ルーに溶け込んでしまっている模様。


ではご飯と一緒にいただきます。


・編集部員その1
辛さは、家庭用のルーに例えると中辛くらい。肉は非常に小さく、注意してかむと牛肉の味がするが、ほとんどカレーに溶けて存在感が失われている。
・編集部員その2
辛さはほとんど無い。また味に深みが無く、カレーというよりカレー色のスープといった感じ。
・編集部員その3
イベント会場で出されるカレーの味。
・編集部員その4
お肉たっぷりという感じはしないが、値段に相当するまさにレトルトカレーという味。

いくらなんでも丸得ビーフカレーはあまりにもあまりだということが発覚、わかっていたこととはいえ出だしから衝撃を受けた心を癒やすため、気を取り直して次は「特選ビーフカレー」(210g×10袋入り、税込2310円)、1つあたり231円。先ほどが1つ104円だったので一気に倍以上の価格に。しかもパッケージまでゴールド。格差を目で感じられる仕様になっています。


原材料を見ると「しょうが」「ウスターソース」「しょうゆ」「フルーツチャツネ」「チーズ」「はちみつ」というようにして、明らかに先ほどのカレーと根本的に味が違ってくるのではないか?と予想できるものが書かれています。おそらくソースとしょうゆを混ぜてコクを出し、そこにしょうがとフルーツチャツネを放り込んで刺激と香り、さらにチーズとはちみつでとろーり感と甘みを加えることで、なんだかよくわかりませんがとにかくすごそうなものになっていると期待できます。


パウチから出してみると「おお!」となるほどに、大きな肉がゴロリン。明らかに先ほどの貧相なカレーとはこの時点で一線を画しています。


比べものにならないほどの大きさの牛肉が一目で確認でき、確かに「特選」です。


スプーンにおさまりきらないほどに大きな牛肉も。そして気になる味の方はというと……


・編集部員その1
少し酸味のあるルーで味に深みがあって高級さが感じられる。肉はよく煮込まれた赤身で、口の中でトロリと溶ける感じではなく、かみしめて味わうタイプ。
・編集部員その2
肉の塊がいいダシのもとになっている。スパイスの利きも適度なところで、レトルトカレーと言われてコレが出てきたら「なるほど」と頷ける。レトルトカレーは1箱300円台程度まで手を伸ばさないと味に差が出てこないのを考えると、1つ231円のこちらはなかなかいい線をいっている。
・編集部員その3
肉の見た目のインパクトが大きいうえ、かみ応えもあって「あぁ、肉を食べている」という感じがしてグッド。
・編集部員その4
特選ビーフカレーというだけあって肉と炒めたタマネギをじっくり煮込んでいる感じがした。

しかしやはりカレーにはもっと辛さが必要だ、ということで次は「ビーフカレー辛口」(200g×10袋入り、税込1102円)、1つ110円程度。先ほどの特選が231円、丸得が104円なので、価格から逆算してみると味に対しては若干イヤな予感がします。


原材料を見ると、丸得と違って「しょうが」「フルーツチャツネ」「濃縮パインアップル果汁」「おろしにんにく」「バター」などが加わっており、なんだかよさげな感じ。


見た目は「丸得ビーフカレー」にそっくりです。


具はルーに溶け込んでいるためか、ほとんど見当たらず。


それでもスプーンですくってみると、何とか肉の断片を確認できました。果たして、味の方は……


・編集部員その1
辛さは、家庭用のルーに例えると辛口より少し辛いくらい。肉は細切れしか入っていなく、辛さに味が負けているので「食感」はあるものの「肉の味」はほとんど感じられなかった。
・編集部員その2
具はほとんど無い。ヒリヒリした辛さというよりは、程よいスパイシーさがあり大人な味といったところ。
・編集部員その3
ルーはピリ辛で、缶詰のような甘く煮た肉の味が感じられる。
・編集部員その4
「辛口」を名乗るだけあって辛さは増しているが、味自体は「丸得ビーフカレー」となんら変わらず。

特選で盛り上がった気分が急降下したので、気合いを入れ直すためにも「ほたて・えび・あさり入り」とわざわざ明記されている「シーフードカレー」(200g×10袋入り、税込1993円)に次はチャレンジ。1つ約199円程度。特選の231円よりは安く、丸得の104円の倍近い価格帯なので、おそらく味としては期待できるはず。


原材料の表記は多いものから順に表記するため、この原材料名一覧を見る限りでは「にんにく」が極めて大量に入っていることがわかります。また、シーフードの味わいを出すために「魚介エキス」、さらに魚介料理でよく使う「白ワイン」も発見、なんだか高級そうな予感。


何やら具が見えますが……


これがほたて貝。ベビーほたてぐらいの大きさまで縮んでいます。


他には、あさりやみじん切りにされた、たまねぎなども見えますが……エビはいずこに?


・編集部員その1
ほたてやあさりがゴロリと入っているので、レトルトカレーにしては見た目の華やかさがあった。シーフードのダシが出ているのでコクは強いが、磯っぽいニオイがちょっと強く感じられる。
・編集部員その2
具はたくさん入っていて「やった!」と思ったが、それ自体のうま味はスープにかなり溶け出してしまっている。魚介風味は悪くないが、スパイスが薄まっていて、味としては弱く感じられる。この味ならば、もう少し値段を頑張ってもらいたい。
・編集部員その3
味は甘め。貝が乾物を戻した食感でカレーで煮た感じがしない。
・編集部員その4
香り、味共に他のカレーとは違い、えびやホタテを白ワインで香りよくした感じのシーフードカレーに仕上がっている。

いくらハインツでもやはりこの価格帯では期待できないのかもしれないという現実の壁が迫り来るのを感じながら、絶望的な気分で迎えたのが次の「キーマカレー」(180g×10袋入り、税込2072円)。1つ約207円。丸得が104円なのでほぼ倍の値段。しかしここまでの経験から、価格上昇率と味の上昇率は当然ながら比例しないことが分かっているので、そろそろ覚悟を決める必要があります。


原材料には「グリーンピース」「とうがらし」「マンゴチャツネ」というようにして、今までとは明らかに違うラインナップ。根本的に違う味になっている予感。


小さく刻まれた具が、ルーの中にぎっしり。今までは「カレーの海の中に具の島が点在」だったものが、一気に「一面が具」という感じになっており、どちらに転ぶのかはまだ予断を許さない状況ですが、とにかく「今までとは違う」ということだけはわかります。


油脂が染みだして浮いており、これまでとは違い油っぽいルー。


ルーの中にはひき肉がぎっしり入っており、グリーンピースなどの具もチラホラと見えます。具だくさんといった印象ですが、味はいかに。


・編集部員その1
肉の脂がったぷり浮いていて、マイルドな味になっている。ルーにはたっぷりとひき肉が入っており、どこをすくっても肉の存在感が楽しめてグッド。ルーの味が酸味が強く、具のグリーンピースの味もそれなりに味わえた。
・編集部員その2
キーマカレーのレトルトというもの自体が少ないので目新しさがある。肉の量がわりと多く、スパイスの利いた味が良かった。
・編集部員その3
カレー屋のキーマカレーよりは、辛くないし後にひくコクも少ないが美味しい。脂が皿のふちにたっぷり浮いているが、コクがなくあっさり。唐辛子やグリーンピースなど具材がいろいろ入っていて楽しめた。
・編集部員その4
キーマカレーと言えば汁気が少ない印象ではあるが、このキーマカレーは汁気が多い。ひき肉と辛さのバランスが整っているのが印象的だった。

というわけで意外に期待以上だった味のキーマカレーまで食べたところで、次は趣向を変えて、「ハヤシビーフ」(180g×10袋入り、税込1817円)。1つ181円なので、丸得の104円よりははるかに上、キーマカレーの207円・特選の231円よりは下、というところ。


原材料を見ると「マッシュルーム」「ビーフブイヨン」「炒めたまねぎ」「赤ワイン」というようにして、確かにハヤシっぽい感じに。


お皿に出してみると、割と大きな具がルーの中から顔をのぞかせていて、これは期待大。


レトルトの具とは思えないほどのたっぷり感。これまでのカレーのルーとは一味どころか、二味ほど違う具の存在感。


・編集部員その1
マッシュルーム、タマネギ、肉がしっかりと形を残したまま入っていて、見た目の印象は豪華。トマトの香りと酸味が少しして、ハインツらしさを感じることができる。好みにもよるが、酸っぱさのせいで味に角があるような印象なので、コクのあるハヤシビーフをイメージしているとちょっと違うかも。
・編集部員その2
「ハインツのホールトマトが入ってる?」ってぐらいにトマト風味の強めなハヤシビーフ。ルーで作るとデミグラス強めでカレーとの差があまりなくなるが、これはとにかくトマト路線。デミグラスを期待して食べると「!?」ってなるが、トマトが強いと把握していれば、「なるほど」となる。
・編集部員その3
ハインツのホールトマトをそのまま食している感じ。ハインツっぽく酸っぱいが、味が単調に感じられ3口目くらいでちょっと飽きる。
・編集部員その4
じっくりと煮込まれた牛肉の旨味とトマトの酸味が調和しており、コクも感じられて良かった。

そんなわけで妙にハインツのトマトっぽい味がやたら強いハヤシビーフをあとにして、ラストは「ビーフシチュー」(300g×6袋、税込2346円)、1つ約391円となっており、圧倒的な値段の高さ。


原材料を見ると、ついに「トマトケチャップ」登場、どう見てもハインツのケチャップが放り込まれています。ほかにも「赤ワイン」が入っているあたりは納得なのですが、「マーガリン」と「バター」が入っていたり、またしても「しょうゆ」と「ウスターソース」、そしてトマトケチャップが入っているのにさらに「トマトペースト」を追加していたりと、なかなかカオスな雰囲気。最後まで気が抜けません。


パウチから具を出すと……おっ?


おぉ!?


こ、これは……


牛肉、じゃがいも、にんじんはレトルトとは思えないほどの大きさ。まるでレストランで出されるちょっと上品なシチューのよう。「ハヤシビーフ」でも具の大きさに驚きだったのですが、こちらをそれをはるかに上回る内容。レトルトの具材としては、いまだかつて見たことが無いレベル。


どの具材も十分に味をかみしめられるほどの大きさで、よくあるレトルト商品の具のように「食感はあるが、何を食べているのかわからない」なんてことにはなりません。


・編集部員その1
ルーは割とコクがしっかりとあり、酸味もあるので深みと高級感が感じられる。ただし、レトルトなのに400円台という値段を考えると、ちょっと手が出しにくい。
・編集部員その2
封を切ったときの具のゴロンッ!って感じはカレーでは見られなかったので驚いた。これはそのままどこかのファミレスで800円から980円ぐらいで提供してそう。ニンジンはちょっと柔らか過ぎる印象。肉は筋張っていてちょっと固いが、うま味があったのでヨシ。
・編集部員その3
ちょっと甘さが強い、よくあるビーフシチューの味。肉は「丸得ビーフカレー」と同じで、普通の肉の味に感じられた。
・編集部員その4
他のレトルトに比べて圧倒的に具が大きい印象。大きめにカッ卜した牛肉と野菜がよく煮込まれており、まさにビーフシチューといった感じ。

そんなわけで身もフタもない結論を言うと「価格と味が比例する」という感じなのですが、それでもなお各自の味の好み、さらにはコスト感覚によって生まれる価値観の違いによって、「この価格でこの味のレベルなら許せる」「むしろこの価格ならこの程度の味が妥当」「この値段なら割とお得な方」というようにしてそれぞれの商品の個性が浮き彫りにされていき、改めて「何をどう買うべきか」という自分の中の基準を見つめ直す機会にもなりそうです。


ハインツ、おそるべし。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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