取材

裸の男たちが極寒の中で水を浴び炎の上で叫ぶ「蘇民祭」現地取材~突撃編~


気温が零下になる中ふんどし一丁で氷の張った池に入り身を清める「裸参り」や燃えさかる炎の上で気勢を上げる「柴燈木登り(ひたきのぼり)」、護符と縁起物の麻袋を集団で奪い合う「蘇民袋争奪戦」など、想像を絶する過激な行事が一晩中行なわれる「蘇民祭(そみんさい)」。このお祭りは岩手県の各地で行なわれる1000年以上の歴史をもつ伝統行事として毎年開催されており、奥州市の黒石寺(こくせきじ)のものは最大規模のものとして地元の一大イベントとなっています。

また、イベント2008年には「裸祭りポスター:JR東が「待った」…女性が不快感」の記事で報道されたように、ほぼ全裸で行なわれる祭りの様子は、ポスターにするだけで物議を醸すほどのインパクトがあり、ネット上でも歴代の作品をまとめたサイトを複数見つけることが可能なほどの注目を集めています。

蘇民祭ポスターまとめ - アルファルファモザイク

【裸祭り】黒石寺蘇民祭のポスター画像集 - NAVER まとめ

【2ch】ニュー速クオリティ:「男性の胸毛が不快」で話題となった蘇民祭ポスター、今回はクレームなし JR、来月から掲示

2012年は1月29日夜から30日朝にかけて祭りが行なわれるので、どのような環境の中でどれほど過酷な行事が行なわれているのか、実際に現地に行って取材をしてみることにしました。

「蘇民祭」の会場となる黒石寺は岩手県奥州市にあるので、東京からはJR「やまびこ」の盛岡行きに乗って最寄りの水沢江刺駅まで行きます。


寒さが最も厳しくなる時期に行なわれる祭りだけに、東京ですら既にうっすらと雪が積もっていました。


郊外に出てみると山にはかなりの積雪があるのが見えます。


北上するにつれて雪が深くなります。


トンネルを抜けると、そこは思ってた以上に雪国でした。この地点よりさらに北上した場所で裸祭りをするというのは、相当過酷なはず……。


車内には乗客の姿がほとんどありません。


水沢江刺駅に到着。駅前にはバスとタクシーのロータリーがあるだけでコンビニすらありません。


さっそく「蘇民祭」の看板を発見。


南部鉄器で有名な土地でもあるので、鉄瓶をかたどった看板もありました。


さすがに市内の道路には雪は積もっていませんでしたが、道路脇はカチンコチンに凍結しています。


路地に入ると道にも雪が。


居酒屋の前に置いてあったメニューが凍っています。


「蘇民祭」のポスターを発見。今年は子供がモデルです。


市街地から車で15分程の所に黒石寺があります。祭りの時期はお寺の少し手前から案内版が出ているので迷わないはず。

いよいよ現地入りです。


銅像がお出迎え。


入り口。トイレはこの奥にあります。


駐車場を出ると夜から始まる祭りの準備に追われる人たちが慌ただしく働いています。


本堂へ上る手前に案内版を発見。この「瑠璃壺川」というのが、参加者が水浴びをして体を清める場所のようです。


これが瑠璃壺川。


凍結してる……。


滑らないようにムシロが敷いてあります。


5センチ近い厚さの氷が張っていました。


報道機関は既に場所取りを開始。


近くで見るとこんな感じ。


体を清めた後はこの階段を登って境内にお参りに行きます。


階段を登った先には臨時バスの案内が。祭りの開始は深夜、終了は早朝になるのでそれに合わせた便がでています。


黒石寺の歴史です。この場所は西暦729年に天台宗のお寺として開かれ、、現在の本堂は1884年に再建されたものとのこと。


境内には祭りの参加者の控え室が用意されています。階段の先にあるのが、行事の舞台となる本堂。


食堂もあり、甘酒、おしるこ(各100円)などが販売されています。


本堂の前には案内所があり、スケジュールなどを教えてくれます。


裸になって祭りに参加する場合は下帯(ふんどし)と足袋の着用が必須。なお、女性は見ることは出来ますが、争奪戦などへの参加はできません。


本堂の前にはたき火をするための木材が大量に積まれていました。


これがお寺の本堂となる「薬師堂」。


鉄製の狛犬が1対。


本堂の参拝場所です。この後の主な行事はほとんどがこの場所で行なわれます。


柱には龍の彫刻。


歴史を感じさせる木造の壁。


屋根には雪が積もっています。後ほどの境内でかなり盛大にたき火が行なわれるのですが、それでも延焼がおこらないのは至る処が雪で覆われているからなのだそうです。


薬師堂の歴史です。1000年以上も前に一度焼失していますが、これは戦火によるもの。


境内には小さなお堂もあります。


ムシロで囲われた控え室。内部には藁束があり、これが座布団代わり。夜になると中央の炭をたいて暖ををとります。


撮影禁止の注意書き。


控え室の中には一般の参拝者用に開放されているものもあり、、1000円で飲み放題食べ放題といった場所も。


宗教行事なので、期間中境内では肉や魚を口にすることはできません。


この小屋では料金を払うと木片を渡されこれがパス代わりに。出入り自由で早朝まで暖をとりつつ食事やお酒が楽しめます。


内部はこんな感じ。


炭火で料理が作られています。


ひっつみ汁。


おでん。


座席はこんな感じ。零下の気温なのでムシロの上に座るだけでもかなりあたたく感じます。


日が落ちると電気が灯ります。


20時頃に行なわれる厄年の人たち向けの祈祷で「蘇民祭」がスタート。


この時間から徐々に人が集まり始めます。


あたりが暗くなるといよいよ祭りは本番。


この後に行なわれるふんどし一丁で男たちが水浴びをする「裸参り」などの様子は、次の記事でどうぞ。

・次の記事
裸の男たちが凍った川で水を浴び炎の上で叫ぶ「蘇民祭」現地取材~極寒編~ - GIGAZINE


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in 取材, Posted by darkhorse_log

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