取材

インドでマラリア発症・ポリープ発覚、緊急帰国を強いられたある旅人の悲劇


みなさんはじめまして、今週から記事を書かせてもらうことになりました、松崎敦史です。「誰?」と言われると非常に困るのですが、世界一周バックパッカ―をしながら「世界新聞社」というブログに記事を垂れ流している者です。主に世界のディープスポット潜入レポート、旅人や世界で働く日本人へのインタビューなどを書いています。

以前は専門誌で編集者をやってまして、フットサルなんかを取材していました。5年働いた後、突然「広い世界が見たい」という衝動にかられ、電撃的(?)に会社を辞め、勢いだけで今年の7月15日に世界一周に出発しました。西周り、1年間で最終目的地・アメリカを目指す旅です。

旅の予定ルート

より大きな地図で ルート を表示

ガンジス河でバタフライ


ネパールのカトマンズにて


チベットのラサでチべタンの青年たちと。


中国の黄山で一緒になった強烈なルームメイト


ブルーシティの異名をもつインドのジョードプル


四川のタ―ゴンで祈りをささげるチベット仏教信者


そして今、僕はアメリカのロサンゼルスでこれを書いています。「出発4ヶ月でもう目的地?」いや、違うんです。これには深い理由が……。

遡ること2週間前、僕はインドにいました。そこで、ある悲劇が僕を襲ったのです。まずはその辺りから書きたいと思います。


10月24日、僕は中国→ネパール→インドと旅をしてインドのコルカタ(東部にあるインド第三位の1553万の人口をほこる大都市)にいました。インドを一通り回り終え、コルカタからバンコクへ飛ぼうかなと思っていた頃でした。

コルカタの雑踏


その日、僕は体調が悪く、宿で横になっていました。微熱と寒気とだるさ。3日くらい風邪のひき始めのような状態が続いていておかしいと思っていたんです。

昼過ぎ、突然、急激な体温の上昇を感じます。熱がカラダの奥から湧き出してくる感じ。しばらくすると新たな異変が。寝返りを打とうとしたのですが、打ちたい方向に打てない。身体の自由がきかない。これはやばいと身体を起こそうとするも、上半身が起きあがるギリギリで、意思とは反してベッドに突っ伏してしまう。

なんとか起きあがるも、フラフラ。とにかく部屋を出よう。しかし、ドアに南京錠をかけようとするが、指が思うように動いてくれない。フックを穴に差し込むことができない。階下に降りた僕はスタッフに言いました。

「俺を病院に連れてってくれ」

そして、そのままタクシーで病院へ。即入院。マラリアであることが判明したのです。

幸い、マラリアの症状は軽く、2日目でかなり回復し、4日目には点滴も取れるまでに。ただし、念のためトータル7日間は入院してもらうとのことでした。しかしこの時すでにマラリアはもうひとつの悲劇を手繰り寄せていたのでした。

おそらく小学校以来の点滴


こんなことができるまでに回復


入院4日目、病室でインドの看護婦さんと恋バナに花を咲かせていたときです。医者が部屋に来て言いました。

「お前、ポリープが見つかったぞ」

実はマラリアでエコー検査を受けていまして、そこで胆のうに見つかったみたいなんです。で、ネットでいろいろ胆のうポリープについて調べてたんですけど、胆のうポリープって大半はたいしたことないらしいんですね。エコーしたら結構見つかるらしくて。医者も「今は全く問題ない。3ヶ月後に検査して経過を見ればいい」って言ってたし。で、のんきに構えてたんですけど……。

インドの看護婦さん。赤いナース服は全然そそりませんでした


病院食は3食中、2食がカレー


退院前日、医者にもう一回詳しくポリープについて聞いてみたら、僕のやつ、ネットで書かれてたようなモノとは違うみたいで。で、医者がサラっと言うんです。

「ここで手術していけよ」
「は?今どうこうって話じゃなかったよね」
「でも、あと9カ月も旅するんだろ。医療設備のないところで痛くなったりしたらどうする?」
「手術ってどのくらいで退院できるの?」
「3日で退院できる」
「ポリープをとるってこと?」
「いや、取り出す」
「ポリープを?」
「胆のう全部」
「は?」

なんか、胆のうって手術するとしたら、全摘出になるみたいなんです。

右が手術を宣告した医者


一瞬頭をよぎりました。この先、謎のポリープを抱えて旅をするくらいなら……。でも、冷静になったらインドで胆のう全摘出とか狂気の沙汰ですよ。しかもあいつら、それを「一杯やってく?」みたいなノリで言ってくる。退院の前日にいきなり手術を薦めてくることも解せない。ただ、ポリープを見つけてしまった以上、どういうモノなのかはっきりさせたい。でも、インド人は信用できない。という訳で一回日本に帰って診てもらうことにしたんです。まだインドでそう遠くもないですし。こうして退院から2日後の11月4日、僕は緊急帰国を果たしたのです。そして、日本では衝撃の事実が待っていたのです。

インドの病院からもらったエコー画像。POLYPの文字が


インドの病院からもらった診断書


地元の病院で再度エコーをとってもらい医者の判断を仰ぎます。僕のエコーを見ながら医者は言いました。

「あのなぁ、ポリープ見つからんかったわ」

腰ぬかしそうになりましたわ。いわく、はっきりポリープと確認できるモノはなかったと。もしかしたらポリープがあるのかもしれないが、それはエコーに映るか映らないかの、問題にならないレベルのシロモノだということです。そういうモノがこれから大きくなる可能性はほとんどないし、心配なら旅から帰ってくる9ヵ月後に検査すればいいと。

日本の病院からもらったエコー検査結果


で、はっきり言われました。「今の状態で手術する人はいない」。まんまとインドの医者にハメられました。金だったんでしょうね。僕は海外旅行保険に入っていたから、僕が医療行為を受ければ受けるほど、保険会社から病院に金が落ちる。たまたまエコーにポリープらしきモノが写ったことをいいことに「金が取れる」と手術の口実にしたというところでしょう。そう、僕のポリープはでっちあげられたのです。

そんなこんなで僕は今ロサンゼルスにいます。どうせスタート地点に戻ったし、こうなったらもう、逆走してやろう!半分やけくそです。こうして東周り、アメリカから旅の続きが始まりました。

これまでの旅の痕跡(青がポリープ疑惑前、黄がポリープ潔白後)

より大きな地図で 現在地 を表示

今はロサンゼルスのハリウッド


世界一周再開!


(文・写真:世界新聞社/松崎敦史
http://sekaishinbun.blog89.fc2.com/

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
カナダの医療チームが「Kinect」を外科手術の現場で採用、執刀医の作業負担を大幅に削減 - GIGAZINE

外科手術中に目を覚ましてしまいパニック状態で手術が進められる - GIGAZINE

男性の腹部に38センチの手術道具が置き忘れられる - GIGAZINE

in 取材, Posted by darkhorse

You can read the machine translated English article here.